10月の歌舞伎座で山田洋次さんが演出する「文七元結物語」に寺島しのぶさんが出演することになったそうである。とても期待しているし、できれば見に行きたい。
寺島さんは歌舞伎の家で育ってきたので、歌舞伎のことをよく知っている。しかも女優としての実力は言わずもがなである。多くの人が歌舞伎座に立つ寺島さんを見てみたいと思うであろう。。
そもそも歌舞伎は「出雲阿国」が始めとされ、本来は女性による踊りであった。それが幕府によって禁止されたために男だけで演じられるようになったものなのだ。だから女人禁制は本来のものではない。
もちろん男だけの演劇であることによって歌舞伎は育ってきたのであり、男だけの歌舞伎を否定しなければならないというものではない。しかし女人禁制という考え方は現代においてはあってはならないものである。しかも今回の演目は「文七元結」なのだから本来歌舞伎のために書かれたものではない。落語の芝居化である。女性が演じて悪いわけがない。もしこの演目まで女性が演じてはいけないものだとしたら、歌舞伎の世界が男女差別をしていると訴えられても仕方がない。
ネットメディアの反応は猿之助との関連とか団十郎の襲名披露の不入りなどとの関連で取り上げようとしているところがあるが、それはないだろう。勝手な推測で記事を見てもらおうとしているにすぎない。このような根拠のない邪推をネットに流さないでいただきたい。
歌舞伎界がいろいろと混乱しているのというのは事実である。しかし歌舞伎界がさまざまな変革を目指しているのもよくわかる。それを応援していきたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます