世の中で大切なものの多くは、煙のようなもの。
見えそうで見えない真実を確かめよう。自分の心の目でーーーーー。
ウェイン・ワン 監督最新作、「千年の祈り」の公開を記念してRCSにて、「スモ―ク」が1週間限定公開となりました。
1995年公開作品。アメリカ、日本、ドイツ合作。原作である『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』を書き下ろしたアメリカの作家、ポール・オースターは映画化に際し脚本も担当したのが本作。
お恥ずかしいことですが。。。。ポール・オースターのことはまったく知りません(汗)何でも現代アメリカを代表する作家だそうです。
第45回ベルリン国際映画祭特別銀熊賞受賞作品。国際批評家協会賞に輝いています。
実はそういう予備知識もなく観た作品です。キャストの中にウィリアム・ハートの名前もあったりして・・・・。それも気になっていました。
主人公は2人の男、オ―ギ―とポール
お話は4つのセクションに分かれていた。
STORY(ウィキぺデイアより抜粋)
オ―ギーは14年間、毎日同じ時間に同じ街角の写真を撮り続けていた。煙草屋の常連で、オーギーの親友でもあるポール・ベンジャミンは作家であるが数年前に銀行強盗の流れ弾で妻を亡くして以来仕事が手につかず悩んでいた。ポールが道端をボンヤリと歩き、危うく自動車に轢かれそうになったところ一人の少年が彼を助け出した。ラシードと名乗るその少年に感謝したポールは彼を自分の家に泊めてやる。2晩泊まった後にラシードは家を出て行ったがその数日後にラシードの叔母を名乗る女性が現れた。
エピソードその1
実は父親役のフォレスト・ウィテカーと息子役のハロルド・ペリノー・Jrとの年齢差は7つしか離れていなかった。
ラシードの本名はトーマス・コールといい、偽名を使って各地を転々としていたのだ。その頃トーマスは生き別れた父親のサイラスに会いに、サイラスが営むガソリンスタンドを訪れた。その父親もすでに新しい家族に囲まれて別の人生を歩み始めていた。そこでトーマスは以前世話になったポールの名前を偽名として用い、アルバイトしてサイラスの下で働くこととなった。後日、トーマスはポールの元を再訪。(サイラスのところにあったテレビを持って)ポールは先日トーマスの叔母が自分の元を訪れた経緯を述べ、「ラシード」に本名を問い詰めるのであった・・・。
一方オ―ギ―の元には18年前別れた元恋人のルビーがやってくる。
自分たちの間にできた娘が妊娠して、困っているのでお金を借りに来たのだ。初めて聞く衝撃の告白に戸惑いながらも彼女に会う決意をしたオ―ギ―だったが。。。。DORAGU中毒の上、下劣な言葉で親を罵倒する娘を前に、結局何の力にもなれないままその場を後にする。
話しは前後しますが。ちょっとちょいとネタばれ
実はラシ―ドには誰にも打ち明けられない秘密があった。街のTINPIRAから奪った大金6000ドルを隠すため名前を偽っていたのだ。但しこの時点ではその事実をポールには打ち明けず。。。。。
ところがこの秘密が遂にばれます。サイラスの元に戻らないまま、ポールの紹介で、オ―ギ―の煙草屋で働き始めたラシード。遂に隠していた6000ドルが見つかってしまう。ポールの部屋の本棚に隠していたが、ポールに見つかってしまう!結局秘密を告白しなければならなくなるわけだ。返すようにとポールは説得するも頑なに拒否するラシ―ド。
しかし大金はラシ―ドの手元には永遠にはなかった。煙草屋の仕事でミスしたため、大金はオ―ギ―の手元に、そしてその後元恋人ルビーの手に渡るという結果に。
偶然の出会いからそれぞれの人生が交錯し、運命を変えていく。。。。本当に先の事って分からないものだ。
わけありの大金がそんなに上手くラシ―ドの手元に残るはずもないか。
ラシ―ドは再び、父親サイラスの元へ。
ところがラシードの後を追ってポールとオ―ギ―がやって来る。ラシ―ドがサイラスの実の子供だという事がばれてしまう。サイラスは激怒してラシ―ドを殴ってしまう。
年末もおしせまったある日、ニューヨークタイムズから依頼されたクリスマス用の原稿を書くためにオ―ギ―の話を聞きにきたポール。人影まばらな午後のカフェでオ―ギ―が14年前に体験した、ちょっと不思議で秘密めいたクリスマスストーリーを語り始める・・・・。
嘘か本当か?それは貴方が結末を観て信じるかどうかだ。
オ―ギーが撮影を始めたきっかけもこのストーリーのヒント。
このシーンもヒントですよ!
ウィリアム・ハート、若いですね。当時45歳でした。
エピソードその2
ウィリアム・ハート演じる「Paul Benjamin」の役名は、原作者であるポール・オースターの名前(Paul)とオースターのセカンドネームである「Benjamin」の組み合わせたものである。
メインキャストの紹介(ウィキぺディア)
オーギー・レン(Augustus "Auggie" Wren):ハーヴェイ・カイテル
ブルックリンで煙草の販売店を営む。14年前のある出来事を機に写真撮影が趣味になった。毎朝8時、同じ場所で写真を撮り、その数は4000枚に達している。
ポール・ベンジャミン(Paul Benjamin):ウィリアム・ハート
オーギーの店の馴染み客で作家。数年前に妻を銀行強盗の流れ弾で失って以来スランプに陥っている。
トーマス・コール(Thomas "Rashid" Cole):ハロルド・ペリノー・Jr
強盗現場に落ちていた大金を拾ったためにギャングに追われているKOKUZINの少年。ポールが自動車に轢かれそうになっていたところを助けたため、ポールは礼として彼を家に泊めた。ポールには「ラシード」と名乗る。
ルビー・マクノート(Ruby McNutt):ストッカード・チャニング
18年前にオーギーと交際していた女性。オーギーとの娘フェリシアがMAYAKU中毒に陥っていることを案じオーギーに助けを求める。
サイラス・コール(Cyrus Cole):フォレスト・ウィテカー
トーマスの父親で、古びたガソリンスタンドを経営している。数年前に交通事故に遭い妻と左手を失う。
エピソード3
脚本の中の細かい台詞は出演者たちによって即興的に書かれた。
解説(allcinemaより抜粋)
アメリカを代表する作家ポール・オースターが書き下ろした『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』。これを基に、男たちの中に隠された哀しいロマンティシズムを描いた都会の物語。14年間毎朝同じ時刻に店の前で写真を撮り続けている煙草屋の店長オーギー、彼の馴染みの客で突然の事故により出産まもない妻を失って以来ペンを持てずにいる作家のポール、彼が車に跳ねられそうになった所を助けた黒人少年ラシードの3人を軸に、ブルックリンのとある煙草屋に集まる男達女達の日常を、過去と現在を、嘘と本当を巧みに交差させながら進んでゆく。深みのある脚本、巧みな演出、繊細な心理描写で、ブルックリンの下町に生きる人々の人生をより深く描いているにもかかわらず、映画は決して重くはなく、実にシンプルに展開してゆく。そしてその中には男達の哀愁と同時にあたたかさが浮かび上がってくる、良質の、味わい深い、大人のドラマ。これら作品のテーマを凝縮している、クライマックスのトム・ウェイツの名曲“Innocent When You Dream”に乗せて繰り広げられるモノクローム映像は必見! 本作撮了後に急遽作られた続編ともいうべき「ブルー・イン・ザ・フェイス」も併せて観る方が良いそうだ。
メディア |
映画 |
上映時間 |
113分 |
製作国 |
アメリカ/日本 |
公開情報 |
劇場公開(ヘラルド) |
初公開年月 |
1995/10/ |
ジャンル |
ドラマ |
日本語字幕:戸田奈津子 さんでした。
12月19日(土)~25日(金)まで京都みなみ会館にてクリスマス上映!クリスマスに贈るホットでちょっとしんみりするお話です。