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北タイ陶磁の源流考・#17<インドシナ各地の窯構造・#7>

2017-01-28 08:37:32 | 北タイ陶磁
<続き>

5.北タイの窯構造

<パヤオ諸窯>
パヤオには多くの窯址群が存在する。その最大はウィアン・ブアと呼ぶ古くからの環濠集落周辺で、その所在地であるブア村の呼称を採用したバン・ブア窯群である。そこには原形を留める窯址が幾つか発掘されている。それ以外にも例えばモン・オームに窯群が存在するが、大きく破壊され原形を留めていない。従って今回はバン・ブア窯群から2の窯構造を確認する。

5-3.ジャオ・マーフーアン窯
(出典:当該ブロガー現地にて撮影)
以下、窯の諸元については、Sayan Praicharnjit著CERAMICS IN LANNAから引用した。
●所在地
 パヤオ県ムアン郡ブア村
●平面プラン
 地下式楕円形
●窯諸元
 全長:5.15m
  燃焼室長:2.1m
  焼成室長:2.55m
  煙道:0.5m
 全幅:1.9m
 全高:未記載
 昇焔壁高:0.35m
●開窯時期
 13世紀後半ー14世紀初頭
●出土陶磁
 施釉陶:青磁印花魚文盤、青磁印花動物文盤、褐釉印花魚文盤、青磁印花幾何学文盤、
     黄褐釉双耳壺、灰釉劃花幾何学文壺、青磁無文大壺
●轆轤回転方向
 左回転

5-4.ポーウィー・ターエン窯
(出典:当該ブロガー現地にて撮影)
窯諸元については、手元に調査報告が無く詳細不明。目分量では上掲・ジャオ・マーーフーアン窯とほぼ同一寸法。




                                   <続く>