6月23日鑑賞
衝撃的な作品でした。でも観る価値はあります。舞台はあの有名なシリア。ご存じアサド政権で厄介な内戦が起きている国。銅版画のお仲間Sさんがおっしゃるには、大変奇麗な国だそうです。そんな国がこんな状況になってしまったと嘆いておられました。
あらすじ
主人公ワアドはシリア生まれ、アレッポの大学で、マーケティングを学ぶ学生さんでした。元々ジャーナリスト志望だった彼女は反政府側で医者のハムザと出会い結婚。そんな中で出産して一人娘を産む。サマと名付けられた幼子は戦火の中で育つ事に・・・。
そんな彼女がシリアの現実を知ってもらうために、サマを抱えてスマホでアサド政権に対して抗議活動を始める。
2012年から時が経つとともにアサド政権軍による反政府勢力への弾圧は激化。ワアドが住むアレッポは、反政府勢力の拠点となった事から政権軍から包囲網がひかれ、戦地と化する。ワアドはこの現実を記録し続ける事を決意。日増しに戦況は悪化し、罪のない市民にも被害が及び、悲惨な事態が次々と起こる。
特に幼い子供たちの死や重篤なシーンは目を伏せたくなる。平和である事がいかに大事な事なんだと実感・・・。そんな状況を2012年から2016年の5年間、カメラを回し続けた彼女は、一人の女性として、また母として、妻として・・・。様々な視点から立って見ていたと話す。運よくシリアから脱出したワアド家族。振り返って見て、やはり一人でも多くの人に知ってもらいたいと思ったそうです。
非常に痛い作品ですが、今もなおそんな状況にあるシリアの現実を知る必要があると痛感しました。そしてワアド曰く、シリアで起きている事は、戦争犯罪なのだと・・・。
サマと夫のハザム氏
日本がどれほど平和なのかと改めて思いました。