男はただ、信じようとした。
好き度:=70点
東宝シネマズ二条にて鑑賞。実は観たい映画にうっかり挙げるのを忘れていた作品です。
この前に「クラウド・アトラス」を観たのですが、ほぼ爆睡。レビュー書くどころかまったく記憶になし。ということでお恥ずかしいながらスル―することに。
今回は久しぶりにフォアキン・フェニックス主演の作品です。中央の男性がフォアキンだとは観るまで分からず、えらい彼は老けてしまったと思いました。何やら最初から酒浸りでどうしょうもない男を演じていました。ちょいとスケベな感じも。でもなかなかこの役がぴたりとハマっているのです。戦争が終わってアメリカに戻るのですが、どんな仕事をしても上手く行かず、、、、。事あるごとにトラブル!怒りを押さえることが出来ず物を投げたり壊したり、暴力沙汰。気性がとても粗い役です。彼のソコハカトナイ感じが顔つきや姿全体にオーラのごとく現れています。その雰囲気が何かこれから起こることを示唆しているかのようです。そのあたりから呑みこまれて行きそうな感じです。
彼はある男性と知り合いとなります。それがフィリップ・シーモア・ホフマン演じるランカスター・ドッドというマスターという男です。
いわゆる新興宗教?の頂点にいる人のようですね。ある船に忍び込んだフォアキン演じるフレディ・クエルを歓迎してくれるのです!
この出会いがフレディのその後の人生を大きく変えることになります、、、、。
エイミー・アダムスがランカスターの妻ペギーで登場。てっきりフォアキンと男女の絡みがあるのかと思っていたらまったくなし。期待していたわけではありませんが。
あらすじ(Moviewalkerより)ネタばれ含みます。未見の方読まないで下さい。
第二次世界大戦末期。海軍勤務のフレディ・クエル(ホアキン・フェニックス)は、ビーチで酒に溺れ憂さ晴らしをしていた。やがて日本の敗北宣言によって太平洋戦争は終結。だが戦時中に作り出した自前のカクテルにハマり、フレディはアルコール依存から抜け出せず、酒を片手にカリフォルニアを放浪しては滞留地で問題を起こす毎日だった。ある日、彼はたまたま目についた婚礼パーティの準備をする船に密航、その船で結婚式を司る男と面会する。その男、“マスター”ことランカスター・ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、フレディのことを咎めるどころか、密航を許し歓迎するという。フレディはこれまで出会ったことのないタイプのキャラクターに興味を持ち、下船後もマスターのそばを離れず、マスターもまた行き場のないフレディを無条件に受け入れ、彼らの絆は急速に深まっていく。マスターは“ザ・コーズ”という団体を率いて力をつけつつあった大物思想家だった。独自の哲学とメソッドによって、悩める人々の心を解放していくという治療を施していたのだ。1950年代。社会は戦後好景気に沸いていたが、その一方では心的外傷に苦しむ帰還兵や神秘的な導きが欲されていた時代であり、“ザ・コーズ”とマスターの支持者は急増していった。フレディにもカウンセリングが繰り返され、自制のきかなかった感情が少しずつコントロールできるようになっていく。マスターはフレディを後継者のように扱い、フレディもまたマスターを完全に信用していた。そんな中、マスターの活動を批判する者も現れるが、彼の右腕となったフレディは、暴力によって口を封じていく。マスターは暴力での解決を望まなかったものの、結果的にはフレディの働きによって教団は守られていた。だが酒癖が悪く暴力的なフレディの存在が“ザ・コーズ”に悪影響を与えると考えるマスターの妻ペギー(エイミー・アダムス)は、マスターにフレディの追放を示唆。フレディにも断酒を迫るが、彼はそう簡単にはアルコール依存から抜けることができなかった。やがてフレディのカウンセリングやセッションもうまくいかなくなり、彼はそのたびに感情を爆発させ、周囲との均衡が保てなくなっていく……。
新興宗教って分からないですけど、ハマるとのめり込んでしまうのでしょうね。酒浸りで生きていく方向が見えなくなっているフレディには、唯一の心のよりどころだったんだと思います。そのあたりがリアルに描かれていると思いました。しかし信じるものは救われるなら良いのですが、彼はマスターを批判する人に対して自制がきかくなり逆に暴力で封じ込めるようなことになります。
禁酒が出来れば少しはましになるようにも思えましたが、なかなかそれには抜けられない事態がどんどん彼を追いつめていくようです。宗教より依存症の方が勝っている状況だともはやどうにもならないのでしょうか。ドロドロした状況が手に取るように感じました。
あまり気分の良い作品ではありませんでしたが、目をくぎ付けにさせられました。
解説(allcinemaより)
「マグノリア」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の鬼才ポール・トーマス・アンダーソン監督が新興宗教を題材に、カリスマ教祖と迷える復員兵の愛憎入り交じる関係性を俳優陣の重厚な演技で描き出した人間ドラマ。出演は「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」のホアキン・フェニックス、「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマン、「魔法にかけられて」のエイミー・アダムス。
メディア | 映画 |
上映時間 | 138分 |
製作国 | アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(ファントム・フィルム) |
初公開年月 | 2013/03/22 |
ジャンル | ドラマ |
映倫 | R15+ |
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