アガサ・クリスティーの代表作が遂に映画化!
京都シネマで観ることが出来なかった作品です。今回の映画祭で再上映となり、鑑賞できるチャンス到来。9月25日に駅ビルシネマ・フランス映画祭にて鑑賞
何とこの作品は結構人気があるようで、当日行くと前売りにてすでに40名の方が予約をされているという状況でしたお客さんはシニアの方が大半です。この日は満席とまではいかないけど、多くのお客さんで盛況でした。ラッキーなことに午前中の上映だったので、これを鑑賞後、仕事へ行きました。
アガサ・クリスティーといえば、推理小説でお馴染みの作家、彼女はミステリー女王とも言われ、100冊近く及ぶ作品がある。その中でも、「ゼロ時間の謎」は生涯のベスト10の1本の一つだそうだ。その傑作が今回映画化となったので、期待も大きいのだろう。
確か「オリエント急行殺人事件」は観た記憶があるのだが、面白かったかどうか?
さてタイトルになっている、ゼロ時間とは?いったいどういう意味なのか。
「殺人事件は、人々をある点に導く物語の結末にすぎない。その点こそがゼロ時間なのです」(バタイユ警視)
物語
ハンサムなテニスプレーヤー、ギヨーム・ヌヴィル(メルヴィル・プポー)は若くて美しい新妻キャロリーヌ(ローラ・スメット)とともに伯母カミーラ・トレシリアン(ダニエル・ダリュー)の住むブルターニュの海辺の屋敷、カモメ荘を訪れた。彼にとっては恒例の夏の過ごし方だったが、奔放なキャロリーヌにとっては憂鬱な夏休みカミーラに下品だと思われ嫌われている以上に、今年は夫の前妻オード(キアラ・マストロヤンニ)も来ているからだ。早速オードと顔を合わせるなり嫉妬と敵意をむき出しにするキャロリーヌオードを誘ったのは夫ギヨームらしい。それなのに離婚して傷ついた彼女は何故?拒まなかったのか・・・・確かに不可解である。
カミーラ
カミーラはオードのことが心配でたまらない。長年屋敷を取り仕切ってきた付き添え人マリ=アドリーヌ(アレサンドラ・マルティネス)も、何か良からぬことが起きそうな予感に頭を痛めるそんな彼女にとってベトナムから帰国したカミーラの親戚トマ・ロンドー(クレマン・トマ)の存在は唯一の救いところが彼はオードへの熱い想いが
そして不吉な予感は起こる?たまたま近くのホテルに滞在していたカミーラの友人で元検事トレヴォーズ弁護士(ジャック・セレ)と灯台ホテルに宿泊中のキャロリーヌの友達フレッド・ラティマー(ザヴィエ・ティアム)がカモメ荘の晩餐会に招かれた後のことだった。心臓の悪いトレヴォーズが翌朝ホテルの部屋で死んでいるのが発見される前夜はフレッドにで送られて帰ったのだが、エレベーターに故障中という札がかかっていたため、階段を昇ったのが命取りになったらしい・・・・。
彼の死によって、カモメ荘の空気が張り詰め、それはギョームとキャロリーヌの夫婦喧嘩という形で爆発
オードを演じたキアラ・マストロヤンニはカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニの娘さんだそうです。
ギョームがオードに復縁を迫る それを見たキャロリーヌ 「ふたりとも殺してやる」と叫ぶ。
その声はカミーラの部屋にまで届いた。
空は荒れ模様となり、激しく雨の降るその晩、ギョームはフレッドと気晴らしにビリヤードへ出かけることに。その直前カミーラに呼ばれ、復縁を辞めるように事態収拾するためにオードを出て行かせると宣言そんな伯母にギョームは「横暴だ!」と怒鳴る
そして事件が・・・・・。何と次の朝、カミーラはベッドの上で頭から血を流して死んでいた
あきらかに殺人事件ということで、ちょうど休暇でこの地を訪れていたバタイユ警視( フランソワ・モレル)が捜査に駆り出され、地元の刑事である甥のルカとコンビを組むことなった。
カミーラの看護係、バレットが睡眠薬を盛られていたことから屋敷の事情に詳しい者の犯行と見なされ、フレッドを含めた5人の客全員が容疑者として取調べを受けることに。
現場に残された凶器となったゴルフクラブはギョームの物
指紋、血の付いた上着、そして巨額の遺産・・・・・。
すべてがギョームを指していた。証拠が多すぎるのが気に入らないバタイユ警視はフレッドのことも詳しく調べるが、何と!彼はジゴロで問題の時間は客の女性とベッドにいたことが分かる。
ギョームの逮捕はセンセーショナルに報じられた
ところが、眠りから覚めたバレットの証言で、アリバイが成立。彼は無罪放免となった。ゴルフクラブなどの証拠は捏造されたものだったのだ
その後、実際に使われた凶器はオードの部屋から見つかり、血痕の付いた彼女の手袋も出てきた。
ではオードがギョームに捨てられた恨みから、彼を陥れるためにカミーラを殺したのか?
犯人像が二転三転する中、バタイユが突き止めたのは、狡猾な殺人者が練り上げた恐るべき計画だった
それは財産目的ではなく人間への恨みや異常までの執着心が生み出したものである。
ヒント:事件の鍵となるのは最初に登場する人物です。
監督: | パスカル・トマ | |
製作: | ユベール・ワトリネ | |
ベルナデット・ザンク | ||
原作: | アガサ・クリスティ | |
『ゼロ時間へ』(早川書房刊) |
ゼロ時間について、このような映画評論がありましたので、抜粋しました。
<「ゼロ時間」とは・・・?>
「ゼロ」をタイトルにした推理小説の傑作が松本清張の『ゼロの焦点』だが、このタイトルの解釈は難しい。なぜなら、これは合う焦点がないという意味にも取れるし、逆に分散していた視点が一挙に集中してくるという意味にも取れるから・・・?
これに対して、「物語は進行するうちに、偶然や必然のできごとがからみ合い、沸点を迎えて事件が起る。ある日、ある時刻、ある場所で起る沸点を、アガサ・クリスティーはゼロ時間とよんでいる」とのこと。
この映画を鑑賞するにあたって、まずこれを最小限の知識として頭に入れておく必要がある。
なるほど。多分最初はこんな流れになるはずではなかったのが、偶然や必然の出来事が絡むことによって殺意という動機が生まれたのでしょう。それは相手への恨みが起した人間の心の闇かもしれません。
ゼロ時間の謎 (goo映画)公式サイトはなくなったようです。
かなり前に観たのですが、写真を見てると豪華な室内と不穏な空気を思い出しました。俳優陣も豪華で、複雑な人間模様が面白かったですね。
「駅ビルシネマ」、早くも来年が楽しみです。
フランス映画の企画は知ってましたが、
内容までは知りませんでした。
京都シネマでみました。
そういえば、最近行ってませんね。
そろそろ出かけます。
トラックバックおおきにです。(*^-^*
>オードを演じたキアラ・マストロヤンニはカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニの娘さんだそうです。
そうだったのですね。
横顔が彼女のご両親のお顔の面影あるような気もします。
P.S.
私は駅ビルシネマ フランス映画祭で3・4本は観たかったのですが、
結局2本しか観に行けませんでした。(T_T)
やはり、仮設のシアターなので段差が低く観やすい角度とは言えなかったけど、
上映時間ギリギリに着いてしまって予告編がすでに始っていても
少しの間、扉を開けていて下さっていて
係員の方が親切でアットホームな感じの映画祭でした。(*^-^*
“KYOTO PARIS”と書かれた小さな看板もハンドメイド感あってオシャレでした♪