人は誰でも、王になれる――
好き度:+5点=75点
京都シネマにて鑑賞。ちょっとシアターから足が遠のいていました。久しぶりに足を運びました。
このチラシの暗い雰囲気と予告編で気になっていた作品です。かなり期待度アップだったのですが、思ったほど強烈なシーンはなかったかな。じわじわと締められる少年たちの姿が何とも印象的でした。
実話ベースだそうです。実際この物語に登場するバストイ島はノルウェーのオスロ市南方75kmに存在する島。もちろんここにかって矯正施設があったとのこと。当時模範施設として考えられていたようですが、この物語の内容と同じく実態は理不尽な懲罰や暴力が横行していたらしいです。
送り込まれて来たエ―リングが言ってたけど、矯正施設とは名ばかりで刑務所と変わらない懲罰施設というのが本当にその通りです。食事も酷いし、強制労働のような作業をさせられ、逆らえば監禁させるという悲惨な状況。院長や寮長の天下に近い感じで本当に何をもって更生させるのか?疑問だらけでした。
だからここから何とか逃れたいという少年たちのヒシヒシとした思いは確かに納得できますよ。ずるいのは理事長さんたちが来た時だけ食事も豪華に与えたりとカモフラージュするあたりも院長の嫌らしいところですね。
北欧らしいシュチェーション満載で少年たちの暗く落とした心情が目に焼き付いてしまいます。
あらすじ(goo映画より)
1915年、ノルウェーの首都オスロの南方に浮かぶバストイ島には、11歳から18歳の少年向けの矯正施設があった。その施設に、非行少年・エーリング(ベンヤミン・ヘールスター)が送還されてくる。エーリングはそこで、イジメのような重労働の懲罰や、教育者による性的虐待など、外界から隔絶された施設のあまりにも理不尽な現実を目の当たりにする。尊大な王のように君臨する院長(ステラン・スカルスガルド)や冷徹なプローテン寮長(クリストッフェル・ヨーネル)に、エーリングはことごとく反発する。彼の孤独な抵抗は、次第に優等生・オーラヴ(トロン・ニルセン)など、今まで抑圧されていた少年たちの心を突き動かし、やがて命がけの反乱を引き起こしていく。
エ―リングは何とか脱出を試みます。わざと毒キノコを食って保健室に運ばれた彼は、真夜中にボート小屋に忍び込み小舟での脱出に成功しますが、数日後警官に捕まり島に連れ戻され、鞭で背中を打たれるはめに。皮肉にもその役目をさせられたのはあのオ―ラヴだったのでした。もっとリアルで過激そうなシーンかと思っていましたが、それほどインパクトは感じなかったですね。
全体的にもう少しリアルさが欲しい気もします。意外に淡々とした雰囲気だからなのか?良く言えば緊迫感があるといいのでしょうが。
展開は意外にもえぇ~という感じです。ネタばれになりますが、最後近くでは少年たちの大きな反乱が起こるのでびっくり!まさかこういう流れだとはちょっと驚きました。そこからどんな風に物語は進んでいくのかが気になり始めました。
後半は盛り上がる、、、、。
院長や寮長は反撃を喰らいえらいことになります。少年たちの勝利?かと思ったら、鎮圧のため兵士が島に上陸。ここで少年たちの必死の攻防が始まります。
逃げろ!!
結局のところ、ほとんどの少年たちは兵士に捕まってしまいます。主となるエ―リングとオ―ラヴは兵士たちから何とか逃げ切ることが出来たのですが、、、、。最後の最後はえぇ~こんなかたちで!!
ちょっと信じられないような結末でありました。厳冬の海は凍ってしまい上手く逃れられそうな気がしたんですけどね。何故に彼だけが、、、、。ということで結末の詳細は未見の方もあるので内緒にしておきます。
解説(allcinemaより)
1900年から1970年までノルウェーの孤島“バストイ”に実在した少年矯正施設を舞台に贈る衝撃のサスペンス・ドラマ。1915年に実際に起こった少年たちの大規模な反乱事件を題材に、大人たちによる矯正という名の非人道的な虐待の実態と、極限の状況下で繰り広げられる少年たちの心の葛藤、そして脱走計画の顛末を、丁寧な心理描写と力強い映像でサスペンス・フルに描き出す。監督はこれが長編4作目となるノルウェーの俊英、マリウス・ホルスト。
メディア | 映画 |
上映時間 | 117分 |
製作国 | ノルウェー/フランス/スウェーデン/ポーランド |
公開情報 | 劇場公開(アルシネテラン) |
初公開年月 | 2012/04/28 |
ジャンル | ドラマ/サスペンス |
映倫 |
PG12 |
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