山形市のやまぎん県民ホールで舞台『ジュリアスシーザー』を見ました。場面が積み上げられていくにしたがい、登場人物の心理が乱されていき、その渦ががラストシーンに集約されていきます。すばらしい舞台でした。
キャスト
吉田羊 松井玲奈 松本紀保 シルビア・グラブ
藤野涼子 久保田磨希 智順 中別府葵 小山萌子 安澤千草 高丸えみり
岡崎さつき 鈴木崇乃 水野あや 清瀬ひかり 原口侑李 西岡未央
三田和代
演出
森新太郎
女性だけのキャストですが、まったく違和感はありません。ひとりひとりがセリフを丁寧に表現しようとしていて、話もよく伝わってきます。
シーザーを暗殺しなければならない理由もよくわかりますし、暗殺場面の心の動きがよくわかる演出となっているので、死の恐怖、殺すことの恐怖、どちらもひしひしと伝わってきます。
民衆の集団の演技も見事に演出されており、アントニーの演説によって変化していく様子がよくわかりますし、その後の話の展開が納得できるものとなっています。
追い詰められたブルータスの心はよく表現できています。敗北を認めなければならない無念さと、潔く死ぬしかないとという決意、そして死の恐怖、表情としぐさで示されています。
ラストシーンは心の渦が集約されて、迫力のある虚しさがおそってきます。
「鳥肌が立つ」という表現は大嫌いな表現ですが、事実「鳥肌が立」ってしまいました。名作です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます