とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

『ちいさい言語学者の冒険――子どもに学ぶことばの秘密 』を読みました。

2020-06-22 06:21:00 | 読書
 岩波科学ライブラリー、広瀬友紀著『ちいさい言語学者の冒険――子どもに学ぶことばの秘密 』を読みました。余計な知識を持っていない子どもだからこそ見えてくる言葉の世界がある。子どもの言語習得の様子を見ているとさまざまなことが発見できる。そんなことを教えてくれる本でした。

 特に子どもが「死ぬ」を「死む」と間違えるケースが多いと言うことに興味を持ちました。筆者の説明では現代日本語でナ行で活用するのは「死ぬ」だけであり、子供たちはでナ行の語形変化の経験がない。そのために「死む」と発言してしまうとのことです。なるほど「目から鱗」です。

 そういえば私は子どものころ、「死ぬ」を「死ぐ」だと思っていました。これもそのひとつかもしれません。「死ぐ」はさまざまな方言にも残っています。この場合の「ぐ」は鼻濁音です。「ぬ」と「ぐ」は鼻音であるという意味で音声的な共通性があります。そのために混同してしまったのかもしれません。しかし現代はほぼ鼻濁音は死滅しました。だから「死ぐ」は消滅し、「死む」の誤用だけが残ったのではないでしょうか。

 関連してさらに考えたことがあります。古典文法でナ行変格活用の動詞は「死ぬ」と「去ぬ」です。「去ぬ」はいつのまにか「行く」に変化していきます。「行く」も東北方言では「行ぐ」であり、「ぐ」は鼻濁音です。「去ぬ」は「行く」に変化したが、「死ぬ」は生き残りました。それによって「死ぐ」とか「死む」などのように子供たちに御用されることになったのではないでしょうか。

 話がずれてしまいましたが、考えるヒントをたくさんいただいた本でした。

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『ハケンの品格2』は今後に期待

2020-06-21 08:20:45 | TV
 今期は期待のドラマが多かった。しかし新型コロナウイルスの影響で始まらなかったり、中断してしまったりであった。ようやく一番期待していた『ハケンの品格2』が始まった。期待通りではあったが、少し物足りない感じでもあった。今後に期待したい。

 『ハケンの品格2』を期待していたのは、もちろん最初のシリーズがおもしろかったからである。日本のドラマ史に残る名作ドラマである。

 だから今回も期待していた。主人公大前春子のセリフはスカッとするし、考えさせられる。おもしろいドラマにはなっていた。しかし初回を見る限り、物足りなさも感じた。大前春子の「謎」の部分があまりなくなってしまったこと、恋愛の要素がなくなったしまったこと、接待相手を待たせたままに同僚社員を助けに行くという無理な展開が見られたことなど、完成度に疑問を感じてしまうのである。

 初回だからしょうがない。今後、もっとおもしろくなることを信じて、期待して見ていきたい。
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さよならフジテレビ(こんなテレビ局に放送免許が与えれていいのか)

2020-06-20 08:05:19 | 社会
 FNN(フジ系28局によるニュースネットワーク)と同新聞社が合同で行う世論調査で、実際には電話をしていない架空の回答が含まれる不正が見つかったと発表した。こんなひどいことがあるのだろうか。

 これまでもフジテレビにはおかしな点がたくさんあった。最近では『テラスハウス』に演出や台本があったのかというのが大きな問題になっていた。今回の世論調査の不正は、内容によっては世論操作と言える事件かもしれないのだ。世論調査にも演出や台本があるのではないかと考えさせられるような事件である。もはや、テレビ局の体をなしていない。

 最近フジテレビには平井文夫という上席解説委員がいる。私にとって偏向的にしか思えない人である。その上席解説委員平井文夫氏が、「バイキング」という番組で「産経と読売は月一しか発表しないが、朝日と毎日は支持率下がりそうだと思ったら世論調査」と、他社を批判するような発言をしていた。平井文夫氏はこの事態をどう説明するのか。平井文夫氏には「上席解説委員」として、ぜひ「バイキング」で説明してもらわなければならない。もちろん坂上忍氏は平井氏に厳しく突っ込みを入れてほしい。

 本気で自己検証、自己批判、体制刷新をやらない限り、フジテレビは社会の害毒である。放送免許の取り消しがふさわしい。
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イージスアショア撤回

2020-06-17 18:33:37 | 政治
 政府が秋田県と山口県に配備する予定だったイージスアショアを撤回した。英断である。さらにお願いしたいのはイージスアショアの撤回の理由を詳しく正直に説明することである。どうしてもこれだけ大きな路線変更には裏に何かあるのではないかと疑ってしまう。そうでなく、「本当の意味」での政策変更であることを示してほしい。

 この変更が「本当の意味」での政策変更であるならば、米軍基地の辺野古移転ももう一度考え直すことになってもおかしくない。確かに普天間基地は早急に返還してもらう必要がある。街の真ん中に基地があるというのは、危険である。しかし辺野古への移転は沖縄の人は現状では反対しているのである。地盤の問題も新たに浮上している。それを無視して強引に推し進めてはいけない。

 そもそも、現政権はウソばかりついてきた。信頼がないのである。イージスアショアの問題も裏があるのではないかとどうしても疑ってしまうのはそのせいだ。厄介なものは地方に回してきたことも、不信感のひとつであった。

 東京だけが日本ではないのだ。嘘偽りのない誠実な議論によって、地方の人間も納得できるような政治を期待する。

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映画『フィッシャーマンズソング』を見ました。

2020-06-14 08:12:13 | 映画
 実在する漁師バンド『フィッシャーマンズフレンズ』の実話をもとにした映画です。人間の生き方を考えさせられる、感動的で心が温まる素敵な映画です。

 イングランドのコーンウォールという港町の漁師たちは、パブに集まってみんなで漁師歌を歌っていた。その歌は素朴だが、力強く、魅力的な歌であった。その歌の魅力に気づいた音楽業界の男が、さまざまな困難を克服しながら、契約を交わし、イギリスで大ヒットさせる話。

 漁師たちのまっすぐな生き方がいい。男たちが頑固で力強い。言葉ひとつひとつが重みがあり、そのセリフを聞いているだけで満足感があります。

 セリフがいい。バンドのリーダーの娘は離婚しており、この映画の主人公の音楽業界の男と付き合い始めます。父親は娘を心配するのですが「失敗を受け入れる覚悟はある。」と言います。失敗を受け入れること。それができる人間は強い。この映画の登場人物はさまざまな失敗をします。しかし、その失敗を受け入れるのです。それは仲間の絆を大切にしているからです。大切なことを教えてくれます。

 歌がいい。男たちの歌は力強く、ロックよりもロック精神に満ちています。

 単純なストーリーですが、そのストーリーを超えた良さがある映画でした。

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