原題:一斉検挙
評価:+5→65点
京都シネマにて鑑賞。
1942年夏、ナチス占領下のパリでフランス政府によって行われた史上最大のユダヤ人一斉検挙「ヴェル・ディヴ事件」の映画化。
それにしてもナチスドイツってえげつない。何処までやるんだ!!ホロコーストの恐ろしさをまた感じました。
ただあまりリアルさをそんなに強く感じなかったんですよ。この手の作品はかなり作られているから慢性化しているのかしら?
この子が凄く可愛いかった。いくつぐらいなのかな。調べたら双子ちゃんだそうで。メラニー・ロラン演じるアネットとの微笑ましいシーンに和まされました。
主人公の少年ジョーと家族を含む1万3000人のユダヤ人が一斉検挙される。
ジョーを演じたユゴ・リヴェルデ君は200人以上の子供と面接された中から抜擢された11歳の男の子だそうです。
ジョーのモデルとなったジョゼフ・ヴァイスマン氏(80)が来日され、当時のことを生々しく語られています。下記をご覧下さい。
黄色い星のマークを胸につけられている子供たち、卑屈になることなく、毎日を楽しく生活していた。冒頭は屈託なく遊ぶ姿がほんわかとしている。まさか後半あのような展開になるとは思わない。着実に彼らに危機が迫っていたのだ。
しかし胸痛むよね。胸にユダヤ人ですという印をつけられるなんて、、、、。まさに差○的扱いです。もうこれだけでも人道的なものを感じられない。酷い話です。人間が人間を軽視するなんて何てことなのでしょう。
シモンとシモンの弟ノノ
彼らの母親役には、シルヴィー・テステュが演じていた。だけど途中亡くなってしまう。ノノは母が死んだことは最後まで知らず。
ユダヤ人だという事だけで、何も罪がないのに、迫害されるなんて本当に腹立たしい。こういう作品を観るにつけ、悲しいです。
1942年、パリ。少年ジョーの家は貧しかったけど、優しい両親や姉妹たちに親友シモン兄弟と幸せに暮らしていたが。その影ではナチス・ドイツの支配下のフランスでユダヤ人迫害政策を推し進める動きがあった。
ヒトラーはフランス政府にユダヤ人を引き渡すよう要求。それを受けてラヴァル首相はパリ地区の外国籍のユダヤ人2万4000人の検挙を決定する。当初ドイツ側は子供を除外する提案をしたようだが、、、、。
何と孤児の面倒を見切れないことから、ラヴァルが反対したんだって!信じられない話です。そりゃフランス政府は1995年まで「ヴィジー政権はフランスではない」として一切責任を認めようとしていなかったはずだ。
人の命を何と思っているんだ!面倒見切れないという理由で?
7月16日午前4時、女子供もあわせて1万3000人のユダヤ人が検挙され、ヴェル・ディヴ(冬季競輪場)に移送される。
赤十字から派遣された看護師アネット(メラニー・ロラン)が、ヴェル・ディヴにやってくる。数千人の患者に対し、医師は自身も検挙されたシェインバウム(ジャン・レノ)だけ、看護師はアネットを入れて6人しかいなかった。
実はメラニー・ロランの祖父も過去にアウシュヴィッツに強制送還されていた。それだけに本作への思い入れは半端じゃなかったようです。
突然、彼らはロワレ県ボーヌの収容所へ移送される。共に移動したアネットは、不潔で食料も乏しい環境に愕然とする。だんだん劣悪な状況に、、、、。
ユダヤ人と同じ食事を続け痩せ細ったアネットはその姿で知事を訪ね、食料の配給を受けることに。
その後も移動となる。但し大人のみ。ここから先は映像として映し出されることはない。そして運命の分かれ道。
ジョーの母は、彼にこう言う。「生きて!」と・・・・。
残されジョーは、ノノをおぶって脱走しようとシモンを誘う。シモンは腹痛のため、行けないと伝える。結局ジョーは他の少年と有刺鉄線をくぐり抜け、脱走することになる。
ジョーはラッキーだった。しかし、移動した大勢の子供たちには苛酷な運命が待ち受けていた。
命拾いしたジョーだけど、彼の心の中には死んで行った家族や友人への思い、そしてユダヤ人だから迫害を受けたというその現実にかなり苦しんだようだ。
11歳の少年にはあまりにも苛酷すぎる現実である。
解説(allcinemaより)
1942年、フランス政府がナチスに荷担し行った史上最大のユダヤ人一斉検挙事件を巡る衝撃の実話を映画化したヒューマン・ドラマ。元ジャーナリストのローズ・ボッシュ監督が、歴史的資料や生存者への丹念な取材を通して明らかとなった事実を基に、最愛の家族と引き離され強制収容所へと送られた人々の過酷な運命を描く。出演は「イングロリアス・バスターズ」のメラニー・ロラン、「レオン」のジャン・レノ。
さて、京都で来年公開予定の「サラの鍵」も同じヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件をベースに描かれた作品だそうですが、さてどんな作品なのでしょうね。
約束して。必ず、生き抜くと。
ちょこと感想追記です:ホロコーストの恐ろしさは感じるんですが、どうもリアルさが感じられず。それは何故なのか?分からないんですが。実話ベースであるにも拘わらず、フィクションぽく思えたのは何で?
少々慢性化してしまっているのか?
いやそれよりもメジャーな俳優さんが出演
しているからか?あまりリアルさはなかった
ように思いました。でも実際にあった、しかも
近年までこの事を隠していたフランスは、
やはり罪の意識を伝えるべきでしょうね。
それにしても酷い話です。
近々こちらで公開される「サラの鍵」も同じ
この事件をベースに作られた作品です。
こちらはかなり評判良さそうですよ。
トイレの中から探り出したり、家畜運搬車に乗せられたり、いろんな場面で見てきたものだったです。
NHKの映像の世紀そのものの絵だったり、映像に関しては取り立てて、目新しいもの、とてもじゃないが目を背ける・・・というのはなかったかも知れないです。
作っている方もそこは織り込み済みだったんじゃないでしょうか。
テーマは、政府がこういった事実を隠していた。いまさらながら暴露された事実をきちんと描く!ということではなかったのでは!と思いました。
メラニーさんは、ユダヤ人がらみの役柄が多いですね。そういう出自もあったのですか。きれいなだけじゃなく、深みが違います。
こうして後世に伝えるために作品として、
残る事はとても大事だと思いますが。
やはり映画だと分かっていても何か辛いですね。
「サラの鍵」、予告編で観ましたが、、、。
う~ん観るのが辛い気もします。
そうそうサラ役の女の子は「リッキー」に
出ていたあの女の子だそうですよ。
ホロコースト事件の中でも犠牲者が最大級
だったようですね。
私もまったく知りませんでした。
こうして映画化されることで、本当に勉強に
なりますね。まだまだあるんでしょうか。
おっしゃるように、出来れば製作されない事を
望みますね。
時間の都合で観に行けませんが、
「サラの鍵」のほうは観たいと思っています。
この事件に関しても私は全く知らなかったんで、改めて勉強になったなぁって思いました。
本当はこの手の作品がもう作られなくなるのが望ましいんでしょうけど…。