高田郁のシリーズ8巻目。
なかなか最初は面白くならなかったシリーズだったが、巻を進めるうちにだんだん面白くなってきた。
あらすじは、AMAZONから
遠目には無地、近づけば小さな紋様が浮かび上がる「小紋染め」。
裃に用いられ、武士のものとされてきた小紋染めを、何とかして町人のものにしたい
──そう願い、幸たちは町人向けの小紋染めを手掛けるようになった。
思いは通じ、江戸っ子たちの支持を集めて、五鈴屋は順調に商いを育てていく。
だが「禍福は糾える縄の如し」、思いがけない禍が江戸の街を、そして幸たちを襲う。
足掛け三年の「女名前」の猶予期限が迫る中、五鈴屋の主従は、この難局をどう乗り越えるのか。
着物というのが、男には縁が薄いので、服装の描写とか、単語が入ってくると、読むのがしんどくなるのですが、今回は、がらをどうするかという話と恋愛ものなので、読みやすかったです。
三島由紀夫は女性のファッションにとても詳しかったようで、草薙洋平さんのエッセイにはこんな一文が引用されています。
妙子はさういふカクテルへ出るときの、自分の変り身の早さが好きだつた。彼女は洋裁店の奥の部屋で、お針子たちを叱りながら着換へをした。灰青色の泰国絹のブラウスに、黒繻子の縁取のついたエアリー・ウールのシャネル・スーツ、黒真珠の頸飾とブレスレット、それに灰色革のペランの長手袋を肱まではめ、その上からダイヤの指環をした。銀のメタリックなカクテル・バッグに、靴は黒エナメルのパムプス、……服地に合はせてブラック・サテンの香水をふりまき、シルバー・ミンクのストールをかけた。( 「肉体の学校」)
半分も理解できません。
高田さんのシリーズも女性が読むと面白さが増すのでしょう。