歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

自分を愛さないと他人のケアは出来ない

2008-12-17 01:01:01 | Weblog
ボーナスが無事に支給され、退社しようとするスタッフが出てきている。
昨年、別な拠点で年末に8人というスタッフが退社する始末があった。
「今のままだと、その二の舞になるよ」
2ヶ月前に警告していたのだが、うちの拠点長は特段気にしてもいなかったようだ。

1年近く前、今回退社予告をしたスタッフが辞めたいというのを私は陰で止めた。
「自分のために、あと1年続けてみたら。この会社は学ぶためには役に立つと思うよ。」
2度目は止めない。
世代間の感覚の差に疲れたという。
このスタッフは私と同世代。

生まれて育った年代格差は埋められない。話も合わない。
我がまわりの人さえ「親の世代だったら何を話してよいか判らない。」という。
そういいながら私とお喋りする不思議?(笑い)

別な1人は、**さんが辞めていなくなったら困るから自分も辞める、という。
あきれ果てて引きとめる気にもならない。


ターミナルケアをうたっていても、施設内で看取りをする機会は少ない。
見取りが7日間に2回続いた。
幸い、1年目2年目の新人スタッフは最後の場に居合わせなかったが、
その後の表情から、ショックは隠せなかった。
「いい、これは仕事。感情移入しすぎはいけないよ!」
そう言ってきたが、返事はしていたものの割り切れてはいないだろう。
私でさえ、入居者を看取った後は、ポッカリ穴が開いたように空虚になるのだ。


立て直しを図るために、支援部も入れてミーテインぐをしている。
私の考え方は、
モチベーションが上がれば、自然と知りたい・学びたい欲求が出てくるはず。
必然として、ケアスキルの向上に繋がっていく。
スキルアップを図るには、口でいくら教えられても右から左に通り過ぎるだけだが、自分の頭で考えて知りたい欲求になったならば必ず身につく。

では、どうやってモチベーションを挙げるか?
自分の殻に閉じこもりがちなタイプ(特に新人)に対し、
「いつも見てるよ」「一人じゃないよ」と、
各スタッフの心の動きを気に止めることが大事だと思う。
誰だって誰か(上司)に認められたいキモチはある。

「自分は必要な人材なんだ」
そう思わせることも必要。
会社の都合で動かして、格下げされている位置だとしたら誰でもやる気は失せる。

「自分は、その程度の扱いなんですよ。」
転属してきたスタッフに直接聞いたときの答えである。


今日も看護師の1人から呼び止められて「ゴメン、辞めるって言っちゃった。」
まだ私だけに話すという。
今のタテ関係のやり方ではやってられない、限界だとも言う。

私は信じてくださっている入居者たちのために、1からやり直し(建て直し)をしたいと話しあっている。
会社の理念は「伴に暮らす」だが、
私の理念は「自分がされたいケア」である。
入居者のケアは当たり前だが、スタッフの精神的ケアも大きな課題だ。

ろーろー介護とか、おばちゃんスタッフとか言われて「悔しい!」といらだつ中高年スタッフもいるが、わたしの前で言われたことはない。
目の前で言ったら?3倍返し!(笑い)