父さん、母さんのために、僕は踊り続ける!
MAOとは、毛沢東のことを指しています。原題を直訳すると、毛沢東の最後のダンサーという意味ですね。
本作に登場する北京舞踏学校は、別名、毛沢東のダンサー学校とでもいいましょうか。
京都シネマにて鑑賞。実在のバレエダンサー、リー・ツンシンの自伝を元に映画化された。バレエはまったく知りません。体操もそうですが、まさに肉体を鍛えて技を成すという世界は、ちょっと凡人では想像出来ないものです。
日本人で吉田都さんというプリンバルのドキュメントを以前テレビで観ましたが、一つの事を成し得るというのは本当に大変なことですよね。
主人公リ―を演じるツァオ・チーは俳優ではありません。彼もバーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパルとして活躍している人だそうです。私はご本人が映画に登場しているのでは?なんて思っていたんです。でも違いました。
そしてツァオもリーと同じ北京舞踏学校でトレーニングをしていたというのですから、まさに同じ運命を辿る?ような感じでしょうね。
舞台は1961年の中国、山東省の貧しい村、リーは7人兄弟の6番目として生まれた。そんな彼の運命はある日、突然として変わる。
時代の流れはこんな小さな村にまで、押し寄せた。あの毛沢東夫人・江青が始めた文化政策を進めるべく、バレエの才能発掘が全国展開となり、リーの住む村にも視察団がやって来たのでした。
中国って国はバレエに限らず、体操なんかにも国をあげて取り組むという姿勢がありますね。特に共産圏の国はそういう傾向が強いですよね。ロシアやルーマニアなどもそうです。
リーの母には、ジョアン・チェン
親元から、離れる事になります。
リーは担任の推薦で、その研修生に抜擢されます。北京へ行くことになるわけです。未知の世界に不安を感じながらも、その一方で希望もあったんでしょうね。バレエなどまったく知らないリーは選ばれ、舞踏学校へ入学します。
少年時代のリー役には、ホアン・ウェンビン君。バレエ経験はありませんが、体操しているそうです。
身体はかなり柔らかいです。
彼の出番はそんなに多くなく、その後青年時代のリーが登場します。
青年時代のリーにはグオ・チャンウ。
北京舞踏学院でトレーニングを受け、2006年のローザンヌ国際バレエ・コンクールでチャンスを得てオーストリア・バレエ学校に入学。2008年にオーストラリア・バレエに入団している。
この人もその道のプロだったんですね。
中国のバレエダンサーは強いそうです。国際バレエコンクールに参加すれば、ほぼ入賞する確立も高いようです。今回のツァオ・チー、グオ・チャンウ共に質の高いダンサーだと言うのは、本作を観て納得です。
学校の名誉会長である江青の前で「ジゼル」を披露するリー、しかし作品に政治的意図を含んでいないことに難色を示します。つまり芸術性より政治的なカラ―を求められるのですね。
才能を認められたリーはやがてアメリカへ留学しますが、滞在延長を求めるも却下されます。自由な国で、自由なバレエを続けたいと思ったリーは、亡命をする決意します。
しかし凄いですね。この話はまだ20年ほど前に起こった事実らしいので、驚きです。
本作の中でリーが何度も名前を出していた、ミハイル・パリシニコフ、かって彼もロシアからアメリカに亡命したバレエダンサーです。
彼の事も、映画化されているそうですね。
恋人エリザベスとの結婚するも、強制送還になる危機を迎える。
フォスター弁護士(カイル・マクラクラン)の協力を得て何とかアメリカへの亡命が認められるものの、そのための条件はかなり厳しいものだった。祖国・中国への土を踏むことは出来ず、家族とも会えない。
ダンサー仲間やベンのサポートを得て、リーは着実に地位を確立する。しかしその一方でエリザベスとの結婚生活は破綻。
あらすじ(Movie Walkerより拝借)※上記と重複しますが。
1961年、中国山東省の小さな村で7人兄弟の6番目として生まれたリー・ツンシン(ツァオ・チー)。家は貧しかったが、しっかり者で愛情深い母(ジョアン・チェン)のおかげで、気丈な少年に育つ。11歳のある日、学校に視察に訪れた視察団の目には止まらなかったが。担任の推薦でリーは、北京の舞踏学校に入学する。離れ離れになる寂しさを耐えて息子を送り出す両親。だが入学後、レッスンに馴染めず落ちこぼれてしまう。そんな彼を見かね、密かに持っていた古典バレエのテープを渡してくれるチェン先生。バレエの美しさを知ってほしいという思いからだった。これをきっかけに、バレエにのめり込んでいくリー。だが、チェン先生は江青夫人の方針に逆らった疑いで捕えられてしまう。それは、2度と会えない別れを意味していた。時は流れて改革開放路線の中国。青年に成長したリーに、米国のバレエ団の研修に参加するチャンスが舞い込む。共産主義とは文化も言葉も異なる異国に戸惑うものの、片言の英語でダンスのレッスンに打ち込んでいく。ある日、負傷した人気ダンサーの代役としてステージに上がるリー。そこで見事なダンスを披露した彼は喝采を浴び、ダンサーとして認められるようになってゆく。さらに、ダンサー仲間のエリザベス(アマンダ・シュル)と愛し合うようになり、結婚。亡命を決意するが、その決断は波紋を呼び、強制送還の危機に。弁護士フォスター(カイル・マクラクラン)の協力を得て、何とか米国への亡命が認められるものの、厳しい条件が付く。2度と中国に戻れず、家族とも会えないというのだ。苦悩するリーだったが、自分の未来を信じ、この地で更なる修練を積むことを決意。市民権を得た彼は、バレエの世界で今まで以上の評価を得てゆく。その一方で結婚生活は破綻し、エリザベスは家を出て行く。寂しさから遠い故郷の家族に対する思いを募らせるリー。だが、そんな彼に奇跡の再会の日が訪れようとしていた……。
現在の中国は渡航するのには緩和されていますし、留学生に対してもリーのようなことはないそうです。
再び故郷の地に、、、、?
まさにリーが毛沢東の最後のダンサーになったというお話です。彼の亡命は無駄にはならず、良かったですよね。
メディア | 映画 |
上映時間 | 117分 |
製作国 | オーストラリア |
公開情報 | 劇場公開(ヘキサゴン) |
初公開年月 | 2010/08/28 |
ジャンル | ドラマ/伝記 |
映倫 | G |
解説(allcinemaより拝借)
中国出身の名ダンサー、リー・ツンシンの激動の半生を綴った同名自伝(旧題『毛沢東のバレエダンサー』)を映画化した伝記ドラマ。毛沢東の文化政策により、幼くして家族と引き離され、バレエの英才教育を受け、その後アメリカに亡命し一流ダンサーとして花開くまでの揺れ動く心の軌跡を華麗なバレエ・シーンとともに綴る。主演は、自身も中国出身で現在は英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして活躍するツァオ・チー。監督は「ドライビング Miss デイジー」のブルース・ベレスフォード。
撮影の裏話は、こちら からどうぞ!
この方がリー・ツンシンさんです。
http://chiisanadancer.com/
彼女とすれ違う辺りのリーの心理描写が、もう少し
丁寧に描かれていたら言う事なかったです
後半の画がステキだったし、そこだけが物足りなかったけど、
昨年のマイベストです
そういう部分をある程度、きっちり描いて
欲しいものですね。
KLYさんじゃないけど、もう少しダンスを
見せて欲しい気がしました。
KLYさん
そうそうもっと見せて欲しいよね。
でも映画代だけでは無理ですね。本当に観るのは
かなりお高いでしょうし、、、。