歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

ネコの手も足りないと、トラブルが起きる

2009-02-13 23:54:52 | Weblog
出勤するたびに、急変・入居者同士のトラブルがおきる。
面談を2件済ませ、後始末(記録)をして7時に帰る予定だった。

帰宅願望の入居者が立て続けに2人となり、どうしてもそちらの対応に手をとられてしまう。同じフロアに2人は、振り回される。
入居している全ての方が心底は淋しい。

スタッフの補充が出来ないでいるこの期間、どうしても慣れている方のかかわりが薄くなる。
家族の訪れが少なく、ほとんど1人でいるAさん。
スタッフばかりか入居者への手出しが増えてしまい、クレームとなった。
大して強くはしていないが「たたいた」事には変わりない。
された方、聞いた家族にしたら「暴力」。
立て続けに3人目が・・・。

「一緒にいてくれよォ」とスタッフの腕をつかんで離さないAさん。
「連れて行ってくれよォ」
「食べさせてくれよォ」絶対に食べさせられるなんてことは断固拒否していたAさんと思えないようなことが起きている。
物に当たったり、大声を出すのは、自分に注目を集めたいため。
入居者に強く手を出すことはなかったし、そういう方ではない。
なにがAさんをそうさせているのか?

寂しさ・・・。
Aさん以上に帰宅願望で徘徊する新しい入居者へスタッフはかかりきりになる。
Aさんの居場所がなくなった。
私は「嫉妬心」ではないかと考えている。
暴力行為で取り上げられると、服薬調整となり易いが、
Aさんの人格をなくするような、命を縮める様な調整は絶対したくない。
Aさんばかりではない、もし他の方でも同じである。

2年経てば入居者の変動もあるし、介護度も上がる。
1年前と同じ条件ではありえない。
別なフロアでは酸素濃度が80%台のBさんがいる。在宅酸素5リットルで調整。
意識ははっきりしていて「もう長くはないよ、自分でわかる」と。
「東京に来て良かったと思ってほしいの」と私。
地方からここに連れてきてしまったことが悪かったのではないかと後悔している家族がいる。私も同じ立場だ。
年末には「謹賀新年」「賀正」と立派な書を書いてくださったBさん。
「あれは大事にとってあるわよ。『喝』もね。」
『喝』はBさんの好きな字である。私に書いてくださった。
話しているうちに涙が浮かんできてしまった。呼び出されてしまい、行かなきゃ行けないというと「残念だなあ」という。
「明日、時間が取れるから来ますよ。」といって離れる。

わずか35人の小規模施設だが、どのフロアにも何らかのトラブルを抱えている。
その全てに時間が足りなくて関わりきれないもどかしさ。

介護は、特に施設はスタッフ人数が多ければよいケアが出来るとは思わないが、
要るべき人員が、必要な人員が足りないのは舗装道路に穴ぼこがあるのと同じだ。
特に今いるスタッフのほとんどが、
入居者全員を「看るケア」が出来ていないと私は思っている。
自分の隣にいる入居者しか「看えていない」。
全体、せめて1人のスタッフが3~4人の入居者を観察できる能力に高めるのが目標だが、早くて6ヶ月はかかるだろう。

うちのペット犬の手では、ラチがあかないので、ネコの手でもほしい!
次のシフトでは資格研修があるのだが、公休消化も出来なくなっているので来年へ見送ろうかと考えている。
研修を消化するより休みたい!!