ソダーバーグ幻の監督作
ということで、「ガールフレンド・エクスぺリエンス」鑑賞後引き続き、本作を鑑賞しました。2005年の作品だそうです。個人的には、この作品の方が好きです。
まったくタイプの違う作品です。改めて、ソダーバーグって凄い人だと思ったけど。この作品は5年前だしね。やっぱり最近の作品より昔の作品のほうが良いような。
チラシもないし、もちろんパンフレットもない。情報はネットから検索してみたところ、何と公式ウェブサイトがありました。但し英語ですが(笑)
身の周りでありそうなお話ですが、人間の心の揺れを微妙に上手く描いた作品だと思いました。誰もがこういう場面に遭遇したことあるのではないでしょうか。
何とソダーバーグ監督が監督・撮影・編集の3役を勤め、製作費160万ドルという低予算で作られたインデペンでント映画です。また出演者はプロの俳優ではなく、撮影場所も出演者の自宅が使われたそうです。
だけどかなりグレード高いものになっていますよ。
スト―リ―(キネマ旬報さんより拝借)
マーサ(デビー・ドーブライナー)とカイル(ダスティン・アシュレイ)は、オハイオ州の小さな人形工場で長い間働いている。孤独な二人は惰性で友達関係を続けていたが、若いシングルマザーのローズ(ミスティ・ウィルキンス)が新たに従業員として加わったことで、二人の関係は崩れていく。カイルとローズは次第に親密な関係となり、それを知ったマーサは取り乱し、ローズの陰のあるキャラクターに不信感を募らせていくのだった。そんな中、町で起きた一件の殺人事件が彼らの日常を崩壊させてしまう……。
動画を観ても、人形だらけ。顔に、腕に、足に、、、、、。
マーサはアメリカの典型的な太い女性。年齢は40代?それとも50代?彼女は老いた父と2人暮らしだった。父の介護をしながら、人形工場へ通う毎日である。
カイルは20代の男性、若くて素敵な男性だ。彼はトレーラーハウスに母と一緒に暮らしていた。
そんな2人は人形工場で働いていた。マーサはカイルにガールフレンドが出来たか?等色々聞き彼の事を親身になっている。年齢の離れた友情関係とも捉えられるが、微妙な関係ともいえる、、、、、。でも上手くバランスが取れているんだね。
マーサの心理は多分、カイルに心傾いていたんじゃないか?なんて。。。。。
ところがそんな2人の前にローズというシングルマザーが人形工場の新しい従業員として現れた。この女の出現で、2人の日常が大きく変化することになる。
ローズはマーサやカイルとすぐに打ち解けるようになる、一緒にランチを取る毎日に。
介護をするマーサにローズは以前介護施設で働いていたときの事を話す。辛い職場だったと、、、、、。
カイルとロ―ズは喫煙者、ランチが終了すると今度は煙草を吸う場所に移動。マーサはそんな2人の姿が気になるようだ。
親しくなるにしたがって、ローズはマーサの人の良いのを利用してか、様々な頼み事をし始める。ここでの仕事の終了後、車で送って欲しいと、、、、。気安くOKしたマーサは彼女を次の職場まで送る。ある家庭の清掃だったが。彼女は仕事をするどころか、その家のバスタブで入浴。そんな姿にマーサは呆れてしまう。
翌日、マーサはカイルに彼女の行動を話す。とんでもない彼女の行動に少々不審感を持ち始める。
ある金曜日、ローズはマーサにまた頼み事をする。自分が夜出かけるから、子供の面倒を見て欲しいという。気良くマーサは受ける。
その夜、マーサは彼女の自宅へ。子供の寝かしつけや遊びを教えてもらった。その時ローズを訪ねて来たのは、何とカイルであった。マーサは相手が彼だという事に、驚きと心が揺れる。
複雑な気持ちがマーサを襲う。
カイルとローズはバ―で過ごし、その後カイルは自宅に招く。カイルは自分の将来を話す。貯金をしていることも。カイルの部屋で2人は過ごすのだが、、、、、。何とカイルが席を外した少しの間、ローズはタンスにあるカイルの貯金を盗む。
何事もなかったかのように、遅いから帰るとローズ。
家の近くで降ろしてもらったローズはマーサのいる自宅へ、、、、。
マーサから子供の様子を聞いている途中、ローズの別れた元旦那がやって来る。
ローズが旦那の金を盗んだというのだ。盗んでいない!と強く主張するローズと旦那だった彼とのもみ合いがマーサの目の前で起こる。
結局彼はローズに追い出され、、、、、、。マーサが口をはさむが、ローズはマーサに罵倒的な発言。
ここで場面は変わってしまい。ローズ宅から帰るマーサが映し出される。ダイナーによって夕食を取るマーサの表情は放心状態。何があったのか?
翌朝、ローズが自宅で殺害されているのが見つかる。死因は絞殺だった。そばで子供が泣いているため、近くの人が不審に思ったらしい。
刑事によって、捜索が開始される。元旦那、カイルに聞きとりがある。その夜の状況を調べ始めていたのだ。もちろん旦那もカイルも白である。
そしてついにマーサに、、、、。最後にローズと接触があったわけだから、無論調べられるのは当たり前である。
マーサはその日、髪を切りに美容院、そしてその後、カイルのために釣り道具を購入に。いよいよ刑事は、マーサ宅に。
マーサはもちろん無罪を主張。指紋を取る事にも承諾。
ローズへの不審感も刑事に話す。証拠はすべて残っていた。ローズの首に残っている指紋は明らかにマーサのもの。それでもマーサはやっていないと涙ながらに訴える。
彼女は拘置所に収監。面会に来たカイルに無実を訴えるも、、、、、。
ある時マーサは自分のやった事に、ハタッと気づく。それはあの夜の出来事だった。
つまりマーサはローズを絞殺したことに、、、、、。
ローズの出現で、マーサの何気ない日常は崩壊となってしまったのである。それにしても人生っていつどうなるのか?分からないもんです。明日は何が起こりどうなるのか?これを見てつくつぐ思いました。
カイルがローズに惹かれたことはかなり打撃でしたね。
どこかでこんなことが本当に起こっているかもしれませんね。
解説(キネマ旬報さんより拝借)
「チェ」2部作のスティーヴン・ソダーバーグが自ら監督・撮影・編集まで行い、自身の芸術性を凝縮させた作品。小さな町の人形工場で起きた殺人事件を巡り、孤独な住人とその内面に潜む狂気を繊細に描き出す。プロのキャストは一切起用せず、さらに撮影も全てキャストの自宅を使用するという実験的手法を採用した。
メディア |
映画 |
上映時間 |
74分 |
製作国 |
アメリカ |
公開情報 |
劇場公開(東北新社) |
初公開年月 |
2010/07/17 |
ジャンル |
ドラマ/犯罪 |
公式ウェブサイト(英語)