1月13日 編集手帳
昔から、
大雪と静けさは友人同士らしい。
歌人の岡山巌に次の歌がある。
<屋外のこの静けさやものものし起きいでてみればはたして大雪>
雪がすべての物音を吸収したかのような静けさは北国の暮らしの興趣といわれる。
だがしかし…きょうばかりは例外だろう。
受験生である。
今年の大学入試センター試験は各地で注意報が出るなか行われる。
新潟県三条市では電車が立ち往生し、
乗客約430人が15時間にわたって閉じこめられた。
試験会場まで無事にたどり着けるかどうか、
気が気でなく一晩を過ごした受験生は多いことだろう。
天気はいたずらものである。
それ次第でどこかが混乱に見舞われるのはいまに始まった問題ではないにしても、
今年の試験日ほど地域により好天と悪天がくっきり分かれる予報欄は記憶にない。
「神の御前で」、
あるいは「法のもとで」人々は平等であっても、
「天気の前では」とはいかないようである。
静寂の雪に耳を傾け、
なるべく家でじっとするのが雪国本来の過ごし方かもしれない。
諸事情から仕方なしと知りつつも、
やはりぼやいてしまう。
なぜ、
この時期に試験を。