鑑賞して、随分時間が経過しました。2008年最初に観た作品です。1980年12月8日、ジョン・レノンは、ある男によって殺害されてしまいます。今でも、その一報がラジオから流れたのをしっかり憶えています。突然のレノンの死に世界中に衝撃が走ったことも・・・・・。
そしてジョンとヨーコのこの写真は何と殺害される数時間前に撮影されたものなのです。撮影した写真家はアニー・リー・ボヴィッツという女性。レンズの向こうの人生というサブタイトルで、彼女の人生や家族を描いた映画も鑑賞しましたので、またご紹介したいと思います。
加害者についてはほとんど情報もなく、どんな人物なのか?知らなかった。そして今も刑務所に収監されていることも、初めて知った。彼の名はマーク・デイヴィッド・チャップマン。1955年、アメリカ・テキサス州生まれ。現在52歳、もうまもなく53歳になろうとしている。2004年、10月に仮釈放が考慮されたが、レノン未亡人の強い反対により、拒絶されたそうだ。
右上が本当のチャップマン。
思わず、フィリップ・シーモア・ホフマンだと思いました。でも違いました。その風貌は、太り気味で、何か暗いイメージも感じる。ちょいと病的なところもありそう・・・・。カポーティを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンと何故か?重なって見えるのですが、そう感じるのは私だけ
チャップマンを演じたのは、ジェレッド・レドという素敵な男優さん1971年、アメリカ・ルイジアナ州生まれ。95年「キルトに綴る愛」で映画デビューした方だそうです。
この人がジェレッド・レト。バンドのボーカルとしてミュージシャン活動もしているようです。
それにしてもこの変身!何と体重を30kg増量して顔も特殊メークでふっくらさせたそうです。仕草や話し方も本当のチャップマンの映像を見て研究したというくらい、彼になり切った。撮影期間は本当のチャップマンに徹した程です。ですよね。
ジョンの死から、今年でもう28年目なんですね。時間は瞬く間に過ぎたって感じです。そんなジョンは今も忘れられることなく、永遠に崇拝されたアーティストの一人でしょうね。
1980年12月8日。世界中が深い悲しみに包まれた日、“その男”は一体何を思い、凶行に及んだのか…。本作は、ジョン・レノン殺害犯のチャップマンに200時間ものインタビューを行った、ジャック・ジョーンズ著『ジョン・レノンを殺した男』を基に、犯行に至るまでの彼の心理を描く。チャップマン役は美形俳優のジャレッド・レト。役のために体重を30キロも増やし、地味でさえない男が内に秘める鋭利な感情を見事に表現。共演は“お騒がせアイドル”として話題を集めるリンジー・ローハン。(eo映画・ドラマより)
《あらすじ・解説》
ニューヨークにやってきた青年、マーク・デイヴィッド・チャップマンは空港に降り立つと、ジョン・レノンが居を構えるダコタ・ハウスに直行した。目的は彼を殺害する事。レノンのファンでもあるチャップマンは、LPを手に待ち続ける間、彼は二人の人物と知り合う。一人は熱烈なレノン・ファンのジュード(リンジー・ローハン)、もう一人はパパラッチのポール(ジュダ・フリードランダー)。彼らの前では、ちょっと入れ込み過ぎのファンを装いながら、決行のタイミングを窺っていた…。
ジョン・レノンを殺害した男、マーク・デイヴィッド・チャップマンのニューヨークでの3日間を克明に描く本作。誰もが知らなかった、そして誰もが知りたかったレノン殺害の行動と心理を、綿密な取材のもと映像化した、まさに野心作だ。狂気と正気の狭間を行きかうチャップマンの、苦しみに満ちた思いを吐露するモノローグが観る者の心に突き刺さる。演じるのは『レクイエム・フォー・ドリーム』などで知られるジャレッド・レト。役作りのために体重を30kgも増やしたというから驚く。ちなみに実際のチャップマンは事件後、禁固20年~最高禁固刑終身を言い渡され、現在も刑務所に収監されている。
チャップマンの人間性の問題?
おそらく彼は犯行当時、典型的な境界性パーソナリティ障害だったのではないか?と犯罪心理学者、作田明さんは述べています。
さてそのパーソナリティ障害とはどんなものなのか?かなり複雑です。きっと皆さんの身近のところにも、えぇ?!と思うような行動をとったり、考え方がおかしいという人がいると思うのですが・・・・・。説明は省略しますがここをクリックしてぜひ読んでみてください。
とは言え、たとえチャップマンがそのパーソナリティ障害であったとしても、それだけで、犯罪に至るとは言えません。犯行はいくつかの要因が重なって生じたものではないか?と・・・・・。
その要因
①幼少時の父が母に対して暴力を振るったという体験。
②キリスト教徒として、一時期社会貢献をした業績をあげ、高く評価されたものの、大学入学したのに、上手く適応できず挫折
③一時期輝かしい過去を持っている人ほど、失敗に耐えられず、その絶望感はより深まる。
④成功を求めて、環境をすべて変えてみたが、単に誇大した自我を満足させようとする無謀な試みにしか過ぎず転落を加速するだけの結果
結局彼に残された最後の道は、何か大きなことをして有名な、偉大な存在になることだった。つまりジョン・レノンのような世界的に有名なアーティストを殺害すれば、自らが有名になると考えることも不可解な動機とは言えないだろう。かっては憧れの対象だったジョン・レノンが有名となり、大金持ちとなったことに対して自分の現在は、惨めな存在であるという事実をみつめたとき、一気にジョン・レノンが憎しみの対象と転化したのだろう。これでいくと、殺意の動機は成り立つ。
なるほどこういうことなら、彼の殺意動機もおかしいものではない。彼の生い立ちでの苦しみや、彼の願望が挫折に繋がり、成功した人物への憎しみが生まれたとしても不思議ではないのかも。それにしても憧れが憎しみに変るという心の転化は、やはり、正常な心理ではないように思います。そして殺害という行為も・・・・。
殺害計画も巧妙かもしれませんね。チャップマンはジュードに、熱烈なジョン・レノンファンだとアピール
(追 記)
『チャプター27』(Chapter 27) は、2007年に公開された映画作品。ジョン・レノン暗殺に至るマーク・チャップマンの3日間を映画化。J・P・シェファー監督のデビュー映画。2007年1月、ベルリン映画祭のサンダンス・フィルム・フェスティバルで初公開。Debut Feature Prize賞を獲得した。
近年では、ジョン・レノンを暗殺したマーク・チャップマンの人生を美化するという恐れのため、映画の上映を阻んで、ジョンのファンが抗議する噂もあった[要出典]。
チャップマンの愛読書「ライ麦畑でつかまえて」
チャプター27 公式サイト