歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

私は私のために・・・?

2010-06-03 20:20:40 | Weblog
今年は八重のどくだみがたくさん花をつけました。
変わったデザインの洋服を着て、ドレスで演奏活動もしているので、どうも派手なものが好きなのかと思われるときがあるが、
野に咲く花がいちばん好き。
どくだみの花は一重しか見たことないでしょう?
こういう変わり方が何より好きなんです!


10年間、ケアをしてきたが、
1、生活の糧として、
2、私の満足感、(母の介護を人手に任せたという負い目)
3、知識を得て、能力をつける、
4、後輩に指導する、
5、運営、黒字経営の一端を担う
6、家族対応をすばやく確実に行う
7、相談相手になる

私がスキルアップをしてきた過程である。
1~4あたりまでは、私は私のためにケアをしているとしか見えない。
やっと利用者に眼が向いたのは6番目からだろう。
実際には、ずっと交叉しながらケアに携わっているが。

有料老人ホームでよく掲げられるのは「ご入居者さまあっての給料」である。
よくよく理解しているが、会社からそう押し付けて言われるほど一般のスタッフの給料は高くないのだ。
給与明細書に、でかでかとゴム印で押されていたところもあったなあ。(笑い)
反発が強かったのは、自分の懐具合と照らし合わせてだったろう。

【わたしはわたしのためにケアしている】

自分のケアスキルを高める、知識を得て後輩を指導するのは誰のためにしているか?
適切なケアを行うのは誰のために行うのか?
スタッフどうし、いくらスキルアップにはげんでも、オープン前の施設のように空っぽだったら?
やる気が無くなるだろう。

【私は[利用者]のためにケアしている】
ご利用者と、その家族のためにスキルアップをしているのだ。
その利用者に必要なケアを提供できるように・・・。
口で言うのはたやすい。


退職の挨拶で、
[坂を登っている人には頂上の向こう側は見えない。若いということは坂を登っていると同じ。経験できていない年代を想像してケアをして欲しい。]
[重度の認知症の人の家族は、家には引き取れない事情がある。ずっと以前に[人質のようなものなので言いたくても遠慮してしまう]と、言われたことがある。とても仲良くしていた家族だったが、それだけに今でも強く心に残っている。家族とは、そのように思っているということを忘れないでほしい。]
と、話した。