10月13日 おはよう日本
台湾企業が買収した静岡県伊東市の旅館。
創業50年近い旅館を30億円かけて改装し
去年 リニューアルオープンした。
離れの個室は1泊1人当たり最も安い平日で11万円。
それでも来年3月まで台湾のツアー客でいっぱいである。
建設会社社長(55)は日本を20回以上訪れていてこの旅館に泊まるのは8回目。
「家に帰ったような落ち着いた気持ちになる。
台湾では一生懸命仕事をしているのでご褒美としてきている。」
(旅館 フロント担当)
「7~8割が海外のお客様。
だいぶ多くなっている。
東京で買い物をすることが多いと思うが
こちらでゆっくり過ごしていただくことをメインにやっている。」
全国でホテルの売買を仲介する会社は
中国や台湾の投資家から日本のホテルを買収したいという依頼が増えているという。
(ホテル旅館経営研究所 辻右資所長)
「中国のオーナーも旅館を買って自分でやりたい人が増えてきた。
北京五輪でホテルがいっぱい建って景気をよくして
今回も日本でホテル投資をしてみたい。
旅館を買って自分で経営したい。
その自信があるからです。」
9月にホテルを買収したばかりの企業もある。
中国の中堅旅行会社の社長 虞丁心社長(45)は
下見をしたその日に修善寺温泉のホテルの購入を決め
6億4,000万円で買収した。
旅行会社を経営する強みを生かし中国の団体客を呼び込む戦略である。
(虞丁心さん)
「一目ぼれで買いました。」
平成6年に開業したホテル。
日本人観光客の減少とともにここ数年赤字が続いた。
大規模に改修し部屋数を50ほど増やせば採算がとれると考えている。
買収の翌日新オーナーとして始めてホテルに姿を現した社長。
従業員を集めて説明会を開いた。
従業員は戸惑いを隠せない。
(虞丁心さん)
「私たちの会社が正式に子のホテルを経営することになりました。
皆さんと一緒に頑張っていきたい。」
日本の客に昔ながらのおもてなしをしてきた従業員たち。
文化や習慣の違う外国人にどんなサービスをすればいいのか
不安の声が上がった。
(従業員)
「お風呂に中国の人が入るとき立ってかける。
それも水。」
(経営側)
「中国は温泉がないのでそれは厳しく指導してあげてもよいのでは。」
(従業員)
「お客様に提供する食事はバイキングになるのか。」
(経営側)
「経営のスリム化を考えるとバイキング対応をしないといけない。」
新たな経営者を迎えての再スタート「。
従業員全員の雇用は守られることになった。
外国人旅行客に対応するため従業員も変わろうとしている。
(従業員)
「頑張ってみようかなと。
前向きになった。
不安な気持ちから。
変わらずに来た会社なので逆にいいかなと。」
今後は東京でもホテルを買収し事業を広げようと考えている。
(虞丁心さん)
「我々の得意分野なのでもうける自信があります。」
相次ぐ外国資本によるホテルや旅館の買収。
外国人旅行客が右肩上がりで増え続けるなか
今後こうした動きはさらに加速しそうである。