この命は、誰かのために。この心は、わたしのために。
東宝シネマズ二条にて鑑賞。レディスデイで1000円。春休みでサービスデイということもあって、多くのお客さんでした。
若手注目俳優3人の主演ということで、気になっていた本作。どんな話かも事前にチェックしておらず。。。
いやあこれまた衝撃的な内容でした。原作はブッカ―賞作家カズオ・イシグロによる同名小説の映画化。フィクションだと分かり、ちょっとほっとした。もしかしたら、実際の話では?なんて、、、。
でもひょっとしたら、これから先こういうことが現実に起こるんじゃないのではと思ったり・・・。それにしてもあまりにも苛酷な現実が物語が進むごとに見えてきます。初めは単なる寄宿舎での3人の恋が軸になったお話では?なんて。もちろんオチはあると思っていたけどね。でもまさかこんな話だとはね。
ドナーを作る施設なんて、ちょっと考えもつかない話。子どもたちのあどけない表情を見ていると、この裏ではとんでもない恐ろしいことが遂行されている。隔離されているために、世間の事は何も知らない子どもたち。この先には抜けられない地獄が待っているとは、想像もできないはず。
恐るべき事実は、この子たちの出生にもあった。ここに集まった子どもたちはどのようにしてここへやって来たのだろうか?詳しいことには触れていないので分からない。
そう皆クローンだったんだね。確かにクローンは実際に遺伝子を使って実験されて作られている。クローン牛の事は耳にするけど。
コピーの元になった人間がいるという情報を聞き、、、、、、。
初めはまったく観ていてもワケ分からなくて。。ルースはコピーだという話で、う~んそれって?とようやく気がつく私。クローンが1980年代にはもう存在?いやあこの物語で行くと、イギリスが1950年代から実施され始めた画期的な医療技術によって、人々の平均寿命が100歳を超えている世界という設定らしい。
キャリー・マリガン扮するキャシーが語り手となって物語は幕を開ける。彼女がトミーが手術台に横たわる姿をガラス越しに見つめている場面。このシーンの意味はラストで分かる。
ストーリー(Movie Walkerより拝借)
緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校ヘールシャム。そこで学ぶキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)の3人は、幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた。しかし、外界と完全に隔絶したこの施設にはいくつもの謎があり、“保護官”と呼ばれる先生のもとで絵や詩の創作に励む子供たちには、帰るべき家がなかった。18歳になって、校外の農場のコテージで共同生活を始める3人。生まれて初めて社会の空気に触れる中、ルースとトミーは恋を育んでいく。そんな2人の傍にいながらも、次第に孤立していくキャシー。複雑に絡み合ったそれぞれの感情が、3人の関係を微妙に変えていく。やがて、彼らはコテージを出て離れ離れになるが、それぞれが逃れようのない過酷な運命をまっとうしようとしていた。やがて再会を果たしたルース、トミーとかけがえのない絆を取り戻したキャシーは、ささやかな夢を手繰り寄せるため、ヘールシャムの秘密を確かめようとする。だが、彼らに残された時間はあまりにも短かった……。
へ―ルシャムの校長には、シャーロット・ランプリング
存在自体、インパクトのある方です。
ル―シ―先生にはサリ―・ホ―キンス そういえばデザートフラワーにも登場していた。
この施設の実態を目の当たりにして、いたたまれなくなり。それが理由で退職してしまう。彼女が皆の前で話したことで、皆の人生の先のことが明らかになる。
10年の時を経てルースやトミーと再会するも、、、、。ルースはすでに2度の臓器提供をしていた。
人の命を救うためにドナーになるのは、良い事だけど、、、、。これはどうなんだろう?臓器を提供するために作られたにしても、たとえクローンであっても生きている人間には変わりないことだ。彼らの命の尊厳は無視されている。いくらそんな過程があるにしても、命を作った大人たちのエゴで、生きる時間を決められるなんてあまりにも酷い。
2人の間に芽生えた愛さえも、この事実が無情に崩壊してしまう。
自らの生きる権利を奪われた2人は猶予という選択肢に希望を求め、、、マダムのところへ足を運ぶのだが、、、。
マダムはかってギヤラリーへの出展のためにアート作品を探していた人である。
無情にも最後の頼みの綱である猶予は、、、、、。その現実と向き合い、苦悩するキャシーとトミー。
もはや自分たちの意思はまったくもって無かった。あるのはその現実を受け入れるしかないということだ。
邦題になっている、わたしを離さないでは、キャシーがトミーからプレゼントされたカセットテープの中の歌詞である。キャシーのトミーへの思いを綴れたものと言える。
作品紹介(goo映画より)
イギリス最高の文学賞・ブッカー賞受賞作家、カズオ・イシグロの同名小説を基に、同じ寄宿学校で育った幼なじみの3人の、瑞々しくもやるせない恋と友情の物語。数々の傑作ミュージックビデオを手掛けてきたマーク・ロマネク監督が、詩情豊かで、かつドラマチックな作品に仕上げた。『17歳の肖像』、『つぐない』でそれぞれオスカーにノミネートされたキャリー・マリガンとキーラ・ナイトレイ、『ソーシャル・ネットワーク』でゴールデン・グローブ賞ノミネートのアンドリュー・ガーフィールドといった若手演技派の共演が話題。痛ましくも美しいこのラブストーリーは、倫理に関する問題やSFの枠を超え、生と死、そして愛をめぐる普遍的な広がりさえ感じる。
撮影風景 左の人がマーク・ロマネク監督
主演の3人は本当に素晴らしい演技でした。トミー役のアンドリュー・ガーフィールの叫びが何ともいえませんでしたね。
メディア | 映画 |
上映時間 | 105分 |
製作国 | イギリス/アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(FOX) |
初公開年月 | 2011/03/26 |
ジャンル | ドラマ/青春/SF |
映倫 | G |
http://www.foxsearchlight.com/neverletmego/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://movies.foxjapan.com/watahana/