銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

ゲットスマート☆マックスウェル・スマートが世界を救う!?

2008-10-31 | 映画:シネコン

 伝説の痛快TVスパイドラマ「それ行けスマート」の映画化

スティーブ・カレル、超真面目でハンサムなんだけど、面白いキャラです。かなり笑わしてくれました。初主演作「40歳の童貞男」(2005)で、意外なヒットとなったカレルさん。知り合いの方が面白かったと話していた作品です。まだ未見なので、ぜひ観たい作品です。

10月24日、MOVX京都にて鑑賞。今回の共演は「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイ、お人形のようなお顔です。今回の役どころも整形したベテラン・エージェントだそうです。その彼女と“凶悪”、“凶暴”な国際犯罪組織“カオス”に立ち向かうスマート扮するカレルの痛快アクションコメディです。

STORY

国際犯罪組織“カオス” は世界征服の陰謀企んでおり、米国マル秘諜報機関“コントロール”に所属する有能な分析官、マックスウェル・スマート(スティーブ・カレル)はそれを阻むべく、日夜敵情分析に没頭。実は地味なイメージの内勤ではなく、花形であるスパイとして活躍することを願っているが、上司(アラン・アーキン)に認めてもらえずにいる。

ところがある日のこと、コントロール本部が襲撃され、“カオス”にエージェントの身元が漏れてしまった。そのため上司(アラン・アーキン)はやむなくエージェントになりたくてたまらないスマートを昇格させる。スマートはエージェントの中でも屈強でスーパースターであるエージェント23(ドゥエイン・ジョンソン)と組んで、現場で活躍することが夢だったので、やる気満々。ところが23も正体がバレている。そこで晴れて彼はエージェント86となり、ただひとり、面が割れていないエージェントと組むことになった。それは整形手術をしたばかり、顔がべっぴんでゴージャスなやり手の美人スパイ・エージェント99アン・ハサウェイ)、即席コンビのスマートと99は相棒のことを探りあいながら、“カオス”の陰謀の核心に近づき、その凶暴大物シーグフリード(テレンス・スタンプ)と彼の側近シュターカー(ケン・ダヴィティアン)の恐るべき計画を知る。べテランでさえ容易でない危険な任務。なのにエージェント経験は皆無で時間もない。わずかな秘密兵器とキレる頭脳、そして抑えきれないほどの情熱を武器に、スマートは“カオス”打倒に突き進む

何か真剣そうなんですが・・・・・。このポーズを見ていると大丈夫なの?と思います。

 

 

えぃの受話器だぁ~~と投げつける。ちょいとビビッているスマートですが。でも本人はこれまた真剣そうです。何かこのリアクションが絶妙ですね。

 

脇を固める役者さんの顔ぶれもなかなか豪華です。

 

 上司役には、アラン・アーキン。

カレルとは「リトル・ミス・サンシャイン」でも共演。ちょっとスケベなおじいちゃんの役を演じていました。この作品で第79回アカデミー賞助演男優賞を受賞!

 

 エージェント23役 ドゥエイン・ダグラス・ジョンソン 

何と彼はザ・ロックThe Rock)というリング名を持つプロレスラーだったそうです。主な映画は、「ハムナプトラ2」、「スコーピオン・キング」などに出演しているそうです。今回はコントロールとカオスの闘いの鍵を握っている。実は・・・・・?

 

そしてウォンテッドにも出演していた犯罪組織“カオス”リーダー シーグフリード役がテレンス・スタンプです。ウォンテッドでは悪役ではありませんでしたが・・・・。今回は正真正銘の悪役でした。

 

ブルース役(マシ・オカ) と ロイド(ネイト・トレンス

ブルースとロイドはスパイ道具の開発者という役柄で本編では脇役として登場!マシオカは日本人俳優としてアメリカで活躍している。

 

本作のスピンオフ(番外編)として劇場非公開作品(Vシネマ)『ブルース&ロイドのボクらもゲットスマート』(原題:Get Smart's Bruce and Lloyd:Out of Control)がワーナー・ブラザーズによって製作された。本編では脇役だった開発者コンビ(ブルースとロイド)に焦点が当てられている。本国では本編と同じくPG-13指定。72分。

監督はジル・ジュンガー、脚本はトム・J・アッスル及びマット・エンバー。出演者はマシ・オカ、ネイト・トレンス、ジェイマ・メイズ他。アン・ハサウェイもゲスト出演している。

 

監督: ピーター・シーガル

楽しいアクション映画なので楽しめますそれなのに、私は途中状態となりました。最近こんな状態が続いております。何故か?

 

 オフィシャル・サイト
                http://getsmartmovie.warnerbros.com/ (英語)

 

※いよいよ明日から11月です。また楽しい作品、ちょっとマニアックな作品等、レビュー盛りだくさんのブログをお届けします 

 

面白い場面・印象深い場面などなど箇条書きにしてみました。

①ビル・マーレイが木になって、顔をだして話をしていました。

②数珠のすだれがバラバラ落ちるところが何とも言えず・・・・・。

③スマートが可愛いオデブの女性とのダンス

 

 

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私がクマにキレた理由◎原題:THE NANNY DIARIES

2008-10-28 | 映画:シネコン

なりたい自分がきっと見つかる。マッハタンのお仕事探し。

10月21日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。どうもしっくりいかないこの邦題、クマなんて、ラスト近くでちょこっと関係あるくらいなのに・・・・。いややっぱり大きい意味があると思いましょう!

スカちゃんも、ナタリーも大人気。出演作が続きます!今回はスカちゃん、ナニーになって大奮闘ナニーとは?何ぞや。日本ではベビーシッターといわれているお仕事なんです。シッターのお仕事は、英国では国家資格が必要というくらい重要な位置あるようです。何故なら、単に子どもを預かるだけでなく、情操教育、しつけを行うという点で保護者の注目を集めているそうで、いわゆる幼児保育のプロフェッショナル=ナニーなんです。随分前にこの仕事をしようか?と思い専門の会社をのぞいたこともありましたが。どうも教育とか、しつけというものには向いていないかもと思い、断念したことがあります。そんなこんなで結局、ハンディを持った人たちの支援をやることになりましたが。ということでこの作品の本題に戻るとしましょう。

 

物語

優秀な成績で大学を卒業したアニー・ブラドック(スカーレット・ヨハンソン)は、母の期待を受けて金融界でエリートコースを歩むべく大手投資銀行“ゴールドマン・サックス”の面接に・・・・。面接の質問は「アニー・ブラドックとはどういう人間か?」という非常にシンプルなものだった。しかしアニーはその質問に何故か答えることが出来ず頭の中は真っ白状態就職試験は失敗となってしまう。意気消沈したアニーはセントラルパークで途方に暮れる。自分がどういう人間か?その素朴な質問に改めて自分が何がしたいのか?自分って何なのだろう?と思い巡らすことになる。

そんなとき、事故に遭遇しそうになった少年グレイヤーを助けるグレイヤーの母でセレブの“ミセスX”はアニーを“ナニー”と勘違いしてしまい、ひょんなことからグレイヤーの“ナニー”として雇われることに。

甘く見ていたナニーの仕事は、甘くなかった。

そう現実はそんなに甘くないよね。たかが子守りだと簡単に思っていたら、ミセスX(ローラ・リニー)は自分磨きに、ショッピングに、何とかセミナーに出歩くもんで、アニーは24時間、休みなし!事故に遭遇したときはあんなに可愛いグレイヤーだったのに、いざ一緒に過ごすとこれがまた超わがまま、わんぱく坊主だった。超高級マンションでの生活は地獄プライベートな時間もなく、グレイヤー(ニコラス・リース・アート)は言うこと聞かないため、困り果てるそんなうっぷんを友人リネット(アリシア・キーズ)に話すが「辞めたら?」とその一言。そしてこのマンションに住むイケメン大学生(クリス・エヴァンス)との恋の芽生えもあるものの、彼も「辞めたら?」と提案する。

で、辞めるの?ということになるところが、グレイヤーが両親に構ってもらえない寂しさを感じたアニーはグレイヤーと心通わせることになっていく。ミセスXはまったく息子の面倒を見ず、ミスターX(ポール・ジアマッティ)もまったく家庭を顧ず。

実はこのミスター&ミセスXの夫婦関係は上手くいってなかった。

ミセスXはショッピング三昧、エステで自分を磨く、お金を使いまくって、主人ミスターXに構われたいがための行動で取る。不満が鬱積しているのだろう。

 ミセスX役 ローラ・リニー、彼女の作品「愛のキンゼイ・リポート」、「イカとクジラ」は観ました。あまり派手なイメージはなかった女優さんでしたが、今回のセレブ役の美しさには驚きです。

一方ミスターXは仕事三昧、巨額の金を動かす凄腕の企業家だから、家庭に目を向けられる余裕はない。

そんな環境だから、息子は愛情に飢えていたのだ。アニーはそんなグレイヤーを放っておけなくなり、親以上の愛情を注ぐことになる。だから辞めるわけにはいかなくなったのである。

グレイヤー6歳の誕生日に夫婦喧嘩 ミスターXの不○と。はたまた避暑地でのバカンスのギクシャク感・・・・・。なのに離婚という言葉は出てこないのは?やっぱりお金なのか??

幸せがお金で買えるものではないはず?

さてさてアニーはグレイヤーのために頑張ってきたけど、とうとうキレてしまうことに。

キレた理由は以下の通り

①グレイヤーがエリート校の受験に失敗アニーの教育活動が不十分だったと言われたこと。

②グレイヤーが高熱を出したのに、ミセスXは高級スパに出かけていて、連絡がとれなかったこと。

③ミスターXからセクハラを受けたにもかかわらず、その責任はアニーにあると言われ、解雇されたこと。

④恋人からのを取り次ごうとしなかったこと。

これらのことで、アニーはキレたのである。

さてこのタイトルのクマにキレたアニーとは?

解雇され、アニーは避暑地を去ることに。最後のお給料といって渡されたお金はほんの僅かこれにはアニー、大怒りミスターXのマンションに戻り、例のナニーカメラの在りかを探すそのカメラは何処に設置されていたのか?はもうお分かりのはず

カメラに向かってぶちまけるアニーの発言そしてこのビデオがあるところで公開されることに。さてさてミセスXの反応はいかに

 

オフィシャル・サイト
http://www.thenannydiariesmovie.com/ (英語)

 

「マッチポイント」のスカーレット・ヨハンソン主演で贈るコメディ・ドラマ。全米ベストセラー小説『ティファニーで子育てを』を映画化。ひょんなことからセレブの“ナニー(子守り)”となるも、雇い主の押しつける無理難題やその息子のワガママに振り回されるヒロインの奮闘と恋愛模様を描く。監督は「アメリカン・スプレンダー」のシャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ。(allcinemaより)

 

スカちゃんのナニー告白が絶妙でしたミセスXはたじたじ

さてミセスXはこの告白に目を覚ますのか

 

※ミスターX演じる、ポール・ジアマッテイ、本当にスケベなおじさんに見えました

 

 

 

 

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宮廷画家ゴヤは見た▼△

2008-10-26 | 映画:ミニシアター

 天才画家ゴヤが描いた2枚の肖像画、少女と神父の数奇な運命とは?

10月18日、新京極シネラリーベにて鑑賞。「ノーカントリー」で、アカデミー賞助演男優賞に輝いたハビエル・バルデムがロレンソ神父という役で登場。この役もなかなか彼のキャラに合っている。そして少女イネスには、あの「スターウォーズ」シリーズのアミダラ姫で人気を獲得したナタリー・ポートマンです。25日からの公開「ブーリン家の姉妹」では、エリザベス一世の母、アン・ブーリンを演じているので、これも楽しみですね。本作での彼女も真に迫る演技でした。さすが!って気がします。

 

物語

時は18世紀末から19世紀初めの内外の動乱に揺れるスペイン。ゴヤ(ステラン・スカルスガルド)は国王カルロス4世(ランディ・クエイド)から宮廷画家として任命された。芸術家として揺るぎない地位を築いた彼は、王妃の肖像画描く以上の情熱で、貧しい人々を描き、腐敗した権力者を攻撃する版画を制作していた。

※銅版画の行程が映し出されます。このシーンは本当にこんな感じだったのか?分かりませんが。でも実際に制作している私にとっては、非常に興味のあるシーンでした。防触剤が銅板に塗られるところや、腐食液に銅板を浸けるというお馴染みの行程も見られ、そして木製のプレス機で作品を刷り上げる。今から200年以上も前からヨーロッパでは銅版画が盛んだだったことも、このシーンで手に取るように分かります。(実際ははこれより前から銅版画制作はされていたようです。1400年代くらいから行われていたとのこと)

1792年のマドリード、ゴヤは2枚の肖像画を描いていた。1枚は天使のような無垢な少女、イネス。裕福な商人トマス・ビルバトゥア(ホセ・ルイス・ゴメス)の娘で、ゴヤとは家族ぐるみの友人である。

 イネス

もう1枚は、初めて依頼されたロレンソ神父。ゴヤのアトリエで、肖像画のイネスの美しさに目を留める神父

 ロレンソ神父

カトリック教会は国王の監督の下、異教徒や無神論者を罰する権限を持っていたが、近年はほとんど機能していなかった。教会の力を復活させようとロレンソ神父の提案で、異端審問が強化される。

奇しくもイネスが審問所から出頭命令を受ける。彼女は居酒屋で豚肉を嫌がったために、ユダヤ教徒の嫌疑をかけられてたのだ父トマスに頼まれたゴヤは修道院の修復費用と引き換えにイネスを解放して欲しいとロレンソに話す。

 イネスはこの居酒屋の一件で

 

ゴヤに頼まれたロレンソは牢へ行くと、イネスはすでに罰せられた後だった。彼は脅えるイネスを慰めるうちに、欲望に負け、彼女を強く抱きしめるのだった。 

 

 

トマスはロレンソを豪華なディナーに招待する。和やかに始まったその席で、イネスが罰せられることに耐えられなくなり、ユダヤ教徒だと告白したと聞き、家族とゴヤは激しいショックを受ける。

 父トマス

 

 母マリア(マベル・リベラ

裁判にかけるというが、告白したからには釈放はありえない。無実なら痛みに耐える力を神が授けてくださるというロレンソの非現実な主張を覆すべく、トマスは彼を天井から吊るし、自分は猿だという告白書に署名させる。イネスが戻れば、燃やす約束だ。

しかし、異端審問所長( ミシェル・ロンズデール)は非情だった。寄付金はありがたく頂くが、例外は一切認められないというのだ。イネスが戻らないため、ロレンソの告白書を国王に託す。糾弾を怖れたロレンソは国外へ逃亡

本人の代わりにゴヤの描いた肖像画が燃やされ、ロレンソの名は永久に抹殺された。彼の訪れが途絶え、イネスは外界の繋がりを失ってしまう。

燃やされたロレンソの肖像画です。

時は1793年、すでに革命が起きいていたフランスでは、カルロス四世の従兄弟にあたるルイ16世と王妃マリーアントワネットがついに○刑された。時代は大きな転換期に突入していた・・・・・。

15年後、フランス皇帝となったナポレオンは、世界征服の野望を抱いて、ヨーロッパ各国と戦争を行い、スペインにも進軍、兄ジョゼフをスペイン王位に据え、絶大な権力を掴む。ゴヤは病で聴力を失ったものの、世の中の真実を見る目に曇りはなかった。自由・平等・友愛を旗印にしながら、スペインの民衆に対して略奪と残虐行為を働くナポレオン軍の正体は侵略者でしかなかった。

フランス軍はカトリック教会にも攻撃をかける。

 

神父の一人はフランス軍の手によって・・・・・。

異端審問は廃止され、囚われていた人々は解放された。しかしイネスが家に帰ると、家族は皆殺された後だった。イネスは変わり果てた姿で、ゴヤのもとを訪ねた。そして驚くべき頼み事をする牢内で生んだ娘を探して欲しいといのだ。

かってゴヤはイネスを救えなかった。今度こそ彼女を見捨てまいと心に誓い、娘探しに走りまわる。そんな彼の前に立ちはだかったのは、ナポレオンから検察官に任命され、意気揚々と帰国したロレンソだった。フランスに逃亡して革命思想に心酔したロレンソは、今では妻子ある身。ゴヤからイネスの娘のことを聞いて、作り話だと決めつける。イネスを精神病院へ監禁してしまう

ナポレオンに検察官として任命されたロレンソは意気捲いていた! 

 

イネスの娘の存在は?

ゴヤは自分の目で確かめた。16年前に描いたイネスと生き写しの少女を、公園で見かけたのだ○春婦をしているその少女の名はアリシア(ナタリー・ポートマン二役) 娘アリシアに会わすために、ロレンソからイネスの居場所聞き出し、連れ戻しに行くゴヤ。一方ロレンソは過去の汚点がばれるのを恐れ、アリシアをアメリカへ追放しようと画策する。だが折りしも英国軍がスペインに到着し、フランスからの解放願う民衆は歓呼ロレンソは妻子とともに再び逃亡を図るが・・・・?

 

ネタばれですが、逃亡中にロレンソは捕まってしまいます。

そしてロレンソは・・・・。ゴヤがその姿を見届けるラストシーンです。壮絶なラストを迎えます。これでイネスは救われたのかな???そしてロレンソは結果、罪を償ったということなるのでしょうか?人間は都合のいいように回っていると、こんな目に合うのかもしれません。

 

「アマデウス」「カッコーの巣の上で」の巨匠ミロス・フォアマン監督が、スペインの天才画家ゴヤが活躍した激動の時代を背景に、非寛容・非人間的な異端審問がもたらした一つの悲劇を描いた歴史ドラマ。純真無垢な少女イネスと威厳に満ちた神父ロレンソが辿る数奇な運命を、2人の肖像画を手掛けるゴヤの目を通して繊細かつ重厚に描く。

 

 ミロス・フォアマン監督

ゴヤ役のキャスティング

唯一の条件は、あまり知られていない顔であることだったそうだ。観客に、ゴヤと他の顔を重ねて見てもらいたくなかった。例えばポール・ニューマンやロバート・レッドフォードがゴヤを演じたら・・・・わかるだろう。ゴヤ以外のイネスもロレンソも架空の人物だ。これは英語映画だから、ゴヤ役はスペイン人俳優でなくてはならないというのも馬鹿げている。一緒に仕事をしたかった敬愛している俳優、ハビエル・バルデムでもありきたりだし。でも彼には出てもらおうと決めていた。

ナタリー・ポートマンについて

彼女のことは全く知らなかった。ヴォーグか何かの雑誌の表紙に載っていた若い女性の写真を見ながら、ゴヤの絵に関する本を開いて、「ボルドーのミルク売り娘」という晩年の絵を見たら、ふたりの顔がとても良く似ていた。そこでこの女優のことを調べ始め、そして「クローサー」を見て、非情に優れた女優であることを知ったというわけだ。皆も気に入ってくれたので、出演してもらうことになったんだ。

本作のアイデア

ゴヤから出発したわけでもなかった。すべては、私が映画学校時代にヨーロッパの宗教裁判についての本を読み、物語の素晴らしい核になりうる事件を知ったことに始まる。しかし、共産主義社会では、それを映画化することは夢にも考えられなかった。なぜなら、スペインで起きたことと、共産主義社会で起きていることが、よく似ていたからだよ。

ゴヤの役割

ゴヤは最初から最後まで、物語全体に触媒として深く関わっているんだ。もちろん映画を見た後には理解できると思う。彼の作品の中で唯一生きる人物が誰なのか・・・・。

そしてもうひとつ、この時代を描いた映画は、いまだかってフランスでもスペインでも1本も作られていないとスペイン人に言われたことだ。おそらく両国とも、この時代のことは何となくバツが悪いと思っているだろうね。(監督インタビューから抜粋)

上映時間 114分
製作国 アメリカ/スペイン

 

オフィシャル・サイト
http://www.goya-mita.com/
 
 
 

 
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トウキョウソナタ♪

2008-10-23 | 映画:ミニシアター

 

日本映画初!! カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞 受賞!

「トウキョウソナタ」、海外での評価の高い黒沢監督が初めて真っ向から挑む親と子のドラマは、現代日本の家族を映し出した意欲作。

10月17日、京都シネマで鑑賞してきました。思ったよりお客さんは少なかったです。日本の今の家族の姿を、リアルかつ幻想的に映し出されています。カメラアングルもなかなか素晴らしいです。説明的な描写ではなく、それぞれの役者さんの表情や行動で物語は進んでいくという感じです。セリフも少ないですが、言葉一つ一つに重みがあって・・・・。私は好きな映画でした。とりわけ、次男健二を演じた井之脇海君が素晴らしいなあなんて思いました。役柄と本当の自分を上手く重ねているような演技だと。とにかく上手いんですよね。

いつもこの場所で、父と健二は遭遇する。この映像がいいんですよね。

 

ストーリー

高層ビルの立ち並ぶ街、東京。

線路沿いの小さなマイホームで暮らす、

四人家族のものがたり。      

    

 

ある嵐の日、健康器具メーカーで総務部長として働くサラリーマン佐々木竜平(香川照之)は、人事部に呼び出され、リストラを宣告される妻、恵(小泉今日子)にそのことが言い出せなかった竜平は、翌朝もスーツ姿で家を後にした。

ハローワークで仕事探し。だが紹介される職種は、警備員やコンビニの店長。

小学6年生の健二(井之脇 海)は、授業中に友だちの漫画本を回していて、運悪く担任の小林先生に見つかってしまう。叱られた健二は、以前先生が電車の中でエロ漫画を読んでいたことを、皆の前でばらす帰り道ピアノ教室の前を通りかかった健二は金子先生(井川遥)と目が合う。その晩、ピアノを習いたい!と両親に話すが、父から反対される。一方大学生の長男、貴(小柳 友)は夜中にバイトし、朝帰りする生活で今日も家族の食卓にはいなかった。

リストラされた竜平は、川沿いの公園で、ボランティアの配給する食事を食べていた。偶然そこに通りかかったのは、高校時代の同級生、黒須(津田寛治)。黒須は建築会社に勤務しているフリをしていたが、どうもウソっぽい?彼もまたリストラされていた。何ともう3ヶ月も前に・・・・・。二人は図書館で時間を潰す。黒須は竜平に失業者の心得を次々と教えるのだった。

さて健二の小学校では、小林先生の権威が状態となっていた。健二がばらしたことで、友だちから革命を起したと称えられるも、特別嬉しくない。放課後、道端で壊れたキーボードを拾い、家に持ち帰る。ピアノが習いたい健二は母から渡された給食費を、ピアノの月謝に使うことに・・・・。

一方長男、貴は母にアメリカ軍へ入隊することになったと話す。すでに書類審査に合格している貴は未成年のため親の同意書のサインが必要だと言うのだ。困惑する恵

竜平はいつものように、公園へ・・・・。しかし黒須の姿はなく。心配した竜平は、黒須の家に行くと、夫婦が娘を残して、無理○中したことを知る。

 

黒須は「俺たち、ゆっくり沈んでいくみたいだ」と・・・・・。この言葉がいまだに脳裏に残っている。リストラされているのに、携帯を5分おきに鳴らして仕事バリバリしているふりをする姿が、何と言ってよいのか、悲しいけど、笑うしかないような。

家に帰った竜平を待っていたのは、貴のアメリカ軍入隊書類のサイン。話合いをするものの、いつまでも平行線状態。結局喧嘩別れで終わってしまう。貴がアメリカへ行く日、見送りは母恵だけだった。貴は恵に、“離婚しちゃえばいいのに”と勧める。その言葉に、“お母さん役も悪いときばかりじゃない”と言って微笑む。バスが到着した。乗り込んだバスの窓から敬礼する貴の姿に、恵は呆然と見つめた。

 

竜平はついにショッピングモールの清掃員の仕事につくことにした。通路でスーツ姿から、作業服に着替え、トイレ掃除をやる。一日の終わりは、またスーツ姿に着替え、何事もなかったように家路に着く。

金子先生(井川 遥) 健二の才能を高く評価、音大の付属中学を勧める。

一方恵みは、小学校から呼び出される。健二の給食費が三ヶ月分未納ということを知る。使い道を健二に問いただすと、ピアノ教室に行っていたと話す。竜平には内緒にしておくはずだったが、金子先生からのでばれてしまう。竜平と健二は口論と」なり、健二を殴る竜平。夫のそんな態度に失望した恵は、ずっと前から失業を知っていたと告げる。

 

 

健二の担任小林先生(小嶋 一哉)どうも、健二とは相性が悪い?

健二は竜平との口論から逃げようとして階段から落ちてしまうが、幸い打撲で済む。病院の待合室で観たテレビでは、アメリカ軍が中東の軍強化のため、日本人の入隊者も派兵されると伝えていた。貴が家に帰ってくる夢を見た恵は息子の安否を知るために、外務省に電話をかけるが・・・・・。結局確認は出来ず。

ここからが、非現実の世界と現実の世界が重なりあっていきます。佐々木家に強盗が!強盗(役所広司)は恵を縛り、現金をだせと。現金はないと恵。覆面を取った強盗は恵に顔を見られ、やばいと思い、家から連れ出す・・・・。そして向かった先は何と竜平の働くショッピングモールだった!そして作業服を着た竜平と恵は鉢合わせ。恵は再び強盗とともにでドライブ

恵と出くわした竜平は、トイレ掃除の際に拾った大金を持ってショッピングモールを飛び出しひたすら疲れきって道端に倒れこむ「どうしたらやり直せる?」と心から叫ぶ竜平。その後、車にはねられ血まみれで道路に横たわる・・・・・。

その頃健二は、家出した友人と一緒に東京の街中を逃げ回る喘息の発作が出た友人を木陰に隠したが、飲み物を調達している間に、父親に連れ戻される友人。

 

その場を逃げ出した健二は、バスに無賃乗車しようとして、警察に逮捕。留置場に入れられてしまう。

夜になり、海に着いた恵と強盗は海辺の小屋で過ごす強盗は、恵に乱暴しようとしたが、自責の念にかられ・・・。恵は「自分はひとりしかいません。信じられるのはそれだけじゃないですか?」と言葉をかける。

 

 恵は窓の外に何かを見つけた。真っ暗な夜の海の波うち際に寝転んだ。

今やひとり、ひとり、バラバラの場所にいて、先の見えない4人。誰もいなくなった佐々木家に、いつ、皆が戻るのだろうか?

ネタばれです。貴以外の3人は戻ってきます。行き場はなかったのではないでしょうか?居心地がいいか悪いか、分からないけどやっぱり元の場所が、彼らにとって一番必要だったのだと思います。あくまでも私の感じることです。何気なく暮らしていたときはきっと色々なしがらみがあったのでしょうが、バラバラになって、きっと気づいたのではないかな?なんて思います。

そういう気持ちなれば、結構相手の思いに応えられるような気がします。

 健二の入学試験はピアノの実技試験。

曲は、ドビュッシーの「月の光」♪です。助監督のお薦めの20曲の一つに監督は、「これだ!」と直感的に思ったそうです。

 

 恵と竜平は、ピアノを弾く健二の姿に何をおもったのでしょうか?竜平はちょっとのような・・・・・。

ピアノを弾き終えた健二と竜平、恵は静かにその場を去っていく。拍手もないし本当に何もない。そこで終わる・・・・・。不思議なラストシーンだけど、気持ちよかった

 

不協和音はなくなった?  公式サイト

 

 追記:脚本はかって日本に住んでいた経験のあるオーストラリア出身の新進脚本作家、マックス・マニックスが執筆した日本の家族についての物語である。

 

 

 

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「平安画廊の40年」展◎中島尚子さんを偲ぶ

2008-10-22 | 銅版画関連

10月17日、「平安画廊の40年」展に行ってきました。今年末をもって閉廊することになった平安画廊。その40年を目前にオーナーの中島さんは逝ってしまわれました。実は2009年で、40年を迎えることになっていました。本人はこの40年展を何とか自分の元気な間に開催したいという願いだったようです。

そんな思いを中島さんに深い関わりのあった方たちが企画され、今回の展覧会が実現しました。1969年から2008年の間に、実に100人以上の方がこの画廊で版画の個展が開催されたそうです。その版画家さんの小品展が展示されています。素晴らしい作品の数々です。ぜひお近くにおいでになることがありましたら、覗いてみて下さいまた平安画廊の40年の記録を綴った本も販売されています。

案内状の内容を抜粋しました。

案内状

中島尚子さんを偲ぶ

「平安画廊の40年」展へのご案内

 

謹啓

仲秋の頃、皆様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

さて、平安画廊の中島尚子さんが亡くなれて早3ヶ月が過ぎました。

今も、ガラスの向こうに中島さんの姿をつい探してしまいます。

この度、中島さんが心ならずもやり残した念願の40周年企画展を

有志のものたちが引き継ぎ開催することになりました。

平安画廊の40年にわたる活動を讃え、振り返る小品展です。

どうぞ、ご鑑賞くださいますよう、ご案内申し上げます。

                                     謹白

会期/2008年10月14日(火)ー10月26日(日) 午後12時ー午後8時

会場/平安画廊

    京都市中京区寺町三条上ル Tel (075)231ー0694

                      発起人

                     上平 貢 大須賀潔 奥井章夫 木村重信

                     坂爪厚生 富樫 実 西 真  野村久之

                     浜田泰介 米田哲生

        

私は出品しておりません。有名な作家さんばかりです。

 

9月の平安画廊のグループ展に出品した、私の作品です。

※会期前、ちょっとお手伝いをさせてもらいました。中島さんへの思いを込めて。

 

 

 

 

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僕らのミライへ逆回転☆原題 Be Kind Rewind

2008-10-20 | 映画:シネコン

 はっぴいえんどにリメイク中

10月14日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。この日は、東宝シネマズ二条の10周年ということで、1000円での鑑賞でした。監督は先ごろ鑑賞した「TOKYO!」のミシェル・ゴンドリー。

主演は「ホリディ」でケイト・ウィンスレッドの相手役マイルズを演じたジャック・ブラック、そして「16ブロック」でお馴染みのモス・デフです。

名作・旧作映画を、手作りでリメイク!?

何かとトラブルを引き寄せるジェリー(ジャック・ブラック)とつぶれそうなレンタルビデオ店の店員マイク(モス・デフ)は幼なじみ、ある日、突然店のビデオから映像が消える事件が発生!何と発電所で感電し、超強力な電磁波を帯びてしまったジェリーが全ビデオをダメにしてしまったのだ慌てた2人は自作自演で「ゴースト・バスターズ」、「ライオン・キング」など消えた映画を作りなおすはめにところが驚くことにその手作りビデオは大好評で、たちまち店は大繁盛

再開発で閉店を迫られている店長(ダニー・グローヴァー)を救おうと2人は町の人々も巻き込んで次々と作品を作りだす。だが、ハリウッドのビジネスマンたちが黙っているわけもなく・・・・・・。

僕らのミライへ逆回転

映画ファン必見の劇中リメイク作の元ネタは? 

釣り糸でブラ下げた本をユラユラさせたポルターガイスト現象や、どう見ても懐中電灯を持ってビニール袋を被っただけの人間が“オバケ”として襲いかかり、さらには本物のマシュマロを貼り合わせた“手作りマシュマロマン”が現れる「ゴーストバスターズ」。銀色のヘルメットに目深に被り、手にはピストル代わりとなるアイロン。そして体のあちらこちらに自動車の部品をくっつけたジャック・ブラックが、ギクシャクと動いて「私はロボコップ」と機械っぽい声でセリフを繰り出す「ロボコップ」。サバンナっぽい柄の毛布を広げ、その前でボール紙に描かれた2匹のライオンの“絵”を持ってドタバタする「ライオン・キング」。豚の血の代わりにトマトケチャップが降り注ぐ「キャリー」に、アフロのヅラを被って“黒人ストリートギャング”を演じ切る「ボーイズ’ン・ザ・フッド」と、そのチープを通り過ぎてキッチュなムードすら漂っているリメイク具合には大笑いさせられること間違いなし!

このほかにも「ラッシュアワー2」(あえて続編をチョイス!)や「メン・イン・ブラック」といったお馴染みのメガヒット作にはじまり、「シェルブールの雨傘」「ラストタンゴ・イン・パリ」といったヨーロッパ映画に「モハメド・アリ かけがえのない日々」なんてドキュメンタリーまでもが登場。「あの映画のあのシーンが、こんな風に作り変えられてる!」なんてオリジナルと“スウェード版”の違いを比べたり、元ネタとなる作品を探し当ててみたりと、映画ファンを自認する人であるならば、とことん楽しめるはずだ!(eiga comより抜粋)

  

そういえば、「ドライビングMissディジー」もありました懐かしい~~

キングコングのつもり?

ドライビングMissディジーに扮するジェリーは何かキモイシガニーウィーヴァーは著作権侵害だということを伝えに来るお国の偉いさん。

なんてったって!ジャック・ブラックが映画に登場する人物に扮して、ハチャメチャになりきるところが面白いお恥ずかしい話なんですが、ジャック・ブラックがコメディ界の大スターだとは知りませんでした。とにかく色々なキャラに扮して顔も七変化に、そのキャラを徹底的に演じるところなんかは、ジャック・ブラックの凄さを感じます

そんなジャック扮するジェリーに引っ込まれ、マイク扮するモス、冷静なんだけど、いつの間にかジェリーに乗せられ、だんだん手作り映画にはまっていく。静と動のコラボが強い力を発揮するんですね。

最初はちょっと拒否的だった、店長役のダニー・グローバーも、お客のファレヴィチ(ミア・ファロー)も彼らのリメイク作品のとりこになり、応援し始める

リメイクビデオは益々ブレイクするのだが、著作権侵害ということで、危機を向かえることになるが。それならば、自分たちでオリジナルの作品を作ろうと、ジェリーとマイクを中心に皆が協力して製作を始めるさて結果はいかに?

 

解説 

「エターナル・サンシャイン」「恋愛睡眠のすすめ」のミシェル・ゴンドリー監督が、ひょんなことからハリウッド映画をホームビデオで勝手にリメイクしてしまうおバカな男たちの姿を、映画愛と手作り感いっぱいに描いたハートウォーミング・コメディ。主演は「スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラックと「16ブロック」のモス・デフ、共演にダニー・グローヴァー、ミア・ファロー。なお、主人公たちが客に対し自作のビデオをごまかすために“Sweded(スウェーデン製)”と偽ったことから、“Sweded”という造語が一般にも広まり、インターネット動画サイトなどでも創意工夫にあふれた“Sweded”の手作りハリウッド映画がブームとなった。(allcinema)


オフィシャル・サイト
http://www.bekindmovie.com/ (英語)

 

※今回も邦題の「僕らのミライへ逆回転」が気になっています。何処からどのように考えてこのタイトルになったのか?しかも長いタイトルなもんで、チケット購入するとき、困ります(>_<)

 

 


 

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ぼくの大切なともだち♪mon meilleur ami

2008-10-18 | 映画:ミニシアター

 皆さん、貴方には親友と呼べる人はいますか?

 

じゃーん!フランス映画ですよ。主演はあのダニエル・オートゥイユです。「あるいは裏切りのいう名の犬」では渋い男を演じていた彼が今回はコミカルなハートフルムービーで、親友のいないちょいと寂しいフランソワという男性を演じています。(10月10日、京都シネマで鑑賞)

物語

美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、ある日オークションで紀元前5世紀のギリシャの壷を20万ユーロという高額な金額で落札 どうも歴史のある壷らしい(ほんまに?)何でもこの壷、親友の死を嘆き悲しんだ人物が涙を溜めて壷に納めたというものらしい。実はフランソワは1930年代のアールデコを扱うので、専門外なのである。それなのに、ギャラリーの共同経営者カトリーヌ(ジュリー・ガイエ)の反対を無視して、衝動買いした上、その壷を自宅に届けさせるのだ。

ある日、フランソワの誕生日パーティが行われる。その席で、カトリーヌたち仕事仲間から、「君には友だちはいない!」と言われる!!その言葉に、驚愕するフランソワ。ランチの約束も一杯はいっている、ここにいる皆も友だちのはず・・・・・?何で?その上カトリーヌから「仕事関係ではなく、本当の友だちは?」と問い詰められる。その言葉にムキになったフランソワは、ギリシャの壷を賭けて10日以内に親友を紹介すると約束する。

その夜、女友達ジュリアとの逢瀬もそこそこに、友だちリストを作る。翌日、リスト一番目の同業者を訪ねると、相手は商売敵としか思っていなかったえらいことになったフランソワ、友だち作り専門書を探したり、レストランで仲良しの2人連れに質問を浴びせたり、しまいには、「友情」にもしてみるが、友達の作り方はわからない。おまけに久々に再会した元妻の娘ルイーズ(ジュリー・デュラン)ともギクシャク

そんなときに、出会ったのはタクシー運転手のブリュノ(ダニー・ブーン)、最初はお喋りな彼が苦手だったが、彼が誰とでも仲良くなれることに気づき、コツを伝授してほしいと頼む。妙な依頼に戸惑いながらも、快く引き受けることに。に同乗して彼の接客ぶりを観察し、「感じよさ、笑顔、誠実さ」が肝心と理解するフランソワ。だが自分でやってみるのは難しい諦めかけたとき、フランソワは小学校時代の「親友」を思い出したブリュノのでいそいそ会いに行くが、親友と勝手に思っていた彼から「クラス中がお前のことを嫌っていた」と罵倒される何と嫌われていたのだブリュノは「子ども時代の友情は続かない」という。誰とでも仲良くなれる彼にも本当の友だちはいないらしい・・・・・

日曜日、フランソワはブリュノに誘われてサッカー観戦を楽しむその後はブリュノの両親の家で、夕食の招待を受けた。ブリュノは妻に去られ、今は独り身だった。唯一の望みはクイズ番組に出ることなのだが、あがり症のため、オーディションに落ち続けているということだった。ブリュノとすっかり仲良くなったフランソワ、しかしカトリーヌに彼のことを話しても、友だちとは信じてくれない。

そこでフランソワはブリュノが真の友だちであることをカトリーヌに証明してみせるために、ブリュノに保険金狙いでギリシャの壷を盗んでくれと頼む資金繰りに困っているからと説明を真に受けたブリュノはやむなく実行に及ぶ。だがこれが賭けで利用されていることがわかったとき、ブリュノは呆然自失壷を叩き割ってしまうそして彼は去っていった。

フランソワはブリュノの両親を訪ねる。そして彼の過去を聞くことに。それはブリュノがかって親友に妻を奪われたということだった。彼の子ども時代のに記された「星の王子さま」の一節を読み、友情の大切さを痛感するフランソワ失意のフランソワにカトリーヌは本当の壷を届ける。実は壊された壷は安全のためのコピーだったのだ

「友情の証拠などない。友情があるだけ」と言うカトリーヌ。そして「あなたと友だちになりたかった」と打ち明ける。

フランソワは壷を、かねてから欲しがっていたテレビ・プロデューサー、ドゥラモットに譲り、あることを頼む・・・・・。

さてさてその頼みとは?ブリュノがかねてからの夢、クイズ番組「クイズ・ミリオネア」への出場を果たしたそれはドゥラモットの計らいで・・・・。

さあ番組は始まったブリュノは100万ユーロゲットできるかこのゲームで、ブリュノとフランソワの友情はどうなるのか???

 

カトリーヌはフランソワと真の友情を築きたかったんだね。そのために、フランソワに友情の大切さを知って欲しかったのだ仕事だけの利害関係にしか目を向けなかったフランソワの心を呼び戻したのでしょうね。でも友だち作りのためにマニュアルをつくり、実践するなんてどう考えても変だ。それに友情に利害関係なんか、必要ないものだし。

仕事なら任せてというフランソワ、だけど人間関係は仕事のようには上手くいかない。気付いたら心から話せる友人は誰一人いなかった。そんな彼が彼のことを親身になって考えてくれる人の投げかけで、人間の本当に大事なものを不器用ながらも精一杯探そうとするフランソワの姿が何とも言えず、時に愛おしく感じる。いい年の大人が頑張るのも悪くないですね。

 

久しぶりに楽しいフランス映画でした。ダニエル・オートゥイユ&ダニー・ブーン、いい味出していましたね。中年男フランソワの親友探し、なかなか皮肉を絡めつつ、面白かった!

 

 名匠パトリス・ルコント監督

 

 

 

 
 
 

 
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落下の王国*原題 The Fall

2008-10-15 | 映画:ミニシアター

 君にささげる、世界にたったひとつの作り話。

10月8日、京都シネラリーべにて鑑賞。レディスディーということでか?それとも朝1回上映でなのか?このシアターがこんなに満員になるとは驚き!マニアな人には、やはり人気作品なのかもしれないね。観客の大半が女性だった。男性は2~3名だったような気がする。私の隣には親子連れで鑑賞しておられた。子どもさんは5歳くらいだろうか?字幕版なのに、大変だろうななんて。

さてこの映画「落下の王国」の原題はいたってシンプル、“The Fall”。今回も邦題のほうが、何となくマッチしていると思う。何かタイトルを聞くだけで、神秘的な感じがするのだ。

構想26年、撮影期間4年!凄いですね。練りに練り上げた秀作という作品。どちらかと素晴らしいビジュアル的な作品だと思った。コスチュームデザインは日本の石岡瑛子氏。日本人が参加して、活躍しているとは凄いことですよね。

監督は映像の魔術師ターセム。彼が魂を込めて作り上げた生きる力を喚起させるファンタスティック&リリカルな心の旅。

さて原題の意味、“The Fall”とは落下です。この作品に登場する、傷ついた青年と純真無垢な少女の共通点は落下でした。

青年、ロイ(リー・ペイス)は映画のスタントマンでした。撮影中に橋から落ちて大怪我を負います。この事故に追い討ちをかけるように、私生活では恋人を主演男優に奪われ、自暴自棄状態になっていました。そんな彼の前に現れたのが、オレンジの樹から落ち、腕を骨折した5才の少女、アレクサンドリア(カティンカ・ウンタルー)でした。

 

 ヒロインの女の子はむちゃくちゃ可愛い少女ではありません。ちょいと太めで元気のいい普通の女の子です。いつも宝物の入った箱を持って、病院内を散歩しています。

ロイは動けない自分に代わって、命を絶つための痛み止めの薬(モルヒネ)を調剤室から盗んでこさせるべく、彼女を利用する。アレクサンドリアの気を引くために、思いつきで語り始めた冒険物語、それは6人の勇者が世界を駆け巡り、悪に立ち向かうという「愛と復讐の叙情詩だったーーーー。

落下したことで傷ついた青年と少女がふれあいの中で、互いに生きる力を取り戻していく姿は何か感動的である。

青年が語る即興のおとぎ話が少女の無垢な感性の中で独特のお話にと創られていく。子どもの想像力の豊かさが色鮮やかな風景の物語として展開して、空想の世界がだんだん現実的な世界へと変わっていくのだ。

CGによる、特殊効果をほぼ封印。4年の歳月をかけてインド、フィジー、パリなどの世界遺産を含む各地の絶景にロケーションを敢行し、コツコツと自らの資金繰りで作品を完成させたターセム監督。セットやCGでは生み出せない現地での背景を使った、手作りの味の物語である。

STORY

ロサンゼルスの病院に入院中のアレクサンドリアは家業のオレンジ収穫中の手伝いで、木から落下左腕を骨折している。ある日彼女は仲のいい看護師エヴリン(ジャスティン・ワデル)に声をかけ、書き留めたを窓から投げた。ところがは思わぬところへ・・・・。下の病室で横になっている男が持っていたを取り返そうとする。男とやり取りするうちに彼と話をすることに。それがアレクサンドリアとロイとの出会いとなる。

看護師エヴリンとアレクサンドリアは仲良しだった。

彼女の名前を知ったロイは、「アレキサンダー大王にちなんだ名だね。こっちにおいで!」と呼び寄せる。そしてアレキサンダー大王にまつわる話を始める。物語大好き少女がロイの話に夢中になるのに時間はかからなかった。話が終えると、「明日また別の話してあげる。愛と復讐の叙情詩だ」。アレクサンドリアは嬉しそうに部屋を後にした。翌日もロイの部屋へ。目を閉じると、漆黒の闇が広がる。ロイはゆっくりと語りだした。

新緑色の大海に囲まれた孤島に5人の戦士が総督オウディアス(ダニエル・カルタジローン)への復讐という同じ決意を胸に集まる。

①総督に弟を殺されたオッタ・ベンガ(マーカス・ウェズリー

②妻を誘拐され、死に追いやられたインド人(ジットゥ・ヴェルマ

③爆発物の専門家であるがゆえ、危険人物ということで抹消されたルイジ(ロビン・スミス

④生物をこよなく愛す英国の博物学者ダヴィーン(レオ・ビル)と猿の相棒ウォレンス

⑤弟ともに死刑を宣告された黒山賊(エミール・ホスティナ

5人は一致団結してオウディアスへの復讐、黒山賊の弟の死刑阻止のため、島からの脱出を試みる。脱出に成功した一行は壟断された山々に囲まれた岸にたどり着く。そしてそこには老木が一本立っていた。その木から変な音がして、きな臭いにおいが・・・・。皆の視線はその老木に集まる。するとそこから、長髪の霊者(ジュリアン・ブリーチ)這い出てきた。総督によって焼き払われたらしい仲間に入りたいというが、得体の知れない霊者に警戒し、拒む。黒山賊の弟が捕らわれている宮殿に到着した5人は奇襲に成功護衛から鍵を奪って頑丈な門を開けると数多くの兵士を圧倒させたあの霊者がその力を信じた5人は霊者を迎え入れる。しか時遅し、弟は残念なことにすでに殺されていた。

「やめろ」。突然亀裂の入るような声が響く。その声でロイとアレクサンドリアは現実に引き戻される。同じの病室の偏屈な患者だ。もうひとりの患者によって彼女は表へ。翌日、アレクサンドリアはロイの病室へ、礼拝堂の聖餐を盗んでやって来た。物語の続きをしてほしいようだ。彼女は足をバタつかせたその拍子にサイドテーブルのがこぼれ、ナプキンに染み込む。茶色の液体は次第に変色。布に血を染み込ませていく手は黒山賊のものだった。6人の戦士は荒涼たる地で黒山賊の弟の遺体を包んだ大きな布の前に立っていた。

 オウディアスへの怒りは増していく!

打倒、オウディアス必ず殺してやる。黒山賊は仮面を外す。何とロイだった

復讐の念はよりいっそう強固なものに・・・・。一行は打倒オウディアスを誓う牙城に向かう途中、鞭で打たれる人たちに遭遇、それはオウディアスの瀟洒な山車だった。

 車の輪に人が綺麗でお洒落な山車ですが。解放しよう決然と黒山賊は言った。

だんだんお話が面白くなってきたのに、ロイは突然「英語読めるかな?」だ。これからというときに中断するので、アレクサンドリアはちょっと不満げロイは彼女に英語の文字が書かれた紙切れを渡す。そこには「MORPHINE」と書かれていた。この薬がないと、話が続けられないと言う。薬剤室から取ってきて欲しいとたのむ。アレクサンドリアはうなずく。

取ってきたのはいいが、瓶の中にはたった3錠のみ、3錠しかないじゃないかとロイは怒る。紙切れには「M-OーRーPーHーIーN3」それよりお話の続き!仕方なく話を始める。

山車の人たちを解放、そして車に向かって「オウディアス、出て来い!」と。しかし仲から出てきたのは扇で顔を隠した姫と甥の臣従の男の子。一行は姫をさらい、清冽な川を下って一旦隠れ家に戻り潜伏する。

お互いに仮面とベールを外し、自身の顔を見せる。「看護師さん?」とアレクサンドリア。そうです。姫はあの看護師のエヴリンだった。

 姫はあの看護師、エヴリンだった。この衣装素敵です!

ロイは立ち直れなかった。死にたいと願望していた。見舞いに来た友人なのか、勇気付ける声が聞こえる。そんなロイに、アレクサンドリアは「私は治りたくない。ここであなたといたいから」という。話の続きを聞きたいのなら、頼みがあると言うロイ。同室の患者が自分の薬を盗んだと話し、取り返すようにと。でないと話の続きは出来ない。彼女は向かいのベッドに近づき茶色の瓶を見つける。「これ?」というアレクサンドリアに「それだ。僕のだ」瓶を手渡すとすぐさま数十錠を口含んだ。そして彼女にこういう。「僕が寝たら帰るんだ。そして明日は来るな」。ロイは物語の続きを話始める。

黒山賊と姫の間に愛が芽生える。結婚することになった。しかし式を取り仕切った司祭の裏切りによって、一行は捕らえられてしまう。

砂漠のど真ん中に縄でつながれた一行。喉の渇きは限界を超え、灼熱の太陽の日差しによって皮膚もただれる。絶対絶命のピンチ。その話の流れに不安を感じるアレクサンドリアついに彼女も物語りに登場仮面をつけた少女となり、猿のウォレスが入った皮袋から出てきたのだ黒山賊のロイの縄をほどき、手に銃を持たせる。兵士に銃を向けるも、次第に意識が混濁していく。「撃って」という彼女の声もむなしく、ロイはその場に倒れる。

 黒山賊のロイを助けるアレクサンドリア

「寝ないで!起きて!」物語を聞きたいアレクサンドリアの声に、ロイは一切反応せず諦めた彼女はロイの頬にキスをして、病室を後にする。

翌日、アレクサンドリアは病棟から白い布に覆われた遺体が運びだされるのを目にする。慌ててロイの病室へ仕切りのカーテンを開けるとそこにはロイの姿があった。「砂糖だ」と意味不明の言葉を吐くロイ。状況が分からないアレクサンドリア「あれは偽薬だった。あれは砂糖だった。死に損なった」とロイ。荒れ狂うロイの姿を見る。昼間のことが気になり、夜中に病室を抜け出す。病院内にかすかな声が聞こえる。その声をたどり、ドアの前に立ち止まる何と看護師エヴリンが男と抱き合っているロイのためにもう一度モルヒネの瓶を盗もうと、薬剤室へ忍び込むところが、瓶を取ろうとした瞬間、棚にあった瓶で足を滑らせ、床に落下アレクサンドリアの混沌とした意識の中で過去の記憶とロイの物語が交錯し、フラッシュバックのように明減する。馬泥棒に火を放たれた我が家、父の最期の姿。「グーグリー、グーグリー、あっちへ行け!」怖いときのおまじないを唱え続けるアレクサンドリア。

彼女のベッドの横で泣き崩れるロイの姿がそこにあった。目を覚ました彼女はロイに「また落っこちちゃった」と告げる。ロイは身勝手な自分に恥じた。今まで騙していたことを詫びる。ロイの目からがこぼれる。「僕の話はハッピーエンドじゃないんだ。他の人に頼め」、「話して続きを教えて」 ロイはゆっくりと物語を語りだした。勇士たちが一人、また一人命を落としていく。残された黒山賊のロイと仮面の少女アレクサンドリアは目的を達することは出来ないのであろうか?

象が海を泳ぐ~~~。インド、ニコバル諸島

 これもインドのお城だそうです。(ひょっとして、タッジマハール?)

ロイが語るお話、フィクションなのだが、かなり練り上げたお話です。その物語に次第に引き込まれていくロイとアレクサンドリア。ついには物語の主人公になってしまう。この流れもファンタスティックです。でもロイが言うようにハッピーではなく、かなりえぐい部分もありますよね。現実と非現実の間を行ったり来たりというのがまた面白いところ。映像も余すことなく、幻影的で綺麗という感じです。個性的な衣装がマッチしている。石岡瑛子さんの感性がこの映像に良くあっています。

贅沢な作品ですよね。それにしても、またレビューが長くなってしまいどうもすみません

 

オフィシャル・サイト
http://www.thefallthemovie.com/ (英語)
 

 

 

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アイアンマン☆★始動した!

2008-10-12 | 映画:シネコン

  

“インクレディブル・ハルク”に続くマーベルコミックス作品「アイアンマン」の映画化です!10月3日、「今夜、列車は走る」の鑑賞後、MOVX京都にて観ました。

まったくジャンルの違う作品、こちらはハリウッドバリバリ作品ですから、かなりのお金をかけて製作されているもんで超凄いですよね。ニコラス監督のおっしゃるとおり、宣伝もバンバンやってるから観客も入りますわ。

“インクレディブル・ハルク”のラストで、アイアンマン扮するロバート・ダウニー・JRが登場していました。何と1ヶ月以上前からこんなかたちで宣伝しているのだから、本当に宣伝費もかなりかかるでしょうね。

ということで、“アイアンマン”遅まきながらレビュー&もろもろ紹介です。今回の主役はあのロバート・ダウニー・JR、彼がアメコミヒーローとは驚き「ゾディアック」の暗いイメージがあるので、どうなのかな?と思っていたのですが。いやいやどうしてヒーローをかっこよく演じていました。セレブなキャラもいたについている感じですね。

STORY(wkipediaより抜粋)

実業家であり、天才的な発明家であるトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr )は、米国政府と約を結ぶ大企業のスターク・インダストリーズのCEO。武器開発の分野をリードする彼は、政府とのパイプ役を務める親友の軍人ローディ(テレンス・ハワード )とともに、新型兵器の実験のためにアフガニスタンへ飛んだ。デモンストレーションは大成功!自信に満ち溢れたスターク、向かいところ敵なしに見えた。

しかしその時事件は起こった。現地のゲリラ「テン・リングス」に襲撃を受けたのだ。必死に逃げまどうトニーだったが、ゲリラは彼に向けて小型ミサイルを放った。トニーがそのミサイルに刻まれた「スターク・インダストリーズ」のロゴを目撃した瞬間、ミサイルが爆発。爆風で吹き飛ばされたトニーは意識を失ってしまう。

気がつくと、トニーはゲリラの本拠地である洞窟に拉致されており、胸には車載用バッテリーに繋がった電磁石が取り付けられていた。爆発の際、飛び散ったミサイルの破片がトニーの心臓周辺に突き刺さったため、バッテリーによる動力供給なしでは死を免れないというのだ。ゲリラの本拠地には例のミサイルをはじめ、横流しされた「スターク・インダストリーズ」社製の武器が所狭しと並んでいた。テロ集団のリーダーラザ(ファラン・タヒール)は囚われの身としてゲリラに武器を提供するよう命じられたトニーは、手始めに「ジェリコ」を組み立てろと強要される。

トニーは同じく捕虜となったインセン博士(ショーン・トーブ)と共に、ゲリラの目を盗んで「アーク・リアクター」という小型の動力供給装置を作った。胸に組み込むと、バッテリーなしでの生命維持を可能にするというものである。さらに「アーク・リアクター」と連動する鉄製の強固なアーマー「マーク1」も完成。火炎放射器やジェット・パックを搭載し、凄まじいパワーを発揮するそのアーマーを装着したトニーは、自らの命を犠牲にしたインセンの手助けによってゲリラを退け、アーマーを故障させながらも何とか脱出に成功する。

脱出後、アフガニスタンの砂漠を彷徨っていたトニーはアメリカ空軍に保護され本土に帰還。自社製品がゲリラの手にも渡っていた事実を深く悔やみ、軍事関係から手を引くことを決意する。さらにテロ撲滅に貢献すべく、「マーク1」に代わるアーマーの開発に着手。試行錯誤の末、トニーは様々な武器を組み込み戦闘用にスリム化された「マーク2」を経て、軽量化を施した最終形「マーク3」を完成させる。

トニーは完成したアーマーに身を包み「アイアンマン」としてテロと戦っていくが、その影には「スターク・インダストリーズ」の重役であるオバディア・ステイン(ジェフ・ブリッジス )の陰謀が潜んでいた…。

さて、トニーの片腕と思われたオバディアの陰謀とは?(ネタばれです)

拉致され、スターク・インダストリーズに不在だった間、会社を取り仕切っていた重役オバディア・ステインに、兵器産業の撤退を話すも、反対を受ける。しかしトニーはその反対を押し切り、撤退することをマスコミに発表!秘書であるヴァージニア・"ペッパー"・ポッツ(グウィネス・パルトロー )の協力を得て、新たなパワードスーツの開発に熱意を燃やす。「自分が開発した兵器で苦しんでいる人々を救いたい」。トニーは世界に不和をもたらす悪との戦いを決意する。

だがトニーの気づかぬうちに恐ろしい陰謀は足元から進行していた。何とオバディアの手によって裏取引されていたのだ。納入を取りやめたはずの兵器の数々が流れていたのである。そして何とトニーの拉致を依頼したのも、オバディアだったのだ。テロ集団のラザと手を組んでいたのだ。さらなる野望を抱いたオバディアは、粉砕したマーク1の残骸を回収させ、パワードスーツをも我が物にしようと企む。そしてその原動力となるアーク・リアクターをトニーから奪い去ってしまう。

ペースメーカーの役割を兼ねていたアーク・リアクターを奪われたトニーは瀕死の状態となる!さてこの後どうなるのか?

 胸に装着されているのが、アーク・リアクターです。

 秘書:ペッパー:グウィネス・バルトロー

「恋に落ちたシェイクスピア」(98)でアカデミー章主演女優賞にた方です。

 

 ジェームズ・"ローディ"・ローズ役

テレンス・ハワード、最近色々な映画に出ていますね。

 

 インセン博士

ショーン・トーブ、イギリス、マンチェスター生まれ。「君のためなら千回でも」ではラヒム・ハーンという主人公の父の友人役で出演していた。

 

 オバディア・ステイン役:ジェフ・ブリッジス

 

 テロ集団リーダー、ラザ役:ファラン・タヒール

 

 クリスティン役 :レスリー・ビブ

 

 撮影風景

 

ロバート・ダウニー・JRの試練

トニー・スターク役の熱演で、全米のメディアや観客の賞賛を集めているロバート・ダウニー・JR。しかし、彼にとって今回の演技は決して楽なものではなかったようだ。例えば、中東でスタークが爆撃を受けるシーン。砲弾や地雷が爆発する凄まじい見せ場のひとつである。この場面の撮影の模様を、ダウニーはこう振り返る。「この手のシーンの撮影は信頼のゲームだ。実際、一度も危険を感じなかったし、あれほどの近距離であれだけのことをやってのけたことに驚いている。一つ付け加えるなら、たった今通り過ぎた場所ですぐさま爆発が起こると思うと、自然と逃げ足も速くなるということ」。何より大変だったのは、マーク3を装着して演技しなければならないことだろう。最初にこのスーツを着たとき、ダウニーは子どものように大喜びしたという。しかしスタッフ3人がかりで着脱に30~40分かかる上に、役者には窮屈であった。フルスーツに改良が加えられ、これとは別にゴム製のスタントスーツも制作されたが、肉体的に苛酷な体験だったようだ。

最も大変だったのは、靴底にジェットエンジンが付いたブーツによる飛翔シーン。ワイヤーワークではなく特殊なリグを使用して行われたこの撮影は、筋肉にかなりの負担がかかったという。「数時間かけてリグの使い方を覚えたけど、あのシーンはキツかった。一番苦労したのは、自分の動きを手と足でコントロールしなければならないこと。撮影前のマーシャルアーツの訓練が、体をコントロールするという点で役に立ったよ」とダウニーは振り返る。

いやいやこの話を知ると、いかに大変かと思いますね。ダウニー、ご苦労様と言いたいですね。これだけの作品を製作するのに、役者さんも体力、気力等が必要なわけです。

概要

アメリカではパラマウント映画配給で2008年5月2日に封切られ、初登場第1位を記録。週末ボックスオフィスでは歴代11位となる9861万ドル(約105億円)を記録し、見事なサマー・シーズンの幕切りを飾った。日本ではソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給で2008年9月27日に公開され、第一週目では邦画興行収入ランキング1位にランクインした(なお日本において1位を獲得したマーヴル映画はスパイダーマン以降今作のみである)。

監督のジョン・ファヴローはこの作品を「3部作構想である」としており、配給会社であるパラマントは残り二作も配給をすることを発表している。ロバート・ダウニー・Jrをはじめとする主要キャストも続編の契約書にサインを交わしている。ちなみに現在、『Iron Man 2』が2010年4月30日公開に向けて製作中。

(Wikipediaより)

製作総指揮 ルイス・デスポジート
ピーター・ビリングスリー
アリ・アラド
スタン・リー
デヴィッド・メイゼル

 

http://ironmanmovie.marvel.com/  IRON MAN OFFICAL SITE

 

 

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今夜、列車は走る 原題:Proximas・Salida

2008-10-10 | 映画:ミニシアター

 

すべての人々に捧げる 5人の鉄道員とその家族の物語

10月3日、京都シネマにて鑑賞。

朝10:00の1回上映ということで、慌てて行きました。来週は晩1回らしいので、金曜日何とか滑り込みして行ったようなわけです・・・・。朝から大勢のお客さんでした。知り合いの人に、タイトルを言うと、良いタイトルですね。うんそう言われてみると、何かカッコいいタイトルだなあと。邦題があまりよくないことが多いのでこれは珍しくマッチしているかもしれないです。

舞台は90年代のアルゼンチンです。アルゼンチンの歴史的背景は、あまり分かりませんので、少し文献などをひも解きお話したいと思います。86年に就任したメネム大統領は、新米的な立場から新自由主義を推し進め、規制緩和で外貨を呼び込むとともに、鉄道をはじめとして、石油、郵便、ガス、水道など、インフラまで次々と民営化して行きました。セイフティネットなき民営化で大量の失業者を排出し、95年には失業率20%まで上昇、一方で外資で潤う企業や実業家も増え、貧富の格差がどんどん開いたのです。その時代に、いくつも消えていった地方の小さな鉄道の町が舞台でなのです。日本も格差社会になってきていますよね。そういう意味ではこのお話と重なる部分もあります。自分の住んでいる国のことを改めて見つめなおす機会となった作品です。

 

ある日突然路線廃止のため失業した5人の鉄道員は、年代もバラバラで、それぞれが目の前の危機に対して違った行動をとります。

その1人目:あと2年で退職となるブラウリオ(ウリセス・ドゥモント)は、ただひとり、自主退職を拒否して、修理工場に住み着く。娘の彼氏も失業中で金の無心と思われるようなをかけてくる。理不尽な世の中に対する怒りを猫にぶつけるが・・・・・。

 ブラウリオ

 

その2人目:親分肌のゴメス(オスカル・アレグレ)には30年も付き合っている○婦のカルメンがいる。だが自主退職したのち、その場しのぎの仕事しか見つからず、お金がないので彼女に会いに行けない。カルロスが出くわすと、唯一あった仕事がサンドイッチマンだったと話す。そんな天涯孤独のゴメスの心のよりどころはカルメン

 

 ゴメス

 

その3人目:人の良いアティリオ(バンド・ビリャミル)は独り者。まわりが逡巡するなか、いち早く配送請負いの仕事を始める。仕事は思った以上に前途多難襲撃されたり、偽札を掴まされたり。瀟洒なに大きな新品のテレビを運ぶと、そこにいたのは、元労働組合代表のアントニオだった。交換したテレビをもらったが、後で真相がわかり、“おれたちを騙した”と言いテレビを投げつけるアティリオ。

 

 アティリオ

 

その4人目:妻と娘の3人家族のカルロス(ダリオ・グランディネッティ)は15歳から鉄道員として働いてきた、鉄道員ひと筋の男。
仕事も見つからず、ずっと水漏れがしているトイレの配管の修理を始める家は立ち退きを迫られている。マルチ商法の健康食品販売の話を聞きにいくが納得できず。「本物の仕事がしたいだけだ」と外へ出てしまう。そのとき、ゴメスと出会う。

  カルロス

 鉄道員として働いていた頃のカルロス

 妻との関係の修復も・・・・?

 

 その5人目:病気の幼い息子を持つ若いダニエル(パブロ・ラゴ)は子どもの名づけ親カロイエロから職を紹介してもらうため、拳銃の使い方を練習する。幼い息子は喘息だった。仕事がなくなったことで、妻との仲もギクシャクしている。妻が両親の元へ金を借りに行かなければ、子どもの治療費も支払えない状況だったことから、自主退職届けにサインしてしまう。拳銃の訓練は妻には内緒である。

 

 

 ダニエル

 

この5人の他に、最後まで労使交渉を続けた果てに○殺したカルロスの弟アンヘルがいる。アンヘルの息子アベルとカルロスの娘ラウラ(いとこ同志)、そしてラウラのボーイフレンド、ホアンの3人が雨の中を走るシーンからこの映画は始まる。走る意味はラストで分かるようになっている。3人は冒頭でのシーンと列車の荷台話すシーンのみだが、アベルのナレーションと父アンヘルの遺書が全編を通して語られる。アベルの父への想いが伝わってくる。

「父は臆病だったのか?」 「運命を変えられないのか?」というアベルの心情である。それはトイレの配管工事を始めるカルロスと働く母スサーナ(メルセデス・モラーン)のぎくしゃくした夫婦関係のクッションとなっている娘ラウラや幼い頃に機関車に乗ったホアンともに共有されている。

 

   アベル(右)、ラウラ(真ん中)、ホアン(左)

 

希望もなく、出口が見えない状況の中で、ゴメスが犯罪に手を出す。マスコミの注目が集まった。アベルは決心する今夜こそ行動に移すべきだと・・・・。それは、誰もが予測しなかった光景だった。大人たちがやろうとしなかったことを・・・・。

ゴメスのことを聞いたカルロスは、いたたまれず、テレビに出て話し始める。鉄道員にとって、鉄道がなくなることは絶望することだと・・・・・。

そしてアベル、ラウラ、ホアンの3人は実行した。それを見る大人たちの顔、顔、顔。まるで町全体がひとつになって、誇りを取り戻したかのようだ。もちろんこれで、すべてが変るほど現実は甘くない。

だが失業によって奪われた自尊心を取り戻す事、鉄道員として、その家族としての誇りを取り戻すことで“次の出口”へと戦っていく準備が初めて出来るのだ。

列車は走り出した。子どもたち3人の力によって・・・・・。列車の窓に飾られた写真は、アベルの父と唯一ひとり抵抗していたブラウリオの写真です。父が見えなかった出口を息子が探すという構図だそうです。(監督の構想らしい)

 

 ガス欠となったアティリオの車、ガソリンを入れる際、ガソリンの引火によって炎上 そのとき、立ち尽くす彼が見た光景は?

夜の町を列車が走っている姿でした。

アティリオは途中ガソリンがなくなり、ブラウリオに助けを求め、修理工場に行きます。そこで目にしたのは、倒れているブラウリオの姿でした。すでに息はありませんでした

 

犯罪に手を染めたゴメスは包囲されたその近くに警備員となったダニエルが隠れていました。同じ仕事仲間が相反する立場となって遭遇するとは、何とも皮肉な話です。そのゴメス、警官の手によって

 

そんな夜の闇の中を列車は走るのです。闇の向こうに希望の出口を見つけるために・・・・・。

 

大人が出来ないことを子どもたちがやった とにかく行動を起したのだその先はどうなるのか?分からないけど、とにかく何かやらないと前には進まないということだと思う。多くの働く皆さんにぜひご覧いただきたいと思いますね。日本も派遣雇用やアルバイト、日雇い派遣等が増えて、安定した職がなくなりつつあります。そういう状況は日本の裏側、アルゼンチンでも同じです。この映画を観て多くの人が元気をもらえたらいいなと思います。

 

 

監督: ニコラス・トゥオッツォ

アルゼンチンでの映画製作の現状は、アルゼンチン国立映画協会が承認してくれれば、年間80本の映画に対して制作費の50%まで助成があるそうです。問題は配給と上映。スクリーンの80%がハリウッド映画の大作にかけるから、残りの20%がヨーロッパやアジア、アルゼンチン映画の分らしい。制作費で手一杯というのが現状なので、ハリウッドには立ちうち出来ないとのこと。厳しい現実ですよね。

 

 

オフィシャル・サイト
http://www.action-inc.co.jp/salida/
 
 
 
 
 

 

 

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