ストーリーとしての競争戦略 (Hitotsubashi Business Review Books) | |
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東洋経済新報社 |
~ストーリーとしての競争戦略のお話
第三章:静止画から動画へ
★個別の打手ではなく、その結果とした現れるストーリー全体の面白さが勝負★
◉戦略ストーリーは終わりから組み立てていくべきものです。起承転結の「結」をまずははっきりイメージすることが先決です。181㌻
◉ストーリーの最後にくるシュートは、あくまでも「なぜ儲かるのか」という論理にこだわるものでなくてはなりません。180㌻
◉繰り返しが効くというのも、ストーリーを長くする手口です。204㌻
◉戦略ストーリーは、特定時点で完結する意思決定やデザインの問題ではありません。むしろ日々経営の仕事の中で遭遇するさまざまな事象をストーリーの視点から考え、ストーリーに取り込み、ストーリーへと仕立てていく。このストーリー化のプロセスに経営者なり戦略家の仕事の本領があります。(中略)さまざまな機会や脅威のインプットを受けて、ストーリーはその後も進化していくべきものです。225㌻
◉ひとつひとつは小さい話かもしれませんが、数多くの因果論理が着実に積み重なって戦略ストーリーの一貫性が出来上がっています。229㌻
◉競争優位の正体がストーリー全体の一貫性、筋の良さにある以上、時間をかけてでも独自のストーリーを追求する姿勢が大切です。234㌻
<4枚目の切り札:ストーリー>
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3枚目の切り札:OC(組織能力)
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2枚目の切り札:SP(戦略的ポジショニング)
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1枚目の切り札:競争
<戦略ストーリーの5C>
・競争優位(Competitive Advantage)
ストーリーの「結」/利益創出の最終的な論理
・コンセプト(Concept)
ストーリーの「起」/本質的な顧客価値の定義
・構成要素(Components)
ストーリーの「承」/競合他社との「違い」
・クリティカルコア(Critical Core)
ストーリーの「転」/独自性と一貫性の源泉となる中核的な構成要素
・一貫性(Consistency)
ストーリーの評価基準/構成要素をつむぐ因果論理
<よいストーリー>
ベネッセの継続型ビジネス/
◯ベネッセはラテン語の「よく生きる」という意味で、この意味通り人々がより良く生きることを支援する企業になるというのが、ベネッセのビジョン。
人々の『よく生きる」を支援する最も有効な手段は、人と人との関係性をつくり、関係性の束としてのコミュニティを醸成することにある。これがベネッセの様々な事業に共通する基本スタンス。会長の福武氏は「継続ビジネス」という言葉で表現している。長い時間をかけて培われる顧客との関係性がもたらす付加価値こそベネッセの競争優位性と長期利益の源泉である。200㌻
「双方向のコミュニケーションでコミュニティをつくり、コミュニティが継続的につくりあげる人間的な価値を長期利益に転化する」
cf.赤ペン先生も先生同士の人的ネットワーク、成長に支えられている。
◯ベセッセは通信教育事業の外への進出しています。その一つが「たまひよ」と呼ばれる、妊婦や乳幼児を持つ母親向けの雑誌『たまごクラブ』『ひよこクラブ』です。これらの雑誌は従来の出版事業と異なり、購読者の母親の間でコミュニティを形成することに重点を置いています。「たまひよ」には専用のウェブサイトがあり、さまざまな意見交換が行われ、購読者間の横のつながりによって出産や育児に対する問題解決が可能となっています。206㌻