
「源氏物語を読む」シリーズの5回目。「若紫」です。メモとして書き残しておきます。
・本編に戻る
「帚木」「空蝉」「夕顔」の三帖は『源氏物語』の本編ではなく、おそらく後に加えられたものであろうと推測されます。「桐壺」から続くものとしてはこの「若紫」になろうと思われます。
・強引な展開
この帖で源氏は「紫君」と出会います。その時源氏は18歳ぐらい、紫君は10歳ぐらいだということです。いくらなんでも10歳の女の子に色目を使うというは。紫君は藤壺と血のつながりがあり、よく似ている。だからこそ源氏の目がとまるのです。源氏は引き取りたいと申し出ます。しかし面倒を見ている祖母の尼君はさすがに早すぎると断ります。ところが尼君が死んだあと、奪うように二条院に連れてきます。二条院とは源氏の家です。このあたりの強引さは当時でもヒンシュクだったと思いますが、この強引さが光源氏です。この強引さがあるからこそ物語になるのかもしれません。しかしこの強引さは好き嫌い別れるかもしれません。
・藤壺との逢瀬
この帖で、藤壺と源氏は関係を持ちます。『源氏物語』の中でも一番の展開です。この後藤壺が懐妊します。もちろん源氏の子供ですが、それを知っているのは藤壺と源氏だけです。世間一般では桐壺帝の子供と信じられています。
疑問に感じるのはここでは2回目の関係だと説明されていることです。1回目はいつだったのでしょうか。これは省略されているのでしょうか。それとも紛失したのでしょうか。そしてなぜ2回目としたのでしょうか。大きな謎です。

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