あけましておめでとうございます。このブログで自分の駄文を多くの人に読んでもらって励みになっています。今年もよろしくお願いします。今年までは忙しい状況が続くのでなかなか思うようにいかないことも多いと思います。何とかがんばりたいと思います。
年末年始休み、と言っても1週間ないのですが、米澤穂信さんの『黒牢城』を一気に読みました。
戦国時代の武将、荒木村重が織田信長に謀反を起こし、有岡城に籠城したと言う史実をもとに、その籠城中に起きた様々な事件の謎解きを絡めながら描かれた小説です。荒木村重に重要なヒントを与えるのは、有岡城の土牢に幽閉されている黒田官兵衛です。私は歴史に詳しいわけではないのですが、歴史好きにはたまらない設定かもしれません。
この小説はミステリーといえばミステリーかもしれませんが、事件の謎解きというよりも、事件の謎の背景にある人間の心理の謎解きが主となっているので、単純なミステリーではありません。
リーダー論、組織論、宗教論、武道論、様々な人間を突き動かす道理が絡み合い、それが現実の世界でどう動いていくのか、作者の筆の力によって、そんな絡み合う困難な状況を見事に描き切っています。感服するしかありません。
いたるところに伏線があり、それが最後にひとつになる構成も見事です。
直木賞も間違いないでしょう。
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