吉野ヶ里遺跡にアカ族の結界に似た構造物が在る。吉野ヶ里のそれも、やはり結界であろう。
先ず、バーン・トンルアンのアカ族村の結界である。村の入り口には鳥居に似たアーチが建つ。そのアーチの上には、鳥の木彫肖形物が複数載る。そしてアーチの根元には、木製の男女が交合している。
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一方、吉野ヶ里のそれである。紹介する吉野ヶ里の結界を紹介順に、下の案内図に番号をふった(文字が小さく恐縮である)。
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先ず、吉野ヶ里遺跡入り口で1番の番号位置の結界である。どうもこの結界は、遺跡公園にしたときに設けられたもので、弥生のものではなさそうである。
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次は、2番目で南内郭入口に立つ結界で、その位置は発掘調査の結果に基いている。
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3番目が、北内郭の入り口に立つ結界である。
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アーチ状の結界、そこに横たわる鳥居で云うところの、笠木に鳥の肖形物が載るのだが、翼を広げる鳥であったり、翼がなかったりするが、この違いもアカ族の結界と同じである。
遺跡内の展示室には、写真の復元された鳥形の肖形物が展示されている。この結界の鳥は何を示すのか? 諸説である。
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この鳥は死者の魂を天界へ運ぶものであろう。或いは招かれざる者の侵入を見張っているのか? いずれにしても古代の鳥は大役を果たす。神武東征における八咫烏伝承もそうである。
アカ族と吉野ヶ里の結界を比較した。倭族と東南アジア少数民族の源流には、親縁関係を感じざるを得ない。