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2,500万人の来場めざす ドバイ万博の国家戦略

2021-08-12 10:50:35 | 報道/ニュース

2021年7月6日 NHKBS1「国際報道2021」


中東の経済ハブとして急成長を遂げてきたドバイ。
世界でもいち早く去年7月からビジネス客や観光客の受け入れを再開した。
2021年5月には万博を見据え
ホテルや飲食店の利用者数の制限を大幅に緩和。
欧米などからコロナ疲れした観光客などが大勢押し寄せている。
(ナイトクラブ運営会社 マーケティング担当)
「多くの観客が戻ってきた。
 皆楽しんでいる。」
UAEは「ドバイモデル」とも言われるコロナ対策を推し進めている。
世界に先駆けてワクチンを確保し
人口1,000万のうち半数以上が少なくとも1回のワクチン接種を受けた。
一方
海外から来る人たちには
陰性証明があれば隔離を免除するなど
人の往来を極力制限しないようにしてきた。
国内での感染拡大を食い止めながら経済活動を重視する
強気の国家戦略である。
万博もこの「ドバイモデル」に乗っ取って準備が進められている。
UAE政府は各国のパビリオンのスタッフ全員がワクチンの接種を受けられるようにする計画である。
万博会場まで延伸された鉄道の従業員も
外国からの客に接触する可能性があるとして全員がワクチンを接種した。
(鉄道当局幹部 ムタッワー氏)
「いま鉄道を利用する人が増えている。
 感染対策がしっかりしていると信頼されている。」
一方で来場者にはワクチンの接種や陰性の証明は求めない。
入国時の空港などでのチェックを通過すれば感染リスクは低いと判断しているのである。
(ドバイ万博政務部長 ガルガウィ氏)
「2,500万人の来場目標は変えない。
 入場にあたってワクチンや陰性証明は求めない。
 ドバイはいろんな国や地域の人たちを歓迎する。」
UAEはこれまで交通の利便性や充実した宿泊施設などを武器に
国際会議やスポーツ大会の誘致に力を入れてきた。
その取り組みはコロナ禍でも「ドバイモデル」のもと続けている。
2021年5月に行われたサッカーワールドカップのアジア2次予選。
UAEは
感染対策を理由に中国で開催できなくなった試合を受け入れた。
さらにクリケットなどほかのスポーツでも代替開催に名乗りを上げ実績を重ねてきた。
(UAEサッカー協会 ザヒリ事務局長)
「感染対策によって私たちは成功している。
 今後の自弁とも同様に対策をして成功を継続したい。」
しかし自信を持って進めてきた「ドバイモデル」にこのところ暗雲が立ち込めている。
一時終息するとみられていた新規感染者数が5月半ばから増加に転じ
今は連日2,000人ほどと高止まりしているのである。
変異ウィルスが国内で広がっているものとみられている。
これを受けアメリカ国務省は6月28日
UAEで感染が蔓延しているとして
渡航情報を4段階で最も厳しい「渡航中止の勧告」に引き上げた。
湾岸諸国で最大の人口を抱える隣国サウジアラビアも
UAEとの往来を当分の間 原則禁止すると発表した。
それでもUAEはいまのところ
万博に関連した外国人の入国や来場に新たな制限を設ける計画はない。
専門家は
あくまでも世界が注目するビッグイベントの通常開催にこだわるだろうとみている。
(日本エネルギー経済研究所 主任研究員)
「観光や運輸 物流
 そういう人・モノ・カネを集めて成長してきた国 土地なので
 そういった人たちが来なくなってしまうとUAE経済が止まってしまう。
 コロナ禍でも大規模なイベントを成功させるという事が国家の威信をかけたものになる。」

 

 


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