『人新世の「資本論」』の著者、斎藤幸平氏の新著『ゼロからの「資本論」』を読みました。これは「NHK100分de名著」において放送された「カールマルクス『資本論』」のテキストに加筆・修正し、新たに書き下ろした章を加えたものだそうです。そのテレビ番組も興味深く見ました。マルクス主義というとすでに終わった思想のように思われた締まっていますが、実はこれからが本当に出現するのではないかと私は思っています。その考えを後押しするような本でした。
現在日本ではソ連や日本共産党のイメージから、共産主義が悪いモノ扱いされています。しかし私はマルクスの思想には学ぶべき点が多いように思っていました。マルクスが言っていたのは、資本主義が行き詰った後に共産主義が訪れると言っていたのです。まだみんなが資本主義の恩恵を受け、資本主義を信じている時代に共産主義が訪れるはずがありません。
本当に共産主義が訪れるためには、みんなが資本主義に嫌悪感をいだくような状況までにならなければいけないのだと思います。多くの人が資本主義が人間の不幸にすると考え始めた時に、共産主義がそれに代わるものとして顕在化する、それがマルクスの本来の考えなのではないでしょうか。
現在、資本主義の悪い面が出始めています。世界的な少子化や、環境破壊、そして自国内での格差や世界的な格差など、あらゆる面で大きな問題が人類を苦しめ始めました。今の時代を俯瞰し、みんながより幸せになるために、もう一度マルクスの思想を考える必要があるのではないかと考えています。
資本主義の行き詰まりの打開の方法を私たちは探していかなければなりません。そのためには共産主義と聞いただけで嫌悪感をいだくのはやめるべきです。
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