銅版画制作の日々

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ブレス 今回のキム・キドクのラブワールドは天国と地獄・・・・・。

2008-08-29 | 映画:ミニシアター

二人のブレスが交わったら・・・・・?!

 

8月23日上映開始になった大好きなキム・キドクの最新作「ブレス」を鑑賞。「闇の子供たち」で、京都シネマは大入り満員。この作品は、そんなに多くないので、ゆったりと鑑賞できて良かった。

 

キム・キドク独特の不思議な世界にまたもや遭遇した。今回も監督は観客の期待を裏切らないありえないような物語こんな愛の世界ってありなのか???愛欲の果ては本当に地獄が待っていた!恐ろしくも果敢ない物語。いやいや凄いです。

 

○殺未遂を繰り返す、ある死刑囚の吐息(ブレス)ーーーー

ハンソン刑務所、その極寒の監房の中・・・・。刑の執行が間近となった死刑囚のチャン・ジン(チャン・チェン)は鋭い錐で喉を突き、自○を図った。しかし一刻も早く死のうとする努力もむなしく、声を失っただけで、再び刑務所に送り返されてしまう。そこでは彼を愛する若い囚人が、彼を温かく包もうと待ち侘びていた。しかしチャン・ジンにとっては残されたわずかな“生”は何の未練もないものでしかなかった。

 
チャン・ジンを愛する若い囚人、彼の行動は本当に怖いくらいの愛情を示していた!

 

夫の浮気で人生が狂い始めた、ある主婦の吐息(ブレス)・・・・・・・

夫と幼い娘と一緒に、裕福でモダンな家に暮らす主婦のヨン(チア)。何の不満もないように思えた彼女の人生は、夫の浮気を知ったことで狂い始めた。浮気がばれても、まったく悪びれた様子のない夫に、激しい怒りとやるせなさを覚えるヨン、そんな中、偶然テレビのニュースで死刑囚、チャン・ジンの○殺未遂を知ったヨンは、彼に不思議な同情を覚え、彼に会うため刑務所に向かった。

 

二人の“ブレス”が交わったとき、天国と地獄が始まる。。。。。。。

ヨンは、チャン・ジンの昔の恋人だと言い張り、保安課長の許可をもらって、面会を果たした。見知らぬ女の面会に戸惑うチャン・ジンに、ヨンは幼い頃に経験した死の瞬間を告白。9歳のとき、水中で息ができなくなり、5分間、臨死体験をしたのだ。自らの体験を語ることで、ヨンは閉ざしていた心が次第に開かれていくのを感じいた。

面会後、ヨンはチャン・ジンのため自分が何をしてあげられるか探し始めた。そして考えたのは、彼に四季をプレゼントすることに。

春模様の壁紙を貼って、春服を着て、カセットテープから流れる春の歌にあわせて、歌い踊るヨン。

 

 

  そして秋・・・・定期的にチャン・ジンを訪ねては、季節を彼に贈り続ける〈写真付き〉 それは死ぬこと以外に何の希望のなかった彼にとって、生の温もりを吹き込む行為となった

やがてこの出会いが繰り返されるうちに、二人には単純な欲望以上の感情が芽生えていく。しかし死刑間近のチャン・ジンにとって、ヨンを愛することで生まれた死の恐怖は、まさに生き地獄ともいえる苦痛を与えるものだった

 

 キム・キドク監督、保安課長役で登場!

常にモニターで保安課長が監視、面会場所にも監視員がいるという状況にも関わらず、二人の感情は見る見るうちに頂点に達する刑務所という特異な場所でのは誰しも考えられない想定だろう。不思議な世界だと思った。

 

 季節はずれの衣服で外出するヨンに不信感を抱いた夫は、彼女の後を追うのだった。

 

そしてこの二人の関係を知ったヨンの夫、二人のを邪魔し始めるのだが?

 

ついに最後の一線を、この場所で越えるのだ。チャンの気持ちは、このことによって死というものが恐怖へと変わる!!!!!

面白い設定だ。まさにありえない二人の愛、本来ならチャンとヨンが出会う必然性もないのに出会うなんてね。夫に浮気された女がテレビのニュースで知った男に会いに行くというのも何か奇想天外?にも思えるのだが、でも何か引きつけられるのだ。度肝を抜くというような驚きではないけど、この映像に惹かれるのは何なんだろうか?

 

 

ネタばれになりますが・・・・・。このシーンがまた驚き!愛するがゆえに、若い囚人はチャン・ジンに手をかけてしまうのだ。凄い緊張感を感じるシーンだヨンとチャンの関係に嫉妬した男の気持ちがヒシヒシと伝わるも、やっぱり怖~い

 

言葉を失った死刑囚を演じたチャン・チェン、台湾映画界のプリンス。言葉のない役を表情や動きで見事に演じていた今回の役の名前、チャン・ジンは韓国語で、チャン・チェンだそうだ。キム・キドク監督とのコラボが実現した。

 

ヨン役、チア 今回でキム監督作品3作目となる。02年の「コースト・ガード」のオーディションで、キム監督に見出される。

 

ヨンの夫役 ハ・ジョンウ 前作の「絶対の愛」、キム監督作品にも出演。

 

若い囚人役 カン・イニョン、ソフトな容貌から第二のパク・ヘイルと呼ばれている。

 

※何とこの作品を前作「絶対の愛」の計17回撮影回数をさらに下回る10回の撮影で本作を完成させたそうだ。15日間で撮り終えるため、シナリオを20回以上修正したということだ。

 

ブレスオフィシャルサイト

 

追記:オダギリジョーとキム・キドク監督による新作『非夢』 が年内公開されるそうです。詳細はこちらをご覧下さい。

 

  

 

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