演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

あきない世傳 金と銀8巻

2020年04月25日 21時10分50秒 | 読書

高田郁のシリーズ8巻目。
なかなか最初は面白くならなかったシリーズだったが、巻を進めるうちにだんだん面白くなってきた。


あらすじは、AMAZONから

遠目には無地、近づけば小さな紋様が浮かび上がる「小紋染め」。
裃に用いられ、武士のものとされてきた小紋染めを、何とかして町人のものにしたい
──そう願い、幸たちは町人向けの小紋染めを手掛けるようになった。
思いは通じ、江戸っ子たちの支持を集めて、五鈴屋は順調に商いを育てていく。
だが「禍福は糾える縄の如し」、思いがけない禍が江戸の街を、そして幸たちを襲う。
足掛け三年の「女名前」の猶予期限が迫る中、五鈴屋の主従は、この難局をどう乗り越えるのか。

着物というのが、男には縁が薄いので、服装の描写とか、単語が入ってくると、読むのがしんどくなるのですが、今回は、がらをどうするかという話と恋愛ものなので、読みやすかったです。


三島由紀夫は女性のファッションにとても詳しかったようで、草薙洋平さんのエッセイにはこんな一文が引用されています。

妙子はさういふカクテルへ出るときの、自分の変り身の早さが好きだつた。彼女は洋裁店の奥の部屋で、お針子たちを叱りながら着換へをした。灰青色の泰国絹のブラウスに、黒繻子の縁取のついたエアリー・ウールのシャネル・スーツ、黒真珠の頸飾とブレスレット、それに灰色革のペランの長手袋を肱まではめ、その上からダイヤの指環をした。銀のメタリックなカクテル・バッグに、靴は黒エナメルのパムプス、……服地に合はせてブラック・サテンの香水をふりまき、シルバー・ミンクのストールをかけた。( 「肉体の学校」)


半分も理解できません。
高田さんのシリーズも女性が読むと面白さが増すのでしょう。


校閲ガールトルネード

2020年04月25日 20時54分21秒 | 読書

宮木あや子の校閲ガールシリーズ完結編。2冊目は読んだのですが、感想は書き忘れました。

軽く読めます、ただ脇の登場人物が前2冊に比較して弱めです。おなじみさんも結構出てくるのですが、こっちが慣れてしまったのか、普通に見えてしまいます。
小説も面白かったのですが、テレビドラマの方が、役者の個性と調和して面白かった気がします。原作がなければテレビもなかったのだから、仕方ないのだとは思うのですが。しかし、初体験が、高校生の時だとは。悦ちゃんなかなかやります。


魔女の死んだ家

2020年04月25日 20時38分12秒 | 読書

ミステリーランド第2回配本の篠田 真由美の作品。
あらすじは講談社BOOK倶楽部より
昔、あたしは高い石の塀で囲まれた大きなおうちに、おかあさまとばあやとねえやと四人で暮らしていた。うちにはお客さまのない日の方がめずらしいくらい。お客さまたちのことを、おかあさまの「すうはい者」と呼ぶのだとばあやは教えてくれた。ある春のこと、おかあさまはピストルで殺された。その日のことをあたしはよく夢に見る。「魔女だからね。魔女は昔から火炙りに決まっているからね。」という男の人の声が聞こえる。すると急にあたしは自分の手の中に硬い冷たいピストルの感触を覚えるのだった……。

一応伏線はあるのですが、なんというか、動機がよく分からない。それ以上に、おかあさまは本当は何をしている人だったのか?
雰囲気で押しまくったという感じの作品ですが、建築探偵桜井恭介のシリーズのスピンオフ作品でもあるようです(このシリーズ、私は知りませんけど)。

話自体が、あまり子供向けではないうえに、トリックが現実的でない気がします。
シリーズのスピンオフとして読めば面白いのかもしれません。