中国政府はここ数週間、コロナウイルスへの強力な対策を徐々に緩和していこうとしている。
多くの地域で新たな症例が報告されなかったため、商店、バー、映画館、観光名所の営業が再開された。
しかし、当局は決定を覆し、企業や観光地、地域全体を再び閉鎖している。
中国は他のどの国よりもコロナウイルスへの対応に力を入れてきたが、現状は封鎖から抜け出すのがいかに困難かを実証しようとしているかのようだ。
この2週間で中国当局は、1月23日から10億人近い人々の移動や活動を制限していた封鎖の一部を撤回していっている。
中国でのコロナウイルス感染がピークだった2月中旬には、約7億8000万人 (中国の人口のほぼ半数)が渡航制限を受けていた。
中国でのコロナウイルス感染がピークだった2月中旬には、約7億8000万人 (中国の人口のほぼ半数)が渡航制限を受けていた。
これらの措置は現在緩和されつつあるが(他の国々も注目している)、正常な状態への回復は一様でなく、突然の後退を伴っている。
全国の観光地、公共交通機関、映画館、レストラン、商店が慎重に再開された。しかし、その後すぐに、感染の第二波を恐れて、多くの国や地域で封鎖を再開している。
ガーディアン紙によると、遼寧省の金州区では最近、いくつかの企業が営業を再開したが、当局は再びクラブ、カラオケバー、カフェを閉鎖するよう命じた。
4月1日、感染の中心となった湖北省に隣接する町の住民64万人は、コロナウイルスの第2波が発見された後、封鎖下に戻された。ロイター通信によると、住宅は封鎖され、交通規制が実施され、体温チェックの義務が復活したという。
3月25日、武漢を除く湖北省の住民は、旅行制限を解除するので、自由に移動できると告げられた。しかし、湖北省と国境を接する江西省の警察は、人々が国境を越えるのを止めようとし、規制をめぐって湖北省の警察と揉め事を起こした。
西寧市での60日間の封鎖が3月26日に終了した後、移動したい市民はウイルス検査と渡航許可が必要だと言われた。しかし、市最大の病院では検査が行われず、結局彼らは検査を受けることができなかった、とロイター通信は伝えた。
3月23日までの1週間に、600もの映画館が中国全土で営業を再開したが、3月27日、中国映画局の指令により、すべての映画館が再び閉館に追い込まれた。四川省も、カラオケ・バーを含む娯楽産業の営業停止を命じた。
3月28日、60日間の封鎖の後、武漢の住民は市を離れない限り自由に家を出ることが許されるようになった。しかし、その5日後の4月2日、共産党当局から、理由もなく家を出るべきではないと告げられたと、ガーディアン紙は伝えている。武漢市への出入りの制限は4月8日に解除される予定だ。
今回の一連の再封鎖措置は、中国政府が、規制緩和の時期が早すぎるとコロナウイルスの新たな発生が起きる可能性を十分に認識していることを示唆している。
中国、韓国、台湾はいずれも、海外からの帰国者が持ち帰ったコロナウイルスの症例が発生している。
中国は3月21日、アメリカとヨーロッパから帰国した学生41人の感染を新たに確認した。当局のデータによると、この日は国内感染例がなかった3日目だった。中国は3月28日から外国人の入国を禁止した。
一部の研究者は、封鎖はアウトブレイクのピークが数カ月遅れるだけだと考えている。
「武漢で起きたこと、そして北イタリアで起きたことは、伝染病のピークではない。ピークから約1カ月ずれている」と、インフルエンザの伝染と抑制対策を研究している香港大学のベン・カウリング(Ben Cowling)博士はBusiness Insiderに語った。
「彼らは今、おそらく1〜2カ月後の第2波に直面している。また閉鎖しなければいけないかもしれない」
以上
波は複数ある。中国の封鎖解除は時期尚早だ。