銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

ミヒャエル・ゾーヴァ展

2009-06-29 | アート

描かれた不思議な世界

久しぶりに展覧会へ。今回は、絵本の挿絵で人気の高い作家ミヒャエル・ゾーヴァの展覧会です。ミヒャエル氏の作品はフランス映画「アメリ」の中にも登場しているので、皆さんきっとご存じかと思います。

タイトル「治療中の犬」


アメリの部屋のベッドの壁に飾られている絵がこの作品です。

 


おじさんの電気スタンドもミヒャエル氏の作品。

4年前に日本での初の展覧会が開催され、各地で大きな反響を呼んだそうです。ということで、今回は東京でまず開催され、京都にやって来たのです。

 ありましたよ!会場にこの電気スタンド

彼の作品の魅力は、絵の中にあるドラマ性。そしてユーモアの背後には狂気を含んだ笑い。なるほど・・・。何か独特の世界がありますね。惹かれます

ゾーヴァ曰く、その狂気を隠した笑いというものが、風刺画を描く自分にとって、重要なテーマだそうです。

今回の展覧会では、人気の絵本「ちいさなちいさな王様」、「エスターハージー王子のの冒険」、映画「アメリ」の作品などの代表作から、最新作まで日本初公開の作品を含む130点が紹介されています。

作品を少し紹介します。


Their master`s voice

 

 
TAZ紙創刊17周年記念


“GALAXIS”


“DER KLEINE KONIG”


アトリエのゾーヴァ氏

プロフィール
1945年7月1日、ベルリン生まれ。
ベルリン芸術大学で芸術教育学を専攻。
美術教師を経て、画家、風刺画家、イラストレーターとして活動。
ベルリン在住。1995年、現代を的確に風刺した画家に与えられる、
オルフ・グルブランソン賞を受賞。


 

Michael Sowa HP ミヒャエル・ゾーヴァの公式サイトです。

 

JRKYOTOISETAN 詳細はこちらをご覧ください

 

 

 

 

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剱岳・点の記

2009-06-27 | 映画:シネコン


これは撮影ではない。“行”である。木村監督が称した。何かその意味が分かる気がした。

記憶が薄れない間に書こうと思いました。「トランスフォーマー・リベンジ」は爆睡のため、本当にリベンジしなければならなくなりました。なのでこの映画のレビュー、感想等を先に書きます。
実は私も10年近く前まで登山をしていました。剱岳は残念ながら、登っていませんが、槍岳、奥穂高岳、北岳、御岳山・・・・。3000メートルの山々、そして深田久弥が100名山と称した山など、おそらく20以上の山に出かけたと思います。なので今回本作はどうしても観たいなあと思っていました。

絶景はやはり自分の目で確かめることをお薦めします。スクリーンでは実感できない醍醐味があるからです。とはいっても軽々と行って下さいとも言える話ではありません。リスクのあることですから。

監督が言われるように“行”という言葉は本当にそうだと思います。スタジオでの撮影もあったそうですが、剱岳でのローケションを200日にもわたって行われたことに驚きでした。でもそうしないとその場の雰囲気は出せないでしょうね。木村監督の思いれが手に取るように感じられました。

現在はルートも整備されて、登山する人たちにとっても登りやすくなった剱岳ですが、山を知るものにはやはり難度の高い山の一つです。おそらく訓練しないと駄目だと思います。専門のツアーでも事前に訓練があるはずです。

このお話はまだ剱岳に登頂するルートはもちろんのこと、地図もなく、道を作らなければならかった時代。

時は、1906年(明治39年)、陸軍は国防のため日本地図の完成を急いでいた。そのために参謀本部陸地測量部測量手である柴崎芳太郎浅野忠信 )は最後の空白地点を埋めるため「陸軍の威信にかけて剱岳の初登頂と測量を果たせ」という命令を受ける。
立山連峰に屹立する剱岳はその険しさを前に、多くの優秀な測量部員も太刀打ちできず、未踏のままだった。また創設間もない日本山岳会も、海外から最新の登山道具を取り寄せ、登頂を計画していることもあって、「山岳会に負けてはならぬ」という厳命も受ける。

前任の測量手、古田盛作(役所広司 )を訪ねた柴崎はあらためて剱岳の恐ろしさを知るが、アドバイスとともに、山案内人宇治長次郎香川照之 )を紹介される。


新妻葉津よ(宮崎あおい )の励ましを受けて富山に向かった柴崎は、宇治と合流、調査のために山に入った。


香川照之、今回も味のある役どころでした。浅野忠信、いいですね。こっそりファンなのでした(笑)

その際謎めいた行者の言葉「雪を背負って登り、雪を背負って降りよ」以外、登頂の手掛かりすら掴めず帰京することに。
そして翌1907年、測量本番の登山が始まる。柴崎、宇治に測量夫の生田信松田龍平 )らを加えた総勢7人で、池ノ平山・雄山、奥大日岳、剱御前、別山等周辺の山々の頂に三角点を設置し、いよいよ剱岳に挑む。

ところが剱岳山頂までの道のりは想像を絶するものだった。ガレキだらけの切り立った尾根、雪崩や暴風雨など困難に続く困難。


地上では春でも山の上は冬同然です。


季節はずれの大雪に見舞われる。


道なき道は切り立った絶壁だ。
頂上までの登頂路すら見つけられず・・・・・。
そそり立つ頂を毎日仰ぎ見るばかり(苦)

重さ100Kg超の三角点用の石柱と測量器具を担ぎ、粗末な装備で挑むにはあまりにも絶望的状況。

宇治の卓越した山に対する勘をも疑うなど、柴崎は焦り始めていた。
はやる生田は南壁を登ろうとするが、足を滑らせ転落↓軽い怪我で済んだものの打ちひしがれる7人。

自分たちは本当に剱岳に登り切ることができるのか?命を危険にさらしてまで、測量する意味があるのか?そんな迷いが柴崎の胸中をよぎる。

一方、日本山岳会、小島烏水仲村トオル )らも剱岳に挑んでいたが、測量隊同様、容易には進めない状況だった。

山の尾根でひたすら三角点作りに邁進する柴崎たちを見て、小島たちは自分たちとは違う仕事に対する考え方を思い知る。
我々は登るのが目的だが、貴方たちは登ってからが仕事だ。

立山温泉で治療を行っていた生田は各人のをたずさえ再び測量隊に合流する。
それぞれが大切な人に思いをはせる中、柴崎には古田からの手紙が来ていた。


「人がどう評価しようとも、何のためにそれをしたかが大事です。悔いなくやり遂げることが大事だと思います」

今一度、皆に仲間の結束を訴える柴崎。そびえる頂を見て何度目かの挑戦をする。
柴崎と宇治は、行者の言葉にヒントを見出す。

一歩ずつ進む柴崎たちは無事に頂上に到達して、地図作りの任務をおえることが出来るのか・・・・?

今は気軽に登山が出来る時代となった。彼のおかげで道も作られた。感謝ですね。

 
撮影風景です。いやあ半端じゃあないよね。カメラ機材を運ぶだけでも容易じゃないです。

悪天候の中で撮影しながら12時間かけてスタッフが歩き続けたり、行者が祈りを捧げるシーンも周りに隠れるところもな吹きっさらし。寒さの中2時間の撮影だった。

キャスト・スタッフ、皆さん、苛酷な状況の中で大変。

実体験だからこそ、ここまでの素晴らしい作品が完成したのだと思いました。登山するだけでもかなりの精神力、持久力がいるのに。撮影する。演じるという行為をやるとはまさに究極の映画です。

 

監督木村大作  

山岳測量シーンは、「これは撮影ではなく苦行である」「厳しい中にしか美しさはない」を基本方針とし、登場人物の目線や感覚を大切にするため、空撮CG処理に頼らず、多賀谷治をはじめとする立山ガイド協会会員の支援のもと、体感温度が氷点下40度にも達する立山連峰や剱岳で山小屋やテントに泊まりこみながら、明治の測量官が登った山に実際に登って当時の足跡を再現するなど、長期間をかけ丁寧に撮影を行った。

プレロケでは監督とスタッフが立山ガイドの支援を受け、ロングショット撮影を主とする実景撮影を実施した。

原作:新田次郎 『劔岳 点の記』(文春文庫刊)

メディア 映画
上映時間 139分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(東映)
初公開年月 2009/06/20
ジャンル ドラマ
誰かが行かねば、
道はできない。
オフィシャル・サイト
http://www.tsurugidake.jp/


 

 

 

 

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愛を読むひと◆◇The Reader

2009-06-24 | 映画:シネコン


わずか1ページで終わった恋が、永遠の長編になるーーーーー。

6月20日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。ケイト・ウィンスレットが本作でアカデミー賞主演女優賞をゲットした。いやあ彼女が立て続けに賞を受賞しているので、驚きです。勝利の女神が彼女に取り付いたのかもしれませんね。

そして本作は全世界500万人が涙したベストセラー小説「朗読者」の映画化だそうです。宣伝はもちろん、ケイトのオスカー受賞も効果してか?シアターにもお客さんが結構入ってました。話題になれば、やっぱり気になる。少しでも早く観たいという気持ちにもなる。

それでどうだったか?う~ん・・・・・。期待ほど感動なかったというのが正直なところです。期待しすぎたのか?原作を読んでいないので、比べることはできませんが。でもベストセラー小説だしね。何なんだろう?

ということでSTORYは・・・・。

マイケル・バーグ(レイフ・ファインズ)の回想から始まる。

時代は1958年のドイツ

偶然の出逢い~~それは運命と呼ぶ!

15歳のマイケル(デヴィッド・クロス)は何のためらいもなく、ズドンと恋に落ちた。何と相手は21歳年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)、学校の帰り道で具合が悪くなったところを助けてくれた人だ。

3ヶ月後、猩紅熱から回復したマイケルはお礼のを持って一人暮らしのハンナを訪ねる。そっけない口調で愛想笑いも一切しないハンナ。でも大人の女性の成熟した魅力に惹きつけられるマイケル。翌日もまたハンナのところへ。

彼女に命じられて石炭を運んだマイケルは煤だらけになり、言われるまま風呂に入る。バスタブから出る彼を、大きなタオルで抱きしめた。そのハンナは裸だった。

名作の朗読~愛し合う前の儀式

その日をさかいに学校が終わると、ハンナの部屋へと走るマイケル。ハンナもその時間に路面電車の車掌に仕事を終えて帰って来る。最初のうちは二人とも言葉を交わすことなく激しく求めあった。やがてハンナがマイケルに「本を読んで聞かせて」と頼む。その日から、マイケルは彼女の朗読者になる。

「オデュッセイア」、「チェタレイ夫人の恋人」など・・・・。ハンナを喜ばせるために、一心に読み続けた。

ある日マイケルは、一泊自転車旅行を提案する。ガイドブックを調べてコースを考え、幼いころから集めた切手を売り旅行資金を作る。そして二人は出発した!

明るく輝く太陽の下、人影のない川で泳ぐハンナに見とれながら詩を綴るマイケルは満たされた幸福を味わっていた。ハンナもまたレストランのメニュー選びから旅の道順まで全てマイケルに任せ、いつも楽しげに笑っていた。

突然の別れ~何も言わずに消えたハンナ

その日はマイケルの誕生日だった。クラスの友人たちが、パーティを企画してくれたことに少し心揺れたが、やはりいつものようにハンナの部屋を訪ねた。ところが、なぜかハンナの機嫌は最悪だった。
朗読をさえぎり、「ほっといて!」と声を荒げる。言い争いのなか、ひとしきり感情を爆発させたハンナ。今度は慈しむように丁寧にマイケルの体を洗い、いつも以上に心をこめて彼を愛した。ハンナの様子がいつもと違うのは明らかだった。

次にマイケルが部屋を訪ねたときは、中は空っぽで、彼女の姿はもちろん、書置き一つなかった。なぜ、ハンナは突然消えてしまったのか?
悲しみに打ちひしがれるマイケルに、思い当たる理由は何もなかった。

時は流れ1966年

衝撃の再会~暴かれる、ハンナの過去

マイケルはハイデルベルグ大学の法科に通い、ロール教授 (ブルーノ・ガンツ)の特別ゼミを受講していた。
実際の裁判を傍聴するという授業にマイケルは向かう。そしてその向かった法廷では衝撃的な再会が待ち受けていた。
「ハンナ・シュミッツ・・・・・。」、裁判長の呼び掛けに答えたのは、この8年間、一日たりとも忘れたことのない声だった。
ハンナは、戦争中に犯した罪を問われ、裁かれている女性たちの一人だった。

彼女たちはナチ親衛隊の看主として収容所で働いていた。ハンナは命をかえても、ある秘密だけは絶対隠し通そうとしていた。そのために不利な証言を認め、囚人たちを死に至らしめた責任を一人で背負ってしまうことに。

裁判に通ううちに、彼女の“秘密”に気づいたマイケルは面会を申し込むが、直前で勇気をなくしてしまう。マイケルは、無期懲役の判決を言い渡されるハンナを、涙で曇った瞳で見つめることしかできなかった。

1976年

最後の朗読者~ある愛のかたち

冒頭の1976年、弁護士になったマイケルは結婚と離婚を経験し、幼い娘とも別れて再び独りで生きていた。マイケルは、ハンナへの想いという答えの出ない問題を抱え続けていた。
初めて彼女と会って20年近くの歳月が過ぎようとしていた。マイケルは、ハンナが心と体に残した傷跡に向き合うため、そしてハンナ自身の無数の傷を癒すため、ある決意をする。

思い出の「オデュッセイア」、「ドクトルジバゴ」、「犬を連れた奥さん」等・・・・・。テープレコーダのマイクに向かって、初めは淡々と、やがて生き生きと何冊もも朗読を吹き込み、ハンナが服役する刑務所にテープを送り続ける。


マイケルは最後の朗読者になる。
それがマイケルのたどりついた答えだった。

1980年

テープを送り続けるマイケル。
彼の想いを受け取り続けるハンナ。
ハンナは、マイケルにお礼のを書くために、字を覚えることに。

ネタばれです。彼女は字が読めなかったし、書けなかった。
ちょっと追記:教育も受けず、文字も読めないまま成人した彼女は生きて行くために与えられた仕事をして、裁判で自分のしたことを悪だと指摘されている。無知だったことの罪。教育を受けられなかった本人が背負わなければならないのか?という理不尽な事実があるわけだが。ハンナの隠された秘密を述べることで、何とか彼女を救うことはできただろうが・・・・。いやそうではないのかもしれない。それは彼女の誇りを崩すという大きな問題になるかもしれなかった。マイケルはその選択で迷ったあげく、結果彼女を助ける勇気を持つことはできなかったんですね。
残念ながら、鑑賞した時はこの意味が分からず(汗)結局詳細を後で調べて分かったようなわけです。

一生懸命覚えるんですね。

再会する時が来ます。いよいよ社会へ復帰。マイケルはそのお手伝いをすることに。やっと会います。

観終わって感じたこと。

ベストセラーになるのは何となくわかるのですが、何故か?感動するところまではいきませんでした。ぐ~んときたのは15歳のマイケルの一途さかな。大人になったらレイフ・ファインズに変わってしまいどうも配役の流れが今一つしっくりいかないのもありましたが。でもそんなに上手く繋げるのは難しい話で。それでです。何でハンナ演じるケイトはそのまま老け役もやるのか?そして20年後、そのハンナと大人になったレイフの再会場面でも何か凄く違和感を感じました。まるでまったく違う人と会っているような気がしました。そのうえドイツのお話なのに何故か?英語というのもこれまたしっくりしないような。と色々と難癖をつけてごめんなさい


 

ところで製作には今は亡きシドニー・ポラック氏とアンソニー・ミンゲラ氏が関わっていたそうで、結局は作品の完成を待たずお二人とも逝ってしまわれた。残念です。

俳優・監督・製作と大活躍したシドニー・ポラック

 ドイツ人作家ベルンハルト・シュリンクの世界的ベストセラー『朗読者』を、「リトル・ダンサー」「めぐりあう時間たち」のスティーヴン・ダルドリー監督はじめ英国人スタッフ・キャストが中心となって映画化した切なく官能的な愛の物語。第二次世界大戦後のドイツを舞台に、ひ弱な一人の青年とはるかに年の離れた謎めいた女性が繰り広げる禁断の愛と、やがてふたりが受け入れる悲壮な運命の行方を綴る。主演は本作でみごとアカデミー賞に輝いた「タイタニック」「リトル・チルドレン」のケイト・ウィンスレット、共演にレイフ・ファインズと新鋭デヴィッド・クロス。(allcinemaより抜粋)


 スティーヴン・ダルドリー監督

 

 
レイフ・ファインズはスキンヘッドに近いヘアスタイルです。

メディア 映画
上映時間 124分
製作国 アメリカ/ドイツ
公開情報 劇場公開(ショウゲート)
初公開年月 2009/06/19
ジャンル ドラマ/ロマンス/戦争
映倫 PG-12
愛は本に託された

ベッドシーンは結構凄かったかな。う~ん何か物足りないような気がする。

オフィシャル・サイト
http://www.aiyomu.com/

 

 

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THE WRESTLER 《レスラー》

2009-06-22 | 映画:ミニシアター

ミッキー・ローク、復活!

人生は過酷である、ゆえに美しい。

6月19日、京都シネマにて鑑賞。ミッキー・ロークの久々の主演作品「レスラー」です。アメリカ本国での配給さえ決まっていなかった無名の低予算映画だったそうで。それが、2008年のヴェネチア国際映画祭で大旋風を起こしたのがというので驚きです。そしてその主演の中年レスラーを演じたのがあのミッキー・ローク。1970年代後半から80年代のミッキーは数々の作品に出演して、人気俳優として活躍していました。「エンゼル・ハート」が結構好きな作品でしたね。90年代以降、ばったりと彼の姿を見なくなり、一時はボクサーとして活動するということもあったミッキー。その活動で顔にダメージを負い、俳優としての活動の場を失ってしまっていたのはショックだったけれど・・・・。

いつかまたスクリーンに登場して活躍することを願っていた私は、2005年の「シン・シティ」で久しぶりに姿を拝見したときはすっごく感動したまた彼の姿を見られると思った。そしてついに本作でミッキー・ロークは帰り咲くことに成功。

物語は、まるでミッキーの人生と重なるようだ。かって栄光の頂点にいたプロレスラーランディ・ロビンソン(ミッキー・ローク) は20年経った今は、ニュージャージー周辺のどさ廻りの興業に出場し、糊口をしのぐ日々を送っている。住まいは、トレーラーハウス。その家賃を払うのもやっと。家賃が滞納すると締め出しをくうこともあった。そのため近所のスーパーでアルバイトしなければならなかった。そんなランディはいまさら、別の生き方をする気慨もゆとりさえも残されていなかった。
ところが、そんな考えを改めないといけない事態がやって来た

それは試合の後に起きた心臓発作。ランディは医師から「もう一度リングに上がったら命の保証はない」と引退勧告されたのだ。
退院後、トレーラーハウスに戻った彼は、今の自分には行く場所もなければ、頼る人もいないことに気づく。

孤独をまぎらわそうと場末のクラブに訪れたランディはなじみのストリッパーキャシディ(マリサ・トメイ)に発作で倒れたことを打ち明ける。

「独りはつらくて、君と話したくなった」すがりつくようなまなざしで訴えるランディに、キャシディは「家族に連絡を」とすすめる。
実はランディにはひとり娘ステファニーがいた。親らしいことをしてこなかったせいで心はとっくに通わなくなってるが、唯一の身内には変わりない。迷ったあげく彼は、キャシディの助言に従って、娘に会いにいくことを決意した。

案の定、ステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)は突然訪ねてきた父に、あからさまに嫌悪を示した。心臓発作の話も彼女のさらなる怒りを誘発するだけ。「私の知ったことじゃないわ」と憎しみを露わにして去っていく。その娘の背中を、ランディはただ黙って見送るしかなかった。

その顛末を聞き、ランディを不憫に思ったキャシディはステファニーへのプレゼントを買いにいくというランディに自分もつきあうと申し出る。
待ち合わせの土曜日。素顔のキャシディを見て、ときめくランディ。古着屋でプレゼントを買った後にパブでビールを飲んだふたりは、はずみでKISSを交わす。


その日から、ランディは不器用な足取りで第二の人生を歩み始める。
フルタイムでの仕事はスーパーの惣菜売り場。接客は得意ではなかったが、割り切って何とかこなす。キャップを被り、エプロン姿のランディ。彼なりに何とか生きていくための方法だったのだろうね。複雑な心境だったに違いない。
 

プレゼントを持って再び娘ステファニーのもとに訪れるランディ。そんな彼の姿に、娘は心を開き、彼の謝罪を受け入れてくれた。

上手くいくようにみえたランディの第二の人生は、あることがきっかけでまた平穏な道から外れていくことに・・・・。
それはお互いに好意があると思っていたキャシディから、個人的な交際を断られたこと。その上に彼女との口論になり、行きずりの女性と一夜を過ごしてしまう。そのことはステファニーとの約束をもすっぽかすというはめに。再び裏切られた娘ステファニーは、ランディに絶縁宣言!
さらに追い打ちをかけたのは、スーパーの客に嘲笑だ。そのことでとうとうランディはキレて仕事を放り出してしまう。

怒りと情けなさが腹の底から突き上げてくるランディはこのとき悟った。たとえ命を落とす危険にさらされても、自分はプロレスラーのザ・ラムとして生きるしかできないのだと。

カムバックを決意したランディは、プロモーターに連絡。引退を撤回して、全盛期の宿敵アヤトラーとの20年ぶりの再試合を組み直して欲しいと申し出る。

再試合の日、髪を染め直し、日焼けスプレーで肌を黒くする。もちろん体も鍛えての再出発だ。いよいよウィルミントンの試合場に出かけていくランディ。


キャシディはそんな彼を愛していることに気づくと、ウィルミントンの試合場まで車を飛ばし、試合直前のランディを引きとめようとするも、時すでに遅し、ファンの声援と喝采を耳にしたランディに彼女の言葉は届かなかった。


「あそこが俺の居場所だ」

そう言い放ち、ランディは躍り出て行く。自分が最も輝き、最も誇り高くいられるリングの上だーーーー!


観客を楽しませるパフォーマンスも半端じゃない。剃刀で自分の顔を傷つけて、まるで相手に怪我を負わされたように見せる。体を張ってとことんやる凄さはまさに本当のレスラーなのだ。

ラストのシーンが見事である。


ミッキー・ローク 「俺は12年間、孤独だった。すべてを失ってしまったからね。」とかっての自分を振り返った。しかし、そんな彼の不遇時代を支えた人たちもたくさんいる。

この映画を監督したダーレン・アロノフスキーも彼を支えた唯一の人。実は当初、制作会社はこの映画の主演にニコラス・ケイジを起用しようとしていたが、監督のダーレン・アロノフスキーはミッキー・ロークを主演に据えることを強硬に主張し譲らなかった。その影響で制作費は数億円にまで削られ、公開日に封切りした映画館はたった4館にすぎなかった。(ウィキぺディアより)

監督の熱い志に応えたミッキーは「自分のすべてをこの映画に賭ける」と誓った。3か月の猛特訓を重ねてプロレスの技を取得。“肉体の限界”という悲哀を背負った主人公に自身の波乱万丈な人生を投影させた。その魂揺さぶる演技と劇中のパフォーマンスでガンガン感じますね。

そして主題歌を手がけたのは、ミッキーと親交のあったブルース・スプリングスティーン。ミッキーの手紙に応じてノーギャラで曲を提供したのです。その曲がゴールデン・グローブ賞の主題歌賞に輝いたことも本作をめぐる大きな話題である。


キャシディ役(マリサ・トメイ)ダンサー役がぴったりでした。


ステファニー役(エヴァン・レイチェル・ウッド
“ダイアナの選択”での演技も良かった。

レスラーにまつわる事色々・・・・・。 

劇中、イランの旗でミッキー・ローク演じるプロレスラーの首をしめようとする「ジ・アヤトラー(イスラム教シーア派の指導者の尊称)」というレスラーが登場することから、イラン政府の高官が米国に抗議する事態となりイラン国内では上映禁止となった。

映画公開を記念して、WWEではクリス・ジェリコによるミッキー・ローク批判(アングル)に端を発する、ジェリコ対レジェンド(リック・フレアーリッキー・スティムボートジミー・スヌーカロディ・パイパー)の抗争ストーリーが組まれ、ロークもジェリコと番組内で毒舌戦を展開。2009年4月のレッスルマニア25ではジェリコの挑発に乗ってロークはリングに上がり、ジェリコをパンチでKOした。(ウィキぺディアより)

ミッキー・ロークが、かつて栄光のスポットライトを浴びた人気プロレスラーの孤独な後半生を、自らの波瀾万丈の俳優人生と重ね合わせて哀愁いっぱいに熱演し賞賛された感動の人生ドラマ。共演にマリサ・トメイ、エヴァン・レイチェル・ウッド。監督は「レクイエム・フォー・ドリーム」「ファウンテン 永遠につづく愛」のダーレン・アロノフスキー。(allcinemaより抜粋)

どうでもいい話何と私はミッキー・ロークと同じ誕生日です。年はちょこっとミッキーの方が上ですが・・・。そんなことを言うと年ばればれですが

メディア 映画
上映時間 109分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(日活)
初公開年月 2009/06/13
ジャンル ドラマ
映倫 R-15
オフィシャル・サイト
http://www.foxsearchlight.com/thewrestler/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.wrestler.jp/



 

 

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ブッシュ☆☆☆☆

2009-06-19 | 映画:ミニシアター

世界でいちばん有名な大統領は、世界でいちばん寂しい人でいた。


ブッシュが、パパを「パピー!」と呼んでいたのが印象的だ。

お分かりのとおり、ジョシュ・ブローリンジョージ・W・ブッシュ 大統領はあまり似ていません。でも彼はブッシュに近限りなく近づいているって感じ?なんです。そのことをオリバー・ストーン監督はこう話しています。「そっくりさん」ではなく、「似ている感じ」を目指したのだと。特にジョシュにはいくつかの補助具身につけ、似させたという。なるほどそうなんや。その微妙さがいいのかもしれないなと・・・・・。

ということで、このところ、色々な映画で活躍中のジョシュ・ブローリンが今度はあのブッシュ大統領になってスクリーンに登場しました。

ブッシュ政権は、色々な課題を残して終わりました。そしてオバマ政権にチェンジされたわけですが。そんなオバマ大統領に重くのしかかっているのは、ブッシュ大統領が残した大赤字をこの大不況克服するために公共事業の投資を強いられているという厳しい現状。果たしてアメリカはオバマさんによってこの不幸な現状を乗り越えられるのでしょうか?

さてさてアメリカに不幸をもたらしたと言われるジョージ・W・ブッシュの物語がオリバー・ストーン監督が描かれた作品「ブッシュ」についてのレビューを紹介しながら、ブッシュさんの人物像に迫っていきたいと思います。

私もこの作品を観るまでは、ブッシュさんのことはあまり知りませんでした。お父さんが第41代アメリカ大統領ジョージ・H・W・ブッシュだったということは皆さんもご存じだと思います。何と合衆国史上二組しかいない「父子大統領」だったんですね。驚きですよね。

歴史上、親子で大統領に就いたというのは本当に稀なことなのだということも何か凄いんですが・・・・。彼の足跡を見ると、更に驚きます。大統領になるような優秀な人だったわけでもありません。父と同じ名門エール大学に入学していますが、どうもレガシー・ティップという特権で入っているらしく。その後もそのような特権やパパ・ブッシュのコネでハーバード大学入学したり、徴兵逃れをするという、呆れた過去があるようです。仕事も長続きしなかったようで、結局政治家の道を志すことになったようですが。やはりパパ・ブッシュの影響力の傘の下でぬくぬく生きて来たというのが、彼の本来の姿?のようです。しかし彼はパパ・ブッシュの頭を悩ます子供でもありました。与えられた仕事も満足にやり遂げられず、40歳になるまで、酒とパーティに明け暮れるダメ息子。名門一家に居場所がなく、大好きな野球場が唯一の安らぎの場所だったようで、親子関係も上手くいってなかったのも本作で語られています。


STORY

「お前にはあと何回チャンスをやればいいんだ? 優秀な弟を見習え!」

ジョージ・H・W・ブッシュジェームズ・クロムウェル

数々の政治家を輩出し、アメリカを代表する名門ブッシュ家。その跡継ぎジョージ・W・ブッシュ(ジョシュ・ブローリン)を、人はW(テキサス訛りで「ダブヤ」)と呼ぶ。
 Wの行く手には、いつもパパ・ブッシュの影があった。66年、Wはパパも卒業した名門エール大に入学。アメフトの応援でハメをはずして逮捕されるも、パパの力で釈放。卒業後はパパに仕事をあてがわれるも、根気がなく職を転々。口説いた女に妊娠話も浮上し、パパが揉み消すはめに。「お前は何様だ! ケネディか? お前はブッシュ家の人間だ。それらしくしろ!」
次男に目をかけるパパにとって、Wは家名を汚す不肖の息子だった。Wは「本当にやりたいのは野球の仕事だ」とパパに訴える。野球場のセンターフィールドが唯一、彼の心安らぐ場所だった。「お前にはガッカリさせられっぱなしだ」とパパは失望を隠さない。  

「いつかはボクも、パパに認められたい…」

72年、ままならないWは酒に溺れはじめた。ある夜、酔ったWはパパと言い合いになる。「Mr. パーフェクト」とパパに厭味を言うWに対して、パパはハーバード大ビジネススクールのWの合格も自分のコネだったと言いつのった。
77年、そんなWも遂に「家業」を継ぐことを決意。地元テキサスの下院議員選で共和党候補を目指す。ある日、Wはパーティでローラ(エリザベス・バンクス)と出会った。図書館司書の彼女が気に入り、当選したら教育アドバイザーになって欲しいと口説いた。が、選挙戦は散々。
 86年、Wの40歳の誕生パーティでパパから祝いの電話が入る。86年の大統領選を目指すパパは、「選挙戦を手伝ってくれ」と声をかけてきた。どうせ弟の代わりだろうとも思うが、歓びがわいてきた。

 ローラ・ブッシュ

バーバラ・ブッシュエレン・バースティン

「本当はパパなんて負けてしまえば良かったんだ…」

88年、Wの策略がハマってパパは大統領選に勝利。でも、Wは一緒に祝う気になれない。「ボクは父の陰にいるだけ。大統領の子供なんて誰も覚えていないんだ」と妻ローラに愚痴を言う。「本当はパパなんて、負けてしまえばよかったんだ…」
4年後、パパの任期は1期で終わり、ビル・クリントンが次期大統領に。「湾岸戦争でフセインに止めを刺していたら、パパは2期目も勝てたのに!」 父を力づけ、弟よりも自分を認めさせたい。フロリダ州知事に立候補する弟と張り合うように、Wはテキサス州知事選に立候補。Wは当選したが、パパは落選した弟を残念がるばかり。「一体いつになったら、ボクを見てくれる?」

「お前が大統領になるのだ――」

そんなあるとき、Wは神の預言を聞いたのだった。「本当は、僕は大統領選に名乗りを挙げたくはない。でも、天の啓示を受けた。お前が、大統領になるのだ――と。アメリカはボクを必要としている」。

そして遂にWは第43代大統領になる。だが世界の運命を変えた9.11同時多発テロが、Wとパパとの関係をも永久に変えてしまうのだった…。


ジョージ・W・ブッシュ大統領を支えるホワイトハウスの面々。輝いておりますね
ブッシュさん

2002年の大統領執務室でに集まった側近との「悪の枢軸」会議から、「イラク開戦」までの政治の舞台裏が縦糸に、66年の名門エール大学友愛会の入会試練から、「神の予言」として大統領選出馬を決意するまでのWの精神的形成に至る過去を横糸に綾なされている。何か軽い乗りでの会議がちょっとどうなの?と思うところも。「悪の枢軸」という言葉を発案した大統領補佐官、こんなのありと怒りとバカげていると感じてしまう。

さて皆さんもテレビで時々登場して見憶えあると思うブッシュさんの側近の方々ですが、以下その主な方たちです。似ているか?どうかチェックしてね。

この方がその大統領補佐官、デヴィッド・フラム氏。
コリン・ハンクス 

副大統領 ディック・チェイニー 氏(詳細は名前をクリック)
リチャード・ドレイファス おぉ~懐かしい。映画「ジョーズ」にも出てました。

国防長官 ドナルド・ラムズフェルド 氏(詳細は名前をクリック)
スコット・グレン

国務長官コリン・パウエル 黒人初の国務長官ジェフリー・ライト

国家安全保障問題担当大統領補佐官コンドリーザ・ライス
タンディ・ニュートン

次席補佐官 カール・ローヴトビー・ジョーンズ) 

国防副長官 ポール・ウォルフォウィッツデニス・ボウトシカリス

 CIA長官 ジョージ・J・テネット
ブルース・マッギル

当初、ブッシュ役にはクリスチャン・ベイルが配役されていた。撮影は2008年5月12日ルイジアナ州、シュリーブポートから始まり、10月17日に全米公開された。


オフィシャル・サイトhttp://www.bush-movie.jp/ 

 

 

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TERMINATOR SALVATION★ターミネーター4

2009-06-16 | 映画:シネコン

どこで誰が、未来を変えたのか?

ターミネーターといえば、やはり思いだすのはシュワちゃんですよね。そのシュワちゃんもカリフォルニア州の知事なってしまい、俳優業を休止状態です。シュワちゃんの当たり役だったこのシリーズも、2003年の『T3』公開直後に知事に就任なったものものなので、続行されるのかどうか?危ぶまれていたようです。

そんなターミネーターが新生「ターミネーター4」として再びスクリーンに戻って来た!何でも、『T3』製作総指揮のモリッツ・ボーマンがハルシオン・カンパニーと提携し、2007年にシリーズの権利を獲得。ファンの間でも続編の製作が確実視されるようになったようで、やはり皆さんは嬉しいし待ちに待っていたことでしょうね。
シリーズを通じてターミネーター(T-800T-850)役を演じてきたシュワルツェネッガーのイメージはかなり大きい。あの風貌は本当にロボットのようだ。無表情な中に狂喜さえ感じるものがある。あれこそ本物のターミネーターだったのにね。(残念です)

それだけに今回はどんな風になっているのか、ドキドキもの!

本作ははじめて明かされる「審判の日」の後の「未来の世界」が舞台。人間と機械の壮絶な闘いが描かれている。大人になったジョン・コナーにはクリスチャン・ベール。本作のキーパーソンとなるマーカス・ライト役にサム・ワーシントン
そして最初のシリーズでマイケル・ビーンが演じた青年カイル・リース役には アントン・イェルチンが抜擢された。この方、「スター・トレック」でもパヴェル・チェコフ役を演じていた人です。確か英語ではなく、ロシア語だったような?声も特徴あって、すぐに分かった。


マイケル・ビーンとは随分イメージが違いますが。

 

さてお話ですが。

冒頭から登場するのは、 セレーナ・コーガンという科学者を演じる ヘレナ・ボナム・カーターです。2003年ガンを宣告され余命いくばくもないセレーナは、ある死刑囚の男に「刑執行後にあなたの遺体を提供してほしい」と依頼する。科学の発展のためと懇願するセレーナに死刑囚は同意、そして刑は執行された…。(死刑囚はあのマーカス・ライトのようです。)セレーナは抗がん剤のせいで髪の毛が抜けていました。

2018地球上のあらゆる都市が、人類に反旗を翻した超高性能コンピューター「スカイネット」による核攻撃を受けた「審判の日(ジャッジメント・デイ)」後の荒廃した世界。スカイネット率いる機械軍は、いよいよ人類に対する最後の総攻撃を仕掛けようとしていた。「審判の日」を生き延び、レジスタンスの部隊長となったジョン・コナーは機械軍との抗戦のさなか、スカイネットが人々を生け捕りにし、生体細胞を複製しようとしている事実を掴む。スカイネットはついに、民間潜入型ターミネーター「T-800」の開発に着手していたのだ。同じ頃レジスタンス本部では、アシュダウン将軍ら司令部がスカイネット総攻撃の計画を企てていた。ジョンはその目的がスカイネットが秘密裏に遂行しようとしている「暗殺リスト」の阻止にあると知るが、そのリストには自分の名前、そして最重要ターゲットとして「カイル・リース」の名前があったのだった。

一方、ロサンゼルス郊外の荒れ野原でひとりの男が目を覚ました。男の名はマーカス・ライト。目を覚ます前の記憶を一切を失っていたマーカスは荒れ果てた光景に驚きを隠せない。と、そこへ汎用殺人型ターミネーター「T-600」が来襲。マーカスは窮地に陥るが、その場に居合わせた孤児の少年に命を救われる。同じく孤児で口が利けない少女スターと共に、戦禍を生き延びてきた少年。彼こそが、スカイネットの最重要ターゲットにして、後にジョンの父となるカイル・リースだった。彼らと行動を共にすることになったマーカスは、ある晩短波ラジオでレジスタンスの決起放送を耳にする。「君たちは決して孤独ではない」。そう呼びかけているのは、密かに人々の間で「救世主」として伝説となっているジョンの声だった。カイルに抵抗軍のことを聞いたマーカスは、カイルとスターを連れてジョンの元へと急ぐ。

「長い闘いで愛する者を失ったが、まだ仲間はいる。生き延びろ。君たちは、みんな未来にとって重要な存在なんだ」 ジョン・コナー

このメッセージに感銘を受けたカイルだった。


ジョン・コナーの父、カイルと運命的出会いをするマーカス。

しかし、3人は道中で人類捕獲型ターミネーター「ハーヴェスター」と追跡型ターミネーター「モトターミネーター」の襲撃に遭遇。必死の逃走もむなしく、カイルとスターはハーヴェスターによって捕らえられてしまう。マーカスは2人を救出すべく、偶然出会ったレジスタンスの戦闘機操縦士ブレア・ウィリアムズに助けを求めるが、レジスタンス本部へ向かう途中で地雷を踏んでしまい、自身も重傷を負うことに。手当をしてくれたのはジョンの妻ケイト(ブライス・ダラス・ハワード)は驚きに息をのむ!


あくまでもブレアは刺客ではないと訴えるも・・・・・。

それは、マーカス自身の体が脳と心臓以外すべて機械の体と化していたことだ。その事実を知り愕然とするマーカス。元死刑囚だったマーカスは、医学のために献体することを約束したはず。誰が何のために自分を甦らせたのか?一方ジョンはマーカスが、スカイネットが送り込んだ刺客と思いこみ彼を拘束してしまうが、カイルが捕らえられたことを知り、マーカスの助けを得るべきか否か苦悩する。機械を制御するシグナルの効き目を確かめたジョンは、司令官から明日の総攻撃を命じられていた。捕虜の救出願いは却下され、このままではカイルを見殺しにしてしまうことになる。

「司令部は、マシーンのように冷徹に闘えという。我々は人間だ。マシーンと同じなら勝利になんの意味がある!」

戦士たちに、攻撃命令に従わないでくれと呼びかけるジョン。基地から逃げるマーカスは、追いかけるジョンに、スカイネット中枢部への侵入を手引きすると約束。自分を人間だと信じるマーカスの怒りと悲しみに満ちた目を見て、ジョンはマーカスの脱出を見逃す。

マーカスは過去を知るために、ジョンは未来を取り戻すために、スカイネットへ向かうーーー。

果たして、ジョンはスカイネットに勝利することができるのか? マーカスの謎に満ちた正体とは? そして、ジョンはまだ見ぬ父カイルと出会うことができるのだろうか? 戦争の火蓋は切って落とされた…。(一部ウィキぺディアの文章を抜粋)

父カイルと会ったジョン・コナー
でも違和感あるよね。少年が自分の父親だなんて・・・・・。

ところでT-800が全裸で現れたのには驚きました。シュワちゃん登場だと思った方も多いと思いますが、実は奇しくもシュワルツェネッガーと同じオーストリア生まれで同じくボディビルダー出身のローランド・キッキンガーが登場だったそうで。しかし最終的には顔がデジタル合成で若い頃のシュワルツェネッガーに差し替えられているようです。

ジョン・コナー
クリスチャン・ベイル

マーカス・ライト
サム・ワーシントン ハリウッドでは実績のないサムをクリスチャン・ベイルが推薦!


ケイト・コナー役にはロン・ハワードの娘さんブライス・ダラス・ハワード


ブレア・ウィリアムズ(ムーン・ブラッドグッド


バーンズ(コモン

 
ヴァージニア(ジェーン・アレクサンダー


スター(ジェイダグレイス

 

 


マシーンの脅威!

監督: McG(マックジー)

※サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンは声だけの出演でした。

公式サイト(米)

 

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ザ・スピリット★☆

2009-06-13 | 映画:シネコン


最大の敵こそ、真実。

6月12日、MOVX京都にて鑑賞。このところ鑑賞した作品があまり良くない。この作品も今一評判はそれほど良くなそうな話でした。
ところで、フランク・ミラーってコミックライター兼アーティストであり、監督なんですね。知らなかった(汗)
彼の作品は、「シン・シティ」に「300」を鑑賞しています。独特の映像でインパクトのある作品というイメージだったのですが。今回はどちらかと言えば、こじんまりとまとまったという感じがしたり。実はエグさやグロさがあるのかなんてちょっと期待していたんですが。まったくそんな感じではありませんでした。

「シン・シティ」や「300」よりもっと新次元へと加速させた?確かにそうかもしれません。(ちょっと微妙)ほぼモノクロの色彩に1、点だけ赤の色がうごめいています。この色が主人公スピリットらしいイメージカラーらしく。常にネクタイの赤がたなびいていたり・・・・・。

ところで、主人公スピリット役のガブリエル・マクトって一体誰なんだ??と思っていたんです。こんな俳優知らないよ!でも結構イケてそう。黒い縁取りの眼鏡もどきの向こうからちらっと見える限りではハンサムそうだ。そいでもって調べたら、私も観ていたのだ!彼の作品。なんだ彼だったのか・・・・・。思い出しました。
スカちゃんの作品「ママが遺したラブソング」やダイアン・キートン主演「恋とスフレと娘とわたし」等にも登場していたイケメン俳優さんだったと知ったわけです。

 

 
あのガブリエル君だとはまったく知らず・・・・。

こちらが素顔のガブリエル・マクト

 

さてさてお話・・・・。

解説その①

主人公スピリットは一度は死んだ。なぜ墓場から甦ったのかは本人さえも分からない。ただひとつ、彼が確信できるのは、愛するべき町セントラル・シティを守り続けなければならいという使命だけ。倒すべき敵は町を混沌に陥れるマッドな犯罪者オクトパス(サミュエル・L・ジャクソン)。二人の間に繰り広げられる超絶バトルの中で、スピリットの驚くべき過去が明かされていくーーーー!

解説その②

セントラル・シティを悪から守る仮面の男、スピリットの正体は死んだはずの元刑事デニー・コルトだ。彼は一度死んだもののなぜか墓場から甦り、死なない肉体を武器に戦い続けている。ある日連絡を受けたスピリットは闇取引の現場へと向かうと、そこには凶悪犯罪者オクトパスの姿が。また同じ現場からは宝石泥棒サンド・サレフ(エヴァ・メンデス)も脱出を図っていた。スピリットはサンドが自分の初恋の相手であることを知り、彼女を探すが……。


スピリットのかっての恋人サンドは宝石泥棒に・・・・・。強敵オクトパスとも何かで絡みがありそう?


オクトパスを演じるのは、あのサミュエル・L・ジャクソンおじさん。今回は色々な衣装で登場!ナチス将校の姿も見れる。


医者のコスチュームのオクトパス。何やらへんてこりんな生き物を作っているが。

 


オクトパスの右腕でさまざまなコスチュームで登場する冷血な小悪魔シルケン・フロス 役にはスカーレット・ヨハンソン。スカちゃん、この後も色々な映画に登場します。


スピリットの初恋相手サンドにはセクシーなエヴァ・メンデス嬢です。ナイスバディな方ですよね。


元婚約者の外科医エレンには、サラ・ポールソン。この方は初めて見ました。小顔でスレンダーな素敵な女性ですね。

後輩の女性警察官モーゲンスターン(スタナ・カティック


妖艶なダンサープラスター・オブ・ハリス(パス・ベガ


美しき死神ローレライ(ジェイミー・キング

解説その③

殺害されるも奇跡的に甦った刑事デニー・コルトは、以来マスクで顔を隠しながら犯罪に立ち向かう“スピリット”として愛する街セントラル・シティを守り続けていた。しかし、彼は死同然の状態から復活出来る自身の謎について未だ分からぬまま。そんなある夜、最凶の犯罪者“オクトパス”がウォーターフロントの泥地で何やら怪しい取引に及んでいることを聞きつけ、現場へ駆けつけるスピリット。そして2人が壮絶な死闘を繰り広げる中、オクトパス腹心の部下シルケンが海底から引き揚げた謎の品2つのうちの片方を持ち去っていく。やがて、もうひとつの品を手にしたのが世界で暗躍する魅惑の宝石泥棒サンド・サレフだと知るスピリット。サンドは彼の幼馴染みで初恋の相手だった。複雑な思いを胸に、謎の品を持つかつての恋人サンドと宿敵オクトパスを追うスピリットだが…。(allcinemaより抜粋)


泥地での格闘の勝敗は?


オクトパスの手下フォボス(ルイス・ロンバルディ
同じ人がいっぱい登場!


刑事ドーラン、エレンの父(ダン・ローリア

監督も映画に登場。確かサンドの恋人役だったような?


まさにと黒の世界

魅力的な女性たちがいっぱい登場!コスチュームも素敵。スピリットも素敵だけれど、何か物足りないなあと思いました。

 「シン・シティ」「300 <スリーハンドレッド>」の原作者フランク・ミラーがメガホンを執り、アメコミの巨匠ウィル・アイズナーの傑作コミックを斬新な映像で実写化したアクション・サスペンス。殺されたあと謎の復活を遂げた元刑事の仮面ヒーロー“スピリット”が、妖艶な女性たちに囲まれながら街に蔓延る凶悪犯罪に立ち向かうさまを多彩なキャスト陣でスタイリッシュに描き出す。主演は「恋とスフレと娘とわたし」「ママの遺したラヴソング」のガブリエル・マクト。

メディア 映画
上映時間 103分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ワーナー)
初公開年月 2009/06/06
ジャンル アクション/サスペンス/犯罪


闇が溶け出す!


赤がうごめく!

ちょっとネタばれしちゃいます。最後にオクトパスは○○なんだけれど、芋虫?それともミミズのような生き物がちょろちょろ現れる。それをスカちゃんが拾っていく場面があるんですね。この生き物の正体、ひょっとして?これでいくと続編ありそうですね。

 

オフィシャル・サイト
http://www.lionsgate.com/thespirit/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/thespirit/

 

 

 

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アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン★I COME WITH THE RAIN

2009-06-10 | 映画:シネコン

男たちの運命は、美しく、そして切ない・・・・

何と!前売りチケットは1500円。なので割引ディに行くことに。東宝シネマズ二条は毎週火曜日が会員の場合1300円ということで、9日(火)に鑑賞しました。

キムタクが見たさに行ったわけではなく、またイ・ビョンホンが見たいわけでもなく。とにかくジョシュが見たさに行って来たのですが。いやあもうこれは、はっきり言って私はだめでした。申し訳ありませんが、最悪!観方を変えればビジュアル的にいいのかもしれませんが。何を伝えたいのか?はっきりいって分からず・・・・・。睡眠不足状態なら、爆睡していたかもしれません。(おぉ~危ないzzzz)しっかり二つの目でしっかり観たのですが・・・・・。ストーリーがまず把握できなかった。(情けない話)

冒頭のシーンはかなり引きこまれるような感じで始まります。
ジョシュ・ハートネット が演じる元刑事のクラインがハスフォード(イライアス・コティーズ )という男と格闘するんですが。クラインがやられちゃうんです。何度もバットのような棒でボカン、ボカンと叩きつけられ・・・・・。もう死ぬんじゃないの?というくらいやられる。極めつけは、腕だったか、肩だったかを嚙まれる。

このシーンがかなり衝撃的だったので、その後の展開を凄く期待してました。ところがそんなことはなく、大きな肩透し状態でスルスルいっちゃいました。
主人公はジョシュのようで、木村拓哉イ・ビョンホン はサブ的な役なのでしょう。ジョシュは軸的な役らしく、もう彼の物語だと言ってもいいくらいジョシュ演じるクラインが登場します。

STORY

ある男が失踪した。彼の名はシタオ(木村拓哉)。彼は、他人の痛みを身代わりに引き受けるという不思議な力を持っていた。父親の依頼により、シタオ捜索の旅に出る元刑事の探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)。だが、手がかりは名前と年齢、数枚の写真だけ。彼の足跡を辿ってロザンゼルスからフィリピンミンダナオ島、そして香港へと辿り着くクライン。そこで刑事時代の仲間メン・ジー(ショーン・ユー余文樂) と共に、シタオがリリ(トラン・ヌー・イエン=ケー )という女性と一緒にいることを突き止める。さらに、リリを溺愛し、追い求め続ける香港マフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)もまた、シタオを捜していた。香港MAFIAと警察の抗争や壮絶な逃走劇に巻き込まれながら捜索を続けたクラインは、遂にシタオと対面。しかし、そこで彼が見たのは、全身に致命的な傷を負い、身動きすら取れないシタオの姿だった。そのとき、シタオの痛みを代弁するかのように、雨が降り始める……。(VarietyJapanより抜粋)


瀕死の重傷でも、シタオは死なないのは何故?不思議な力のせいが原因みたい。


シタオのパーカーだとメン・ジーに訴えるクライン。どうもこの場所にシタオは隠れていたようである。メン・ジーに署内で見た男がシタオだと話す。このパーカーはその男が着ていたものと一緒だと。


リリーはMAFIAのボス、ス・ドンポの女だったが、手下に誘拐されて消息不明となる。
その逃走劇に巻き込まれたふたりはソ・ドンポを追いかけるが失敗。ドンポはシタオの行方の手掛かりを知っているはずなのだ。


シタオの住みかにいたリリーを見つけた、ドンポ。やっと彼女を取り戻すことに成功!溺愛しているドンポ

 


シタオの体の写真を使って分析したが・・・・。


一方、クラインは警察から新たなシタオの写真を入手する。だがシタオの顔写真は一枚もないあるのはシタオの体に残された傷だらけの写真のみ。

シタオの髪の毛や眼球に湧くウジ虫が気持ち悪い・・・・・。またどの場面でも血だらけ満載で、まさに退廃的なシーンばかりが映し出されていた。


ジョシュ、かなりお疲れ気味状態かな?シタオ探しは果たして上手くいくのか。

 これまでベトナムを舞台に映画を撮り続けてきた「青いパパイヤの香り」「夏至」のトラン・アン・ユン監督が、キリストの受難をモチーフに国際色豊かなキャストで描く観念的なミステリー・ドラマ。主演は「ラッキーナンバー7」「ブラック・ダリア」のジョシュ・ハートネット。共演に木村拓哉、イ・ビョンホン、トラン・ヌー・イェン・ケー。トラウマを抱えた元刑事の私立探偵クライン。ある時、富豪の男から失踪した息子シタオ捜索の依頼を受ける。シタオの足どりを追ってLAからフィリピンに飛び、さらに香港へと辿り着く。一方、マフィアのボス、ス・ドンポもまた、連れ去られた最愛の女リリと一緒にいるという男、シタオを血眼になって捜していた(allcinemaより抜粋)

 

ということで、物語の言わんとすることは分かりませんでした(汗)クラインの過去と現在が繰り返されたり、シタオが3人の男によって手をかけられ亡くなったはずなのに、生きているという辻褄の合わない話に少々混乱しました。やはり今一つ乗れないいまま、最後まで・・・・。前列に座っておられた女性は途中退場されてしまい、これには驚きでした。駄目だったのでしょう。分かる

イ・ビョンホンもあまりお好みの俳優さんではありませんでした。

メディア 映画
上映時間 114分
製作国 フランス
公開情報 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2009/06/06
ジャンル サスペンス/ドラマ/ミステリー
映倫 PG-12

オフィシャル・サイト
http://icome.gyao.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

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インスタント沼◎無駄なテンションが面白い!

2009-06-08 | 映画:ミニシアター

 シオシオミロミロ~~♪なんじゃこれ?
あの懐かしい飲み物、ネスレの粉末の商品です。牛乳を混ぜて飲む麦芽飲料です。
もちろん今も商品は健在のようです。→ネスレミロのHP

6月2日、京都シネマにて鑑賞。ゆる~い作品で定評の三木聡監督最新作は、超ハイテンション作品だ。いやあ~久しぶりに大笑いしました。なにやら魔可不思議な世界です。

主人公を演じる麻生久美子の名前が沈丁花ハナメ。こんな名前、どこから発想するんだわけがわからない。そんな沈丁花ハナメを演じる麻生久美子の物凄い弾け方も半端じゃない。冒頭から、早回しのシーンで動き回る姿に目を見張る

とにかくムダにテンションの高い映画を作りたかったというだけあって、役者さんの掛け合いも漫才のようにアップテンポなのです。

それからですね。パンク野郎を演じた加瀬亮君、電球役を演じた風間杜夫の書髪型なんですが、これまた凄いですよね。加瀬君の場合、パンクヘアを作りあげるのに、1時間もかかったとか。当初は試行錯誤状態なので、2時間もかかったらしいです。どうも台本には髪が立っているとしか書かれていなかった。で、現場に来て騙されちゃったとか(笑)

それがこのヘアスタイル

そしてあの風間杜夫さんも凄いヘアスタイル!カツラかと思っていたら違いました。
何とバリカンで剃り上げてたというのですから、です。撮影が深夜に及ぶと途中で剃っておられたとか・・・・。実は私、かって風間さんのファンで、よく芝居を観に行っていたほどの風間ファンでありました。

驚きと風間さん、禿げちゃったのかなんて思いました。

でもこのテンションの凄さはかってのつかさんの芝居での風間さんと相通じるところもありますから、意外ではなかった。
そして風間杜夫さん、加瀬亮君とも曰く、三木監督の台本を読んでも理解できなかったというのが共通の感想です。麻生久美子さんもよくわからなかったそうです。

そんな三木監督の予想できない“インスタント沼”とはどんなお話なのか?

三木聡が仕掛ける予測不能なサプライズ。

日本映画を変えた監督。それまでになかった新しいタイプの映画「亀は意外と速く泳ぐ」などの公開作品が次々とヒットテレビドラマ「時効警察」シリーズも高視聴率を記録。「転々」もミニシアター系で大ヒットを記録した。私も「転々」、結構好きな作品でしたね。今回の作品とは違ってもっとのんびりまったりした味のある作品だったよね。

ところが今回はのんびり系ではない。動きも登場人物も何かアクティブな感じかな。

お話の概要

骨董店の電球商会を舞台にしたヘンテコな人、ヘンテコな事件を繰り広げるラブストーリー。

また、この映画のタイトルになっている「インスタント沼」は、『北半球で一番くだらない番組』の中にある「日光テレフォンショッピング」で「チリトマト沼」とともに取り上げられたことがある(当番組で、監督の三木聡が構成を担当していた。勿論インスタント沼は三木のネタである)。

ということでストーリーを詳しく・・・・・。

ひらけ、ぬま!!

まさに泥沼。沈みぱなしのジリ貧OLにとてつもない幸せがやってきた。

担当していた雑誌が休刊になり、出版社を辞めることになった非科学的なことは一切信じない編集者の沈丁花ハナメ(麻生久美子)。


市ノ瀬とふたりで何とか雑誌購読を伸ばそうとするが・・・・・。前の晩に食べたもので口臭が凄いことに。

好きな男、雨夜風太 (松岡俊介)にも振られ、ドロ沼のようなジリ貧人生をやり直そうと身の回りの荷物も処分した矢先に衝撃のを発見
そこには、ハナメの父親が「沈丁花ノブロウ」という全く知らない男だと書かれていた。慌てて母親翠(松坂慶子)に聞いてみるが、母親は河童を探しに行ったとかで池に落ち病院に運びこまれてしまう。

 ほら~河童がいるわ!庭を歩いている~~
見えないの?ハナメ。


母親を見舞った後、事実を確かめようと、手紙を頼りに「沈丁花ノブロウ」を訪ねる。しかしそこにいたのは“電球”(風間杜夫)t名乗るうさん臭い骨董屋「電球商会」の店主だった。怪しげな彼を父親と認めたくないハナメ。だがそこで出会ったパンクロッカーのガス(加瀬亮)に「2人とも顔がそっくり」と言われてがっかり

電球との距離も徐々に縮まっていくうちに、ハナメはいつしか骨董の魅力にはまっていく。やがて本当の父親かもしれないという気持ちが芽生え始める。


何か怪しげなリサイクル業者3人組
リサイクル業者・東 (村松利史)、リサイクル業者・大谷 (森下能幸
リサイクル業者・川端 (松重豊

電球から「骨董屋が向いている」と言われて嬉しくなったハナメは貯金をはたいて部屋を改造し骨董屋を始めることにする。最初はなかなかお客が来なかったものの、電球からの「人生うまくいかないときは水道の蛇口をひねれ」という奇妙なアドバイスのおかげで、なんとかお店も順調にいきはじめる。


折れ曲がった古釘を購入する客(石井聰亙

時々、電球の店に出向くハナメはガスとも仲良くなる。そこへ謎の美女飯山和歌子(相田翔子 )が現れる。運命の人を決める機械を探していると言うのだ。その機械はツタンカーメン像で100円入れると、運命の人の写真を出して教えてくれるとうのだ。この機械の所在を突き止めるため、ハナメはフリーライターの市ノ瀬千(ふせえり)の助けを借り、製造メーカーを探す。その泰安貿易・亀坂社長 に岩松了が登場していた。今回は出番少なかった。ふせえりは相変わらずあの独特な乗りで麻生久美子との絡みが絶妙突然大きな声で叫ぶテンションの高さも抜群。

何だかんだでその機械は電球のお店にやって来た。和歌子が100円を入れて占うと、出てきた写真は何と電球の写真じゃないか何か裏がありそう?

ある日突然、電球は店を閉めて旅に出ると言い出した。旅の資金に怪しげな古い蔵の鍵を、100万円で買ってくれと頼まれたハナメ。うっかりそれを買ってしまう。その蔵にはスゴイ宝物が入っていると豪語する電球。喜んだハナメだったが、それは電球のうそだった。つい腹を立て、鍵を投げつけその場を飛び出してしまう。

1人自分のお店に戻ったハナメだったが、自分を本当に理解してくれるのは電球だけだったと気づく。意地を張って父親だと呼ばずにいたことを後悔し、急いで電球の元へ訪れたが、すでに彼は度立った後だった。

電球は和歌子と旅立った。彼女に一目ぼれしたのが運のつき

ハナメは電球から受け継いだ蔵の中身を確かめるべく、ガスと一緒にある村へ向かう・・・・・。

蔵の中は一体何なのか?
そして、ハナメが最後に目にしたスゴイものとは



母は無事に意識を取り戻し、再びふたりはいつも通り。ハナメはしおしおミロを飲んでいた。

ある日ガスの仕事を手伝っていたら、かっての恋人が、通りかかる。同僚だった立花まどか(白石美帆)と仲良さそうに・・・・。でも頭のてっぺんは・・・・・?

他にも色々な方が登場!

オムライス屋のおばちゃん には、新屋英子

エヴァンゲリオン好きの住職 にあの漫才の海原はるか

巻物の神主 には、伊吹吾郎

目撃するサラリーマンにはちょっときもい温水洋一

笹野高史宮藤官九郎渡辺哲と豪華キャストです。

「亀は意外と速く泳ぐ」「転々」の三木聡監督が、「時効警察」の麻生久美子を主演に迎えて贈る奇想天外ハートウォーミング・コメディ。不運続きで人生下り坂のダメダメヒロインが、実の父親という奇妙な骨董屋と出会ったのをきっかけに新たな世界を見出していく予測不能の幸せ探しの旅路を、小ネタを織り交ぜシュールかつハートフルに綴る。共演は風間杜夫、加瀬亮、松坂慶子。(allcinemaより抜粋)

そして何といってもハナメのに注目!山瀬公子さんがデザインしています。

 三木監督のインタビューはこちら

オフィシャル・サイト
http://instant-numa.jp/

メディア 映画
上映時間 120分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(アンプラグド=角川映画)
初公開年月 2009/05/23
ジャンル コメディ/ドラマ
 

 

 

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THE SOLOIST♪路上のソリスト

2009-06-06 | 映画:シネコン

 
これは「ユニークな友情の物語」
400万人が住む街で誰かと会ったことがふたつの人生を変えた

6月1日、ファーストディに東宝シネマズ二条で鑑賞しました。


アメリカ、ロサンゼルス・タイムズのコラムニスト、スティーヴ・ロペスが紙上でナサニエル・エアーズについてのコラムを連載し一躍人気を博したものが映画化された。それがこの作品「路上のソリスト」だ。

これは実在の人物ナサニエル・エアーズという、かってはジュリアード音楽院に通って将来を約束されたチェロ奏者が主人公である。彼は統合失調症となり、ロサンジェルスの路上で暮らしながら、弦線2本となったヴァイオリンを毎日持ちだしてベートヴェンの曲を演奏していた。その姿を、LAタイムズの記者スティーヴ・ロペスがルポした真実のストーリーをもとに、彼らの間に生まれた友情を描いている。

映画の内容から少し脱線します。この作品が映画化された経緯などに少しふれたいと思います。

映画化に至る経緯とは・・・・。

さてそのロペスのコラムは一つの本として出版されている。→「路上のソリスト/失われた夢、壊れた心、天才路上音楽家と私と日々」というタイトルで日本でも発売されている。

この衝撃的なロペスのコラムは、当時とりわけ反響が大きいかったようで、最初に書いたときは、とどまることなく続々とメールが届いたらしい。

そんなコラムはハリウッドおひざ元とあってか、映画化へのオファーも驚くような早さで訪れたわけだ。2005年1月からその年の暮れまでに、ドキュメンタリーも合わせてオファーが15~20件も来たとのこと。しかしどれに対しても返事しなかった。つまりナサニエルに対してやっていることを自分自身理解出来ていなかった。そしてこのことに終わりがわからないものをどうして映画に出来るのかなんて思っていたという。本を作ることも考えていなかったが、編集者に「これは本になる。ノートは取っておきなさい」と言われたので、一つの箱にまとめていたと話す。

映画化への同意の決定的なものは。

最終的には、あるプロデューサーの姿勢で大きな信頼を感じ、映画化への同意となる。絞り込んだ末、別々にオファーをかけてきた3人のプロデューサーと会う。そのうちのひとりだけが、ナサニエルに即会いたいと言ってきた。そして僕らはスキッド・ロウを歩いてナサニエルに会いに行った。そのことは僕にとって大きな意味をもつことだった。ハッピーエンドにならないこの話をどんな風に映画にしたいのか?と聞いた時、彼は「ユニークな友情の物語」にしたいと言ったのを気にいった。

あなたが彼の人生に影響を与えたと同じように、あなたの人生もまた彼のおかげで変わりました。400万人が住む街で、誰かと出会ったことが、ふたつの人生を変える。そんな人間のコネクションの話。だから終わり方はそんなに重要じゃないんです。

物語にはHomelessやSEISINSOUGAIを抱えた人たちの扱い、ZINSYU問題といったことなど、現代社会の問題を浮き彫りにしていますが、テーマはそう言った問題ではなく、友情と音楽のもつパワーを主張し続けた。なのに、配給権を持つパラマウントは、このようなHomelessの映画を公開するのにふさわしい時期ではないという理由で、半年延期させた時は、ロペスさんは怒ったと言う。あんな言いわけは大嫌いだと言った人は誰なのかは知らないけど。でも結果的には半年延期の間に本や映画に興味を持ってくれた人が増えただろうし、延期されたことは良かったかもしれないと。

4年という歳月がかかったが、辛抱強くない自分にとって、我慢強くあり続けることで得られる報酬を知った。それは主人公となったナサニエルの目の輝く瞬間。4年前の彼ならそうではなかったに違いない。明らかに彼は変化していたのだ。ナサニエル本人もロペスの著書を読み、映画も見ている。(実は試写会に出席したが、病気のためスクリーンが怖くて終始目を閉じていた。本も最初は気に入らなかったけど、でも後に“ありがとう”と言ってくれた)

というわけで、この作品は、素晴らしいキャストを迎えて映画化されました。

ナサニエルを演じたのは、ジェイミー・フォックス。そしてロペス役にはあのロバート・ダウニー・Jr。初共演の二人がこの素晴らしいドキュメント作品に挑みます。

Story

弦2本で世界を奏でるヴァイオリニスト

殺風景なロサンゼルスの公園は清らかなヴァイオリンの音色で心安らぐ場所に変身!LAタイムズの記者スティーヴン・ロペスは目を凝らした。みすぼらしい身なりの男が2弦しかないヴァイオリンを巧みに奏でていた。ナサニエル・エアーズと名乗り、ベートヴェンを敬愛していた。ジュリアード音楽院にいたと聞いたロペスは耳を疑った。何でそんな名門校の卒業生が路上で?

かってナサニエルは確かにジュリアードに在籍していた。但し卒業ではなく、退学だ。そんな彼の物語こそ、最高のコラムになると・・・・。彼の手がけるコラムは人気があったが、同僚のメアリー(キャサリン・キーナー)との結婚が破綻して以来、仕事への情熱が薄らいでいた。

早速ナサニエルに取材を試みる。彼の話は要領を得なかったが、教えてくれる電話番号をたどって彼の姉と元音楽教師に話を聞く。姉のジェニファーは行方知れずの弟を心配しながら、彼の少年時代のことを話す。過去のナサニエルはチェロを弾いていたと話す。音楽教師は「本気で取り組んでいたら、世界中の人が驚くような才能だった」と証言。

天才少年とさまよえる旅人の間を漂う

コラムは会心の出来だった。ナサニエルのヴァイオリンが2弦だと知った、感動した読者は自分のチェロを送って来た。ロペスはそれを届けるが、条件をつける。それはスキッド・ロウ地区にHomeless支援施設ランプコミニュティに預けて、そこで演奏するというものだった。しかしナサニエルはその条件に耳を貸そうとしない(室内を嫌がっていた)

チェロを見つめる彼に根負けしたロペスは数分だけその場で弾くことを許す。彼が弓を動かした瞬間、自分の魂が別の世界へと連れ出されるのを感じる。

ナサニエルが何故路上で?世間では、それを統合失調症と呼ぶ。ランプの責任者で心に問題を抱えたHomeless者をケアしているディヴィッドは「診断なんて役に立たない。必要なのは彼を病人扱いする人間だ」と語る。
彼の人生を、しばらくコラムに書き続けることにしたロペス。毎晩、路上のBAININや酔っ払いの間に横たわり、それでも神を讃えて「全世界に安らかな眠りを」と祈る彼を見守るうちに、ロペスの胸には彼を助けたいという願いが芽生え始める。

 

必要なときそばにいる友達でいて!

連載を重ねるごとに、コラムの人気は高まる。彼に手を差し伸べる人も現れる。ロサンゼルス交響楽団からは、ディズニーホールのコンサートにも招かれる。演奏曲目はベートヴェンの交響曲第3番「英雄」。騒ぎを起こしたくないと尻込みするナサニエルをロペスは、リハーサルに連れていく。

ロペスがプレゼントを贈ったはずが、逆にナサニエルにロペスは贈り物を貰う。

「同じ音楽を聴いて、音楽に魅入っている彼を感じると、高貴な何かが存在するんだ」興奮するロペスに、メアリーは「それは恩寵、神の愛よ」と教える。「僕には、あんなに何かを愛せない」。ロペスは、ナサニエルの音楽へのピュアな愛に感服する。

何とか彼を天才音楽家としての人生を取り戻して欲しい。その目標は目の前に。手始めに、ロサンジェルス交響楽団の主席チェロリスト、クレイドン(トム・ホランダー)にレッスンを依頼し、練習場所として支援センターのアパートを借りる。ところがナサニエルはクレイドンとの会話で、ひどく不安定に。 

治療が必要だ!と思い詰めたロペスはディヴィッドに訴える。「人生が変わり、彼を救えるのなら、拘束して強制的に薬を飲ませるべきだ」と。
そんなロペスにディヴィッドは「友情を裏切るのは、唯一のものを壊すことだ」と諭す。

答えの出ない問題に、悩み続けるロペス。そのとき、ナサニエルが取った予想もしない行動が、ロペスの人生観を根底から覆す。
さてロペスはナサニエルに助けられたのか?それはどちらともいえない。

しかしロペスはナサニエルから謙虚さと、芸術の力への信頼、信じ続けること、あきらめないことの気高さを学んだ。ナサニエルと友達になれて光栄だと・・・・。

ナサニエルを何とか助けたいというロペスの思いは途中から、方向が変わっていく。つまり彼を助けることより、彼を世に出してたいというロペスの欲望に変貌されていくのが見え見えである。ナサニエルがようやく心を開けられる人が見つかって喜んでいたはず。それが打ち消される事態になったことに、ナサニエルはまた心の闇に入り込む方向になったと思う。

悩みを抱えている人を助けたいという気持ちって大事だけれど、その行為がいつしか相手に押し付けてしまう危険がある。これは気をつけないとだめだろうね。

多分ナサニエルが、このような行動に出たことで、ロペスは失った心を取り戻したのだと思う。助けるということがどれだけ大変でパワーの入ることかを教えられましたね。純粋な気持ちで音楽を愛するナサニエルの姿に気持ちが洗われたって感じでしょうか。

追記:現在、私もハンディを抱えた方の支援をしています。以前心の病を抱えておられる方との関わりを少し持った経験もありますが、なかなか難しいです。相手の気持ちをどこまで受け入れることが良いのか?それは体験しなければ、見えてこないことですが・・・・・。そんなことが頭の中をよぎりながら、ふたりの交流を見ました。皆さんの身近にきっとそんな心の病を抱えた方はたくさんおられると思います。現実は映画のようには上手くいかないけどね。

 ジェイミー・フォックス、いい味出してました。


この方が本当のナサニエル・アンソニー・エアーズ。
現在もスキッド・ロウ地区でチェロを弾いておられるそうです。


ロバート・ダウニー・JRと原作者のスティーヴ・ロペス(右)

スティーヴ・ロペスのインタビューはこちらです。

 LAタイムズの記者スティーヴ・ロペスが、偶然出会ったホームレスの天才音楽家ナサニエル・エアーズとの交流を現在進行形で綴り全米で話題となった連載コラムを映画化した感動ドラマ。当初はナサニエルの数奇な人生を記事にするだけのつもりだったロペス記者が、次第にナサニエルと友情を築き、ジャーナリストのモラルとの葛藤を抱えながらも、彼の人生に自ら深く関わっていくさまを、2人の心の軌跡を軸に、社会的問題にも触れつつ美しい音楽とともに描き出す。主演は「Ray/レイ」のジェイミー・フォックスと「アイアンマン」のロバート・ダウニー・Jr。監督は「プライドと偏見」「つぐない」のジョー・ライト。(allcinemaより抜粋)

メディア 映画
上映時間 117分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(東宝東和)
初公開年月 2009/05/30
ジャンル ドラマ/音楽
奏で続ければ、いつかきっと誰かに届く。

オフィシャル・サイト
http://www.soloistmovie.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://rojyo-soloist.jp/


 

Comments (4)
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