演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

みずうみの歌

2020年04月12日 19時11分19秒 | 読書

ほしおさなえのSF小説。あらすじは講談社ノベルスより。


「すべてはあの町から始まったのよね」
母が最期に残した言葉の真意を知るため、独りきりになった少年は母の故郷を訪れる。
手がかりは古いモノクロフィルムと未完の小説。
町は徐々に陥没がすすんでいて、一部が大きな湖に飲み込まれていた。
湖底に残された“思い出の品”を回収する男性・モグリに出会った少年は、しなやかに泳ぐ姿から“サカナ”と名付けられ、彼の仕事を手伝うことに。
そのモグリもまた、過去にある秘密を抱えていた。
サカナは、聞けなかった母の想いと顔を知らない父の秘密に近付いていく。

 


ストーリーは面白かったですが、キャラクターの心理が今ひとつ分かりませんでした。
特に藍という少女の描写が、無理がある感じがしたのだが、ネットの他の読者も同じような感想を持った方が多いようだ。
ただ、10代の頃読んだら確かに面白かったに違いなかったです。心理とか、の前にストーリーの面白さでしょうから。


太宰治の辞書

2020年04月12日 13時07分27秒 | 読書

北村薫の「円紫さんと私シリーズ」の最後の一冊ですが、調べてみたら、創元推理文庫版では短編3編が追加されているらしいので、機会があればそちらも読んでみたいです。
デビュー作『空飛ぶ馬』で大学2年生だった私は1児の母となっており、雑誌の編集者を続けています。
ただ、文学的なうんちくが多く、初期作品の気楽に読める要素が減って、昔と同じ流れを期待していた人には辛いかもしれません。

考えたら、太宰治も芥川龍之介も、そんなにきちんと読んだ記憶がありません。特に、太宰治は新釈諸国噺や御伽草子は読みましたが、他は、読み始めてすぐに挫折しています。なぜでしょう。自分でも不思議です。