ストーリーとしての競争戦略 (Hitotsubashi Business Review Books) | |
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東洋経済新報社 |
第一章:戦略はストーリー
●自身のビジネスならどのようなストーリーが描けるか?
優れた戦略の条件とは:戦略がストーリーになっているか→優れた戦略とは思わず人に話したくなるような面白いストーリー
優れた戦略は、戦略を構成する要素が絡み合って、全体としてゴールに向かって動いていくイメージが動画のように見えてくる。全体の動きと流れが生き生きと浮かび上がってくる。之がストーリーがあるということ。
大きな成功を収め、その成功を持続している企業は、戦略が流れと動きを持ったストーリーとして組み立てられているという点で共通しています。戦略とは、必要に迫られて、難しい顔をしながら仕方なく作らされる者ではなく、だれかに話したくてたまらなくなるような、面白いストーリーであるべきです。
◯戦略にとって肝心要の因果論理/「何を」「どのように」とその背後にある「なぜ」
ストーリーの駆動力となる因果論理
重要なのは論理
優れた実務家は、必ずと行っていいほど何らかのフォームを持ち、それを野生の勘の源泉として大切にしているはずです。学者の言う「理論」ではありませんが、その人に固有の志向や判断の基準があるのです。4㌻
ビジネスのもろもろのうち二割は、やはり何らかの理屈で動いている。5㌻
<優れた戦略ストーリーの論理を明らかにする>
新しい視界や視点を獲得すれば、背中を一押しされるようにアクションを自然と生まれるものです。この意味で「論理ほど実践的なものはない」と私は確信しています。11㌻
戦略の本質:「違いをつくって、つなげる」
戦略の神髄はシンセシス(綜合)にあり、アナリシス(分析)の発想と相容れない
▶戦略は部署でなくて人が担う
▶戦略は文脈に埋め込まれたシンセシス
▶競争戦略は、「誰に」「何を」「どうやって」提供するのかについての企業の様々な打手で構成されています。戦略は競合他社との違いをつくることです。
ストーリーとしての競争戦略は、様々な打手を互いに結びつけ、顧客へのユニークな価値提供とその結果として生まれる利益に向かって駆動していく論理に注目します。
ストーリーとしての競争戦略とは、「勝負を決定的に左右するのは戦略の流れと動きである」という思考様式である。
★戦略は面白い「お話」であるべき
ストーリーの面白さは、戦略の実行に関わる社内の人々を付きごかす最上のエンジンになります。48㌻
ストーリーの共有は勝負を総力戦にもちこむための条件として大切です。51㌻
まずは、心底面白いと自分で思える、思わず周囲の人々に話したくなる。戦略とは本来そういうものである。
成熟した環境下ではなかなか、画期的な新商品まだ誰も参入していない成長性の高いセグメントというのは難しい。だからこそ、ストーリーという一つ上位レベルに次数を繰り上げた差別化が求められる。
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日本の企業は、
「ユニクロでは、『それはお客さまに何をもたらすのか』という基準が、商品、売り場、サービスなど販売に関わる活動は勿論、経営計画や管理部門のあらゆる施作にも適用」61㌻というように、価値のアウトプットに人々のアイデンティティがある。それゆえ戦略ストーリーを組織の人々で広く共有することがより重要に異なる。