山形県の教員採用試験の倍率がどんどん落ちている。小学校は324人受験して195人合格、1,66倍です。中学校はそこまで低くはないのですが、教科によってはかなりの低倍率です。国語にいたっては19人受験して16人合格です。
私は国語教師なので非常に心配しています。このまままで山形県の教育のレベルは維持できるのか。そしてこの国の国語教育は維持できるのかをです。
この背景にはいろいろな問題があります。一番の問題は教員が忙しすぎるということです。まともな人間ならば教員を目指しません。わたしもこれからの若者に教員を薦めるかと言えば、ありえません。
国語教育の問題もあります。国語の問題としては、旧態依然とした国語教育に大きな問題があるのではないかと考えています。これはこのブログでも何度も言ってきました。
国語は様々な分野がありながら、これまで大学入試に必要な分野だけが行われてきたのです。その他の分野がおろそかになってきていたのです。そのために言語技術の分野、コミュニケーション能力、演劇教育などの表現分野、外国人に日本語を教える際に必要になる日本語力など、本来必要とされる、あるいは今必要とされる分野がほとんど教えられていないのです。
たとえば高校の国語ではいまだに漢文の返り点の読み方に時間をとられています。漢文がだめだと言っているわけではありません。漢文の内容には学ぶべきものがたくさんあります。しかしそれは現代語訳で学んでもいい。今や漢文の訓読は全員が学ぶ必要はないのです。大学で中国古典文学を学びたい人が学べばいい。しかし漢文は消えません。なぜならセンター試験で50点の配点だからです。
こういう江戸時代から続くおかしなことがいまだにあるのです。こんな科目嫌われて当たり前です。
「国語教育の危機」は本当はここにあるのだと私は考えています。
まともな日本国語の読み、書き、話しができない子が育っていくんでしょうね。