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◆我が心のジョージア/Georgia On My Mind
■リリース
1930年
■作 詞
スチュアート・ゴーレル/Stuart Gorrell
■作 曲
ホーギー・カーマイケル/Hoagy Carmichael
ジョージア州は、1776年に米国独立宣言をした13州のうちのひとつで、アメリカの中では古都と言っていいでしょう。名作「風とともに去りぬ」の舞台になっていることでも知られています。
そのジョージア州の州都アトランタで第26回オリンピックが開催されたのは1996年でした。開会式が行われたのが7月19日です。この一大イベントをきっかけにあちこちで演奏され、歌われたのが、「ジョージア・オン・マイ・マインド(我が心のジョージア)」でした。
この曲はレイ・チャールズの歌でたいへんよく知られていますね。そのせいで、作者もレイ・チャールズであると思っていた人も大勢おられたのではないでしょうか。ぼくも曲の成り立ちを知らなかった頃は、漠然と「レイの作」だと思っていました。
レイ・チャールズ
「ジョージア」の曲を書いたのはホーギー・カーマイケル。あの名曲「スターダスト」の作者です。歌詞を書いたスチュアート・ゴーレルは、その「スターダスト」の名付け親でもあります。
曲が書かれた翌年の1931年にはミルドレッド・ベイリーが歌ってヒットさせています。カーマイケル自身が弾き語りで飄々と歌っているヴァージョンもあります。
レイ・チャールズはこの曲ができた1930年に生まれています。彼は、幼い頃から「ジョージア」を歌っていたそうですが、その時はどのように歌っていたのでしょうか。非常に興味のあるところです。
曲が生まれてちょうど30年後の1960年、レイはABCレコードに移籍、その年の末に発表した「ジョージア」が大ヒットし、30歳にして初めてビルボードのチャートで1位を獲得しました。同年度のグラミーでも「最優秀男性歌唱賞」を受賞しています。
ホーギー・カーマイケル
この「ジョージア」ほど、ジャンルの枠を超えて愛されている曲もなかなかないでしょう。シンプルゆえにいじりやすく、コード進行が魅力的なために、ジャズ、ロック、ブルーズなど、さまざまなジャンルのさまざまなミュージシャンに取り上げられています。もともとはジャズのフィールドで歌われていたスタンダード・ナンバーだったのですが、レイ・チャールズの歌ったスタイルがあまりにも強烈な印象を残したため、R&Bの曲だというイメージが出来上がってしまった感があります。
レイの歌った「ジョージア」のスタイルは、8分の12拍子の、いわゆるリズム&ブルーズ色の濃いものでした。以後このスタイルが定着し、マイケル・ボルトンもデヴィッド・サンボーンも熱くブルージーに歌い上げています。
この歌の中に繰り返し出てくる「ジョージア」とは、地名のことだと容易に察しがつくでしょう。しかし「ジョージア、ジョージア、私はあなただけを慕う、懐かしく甘い歌は私にジョージアを思い出させる」という部分を聴いてみると、ジョージアは「故郷のジョージア」とも「ジョージア」という名の女性とも考えられます。どっちともとれる内容にしたのは作者の意図なんでしょうか。
マイケル・ボルトン
のちライチャス・ブラザーズ、ウィリー・ネルソン、ザ・バンドなどによってリヴァイヴァル・ヒットしました。近年では、レイのスタイルを踏襲したマイケル・ボルトンの熱唱ぶりが知られていますね。
日本人が歌った例としては上田正樹や、つのだひろの名が挙げられます。
「ジョージア・オン・マイ・マインド」は1979年にはジョージア州の州歌になりました。
[歌 詞]
[大 意]
ジョージア、ジョージア いつも思う
懐かしく甘い歌 ジョージアを心に抱き続ける
ジョージア あなたの歌
やさしく清らかな 松の葉から漏れる月光のようにそれは訪れる
私を求める腕 私に微笑む瞳はあるが
安らかな夢に見るのは あなたのもとに戻る道
ジョージアよ、私はあなただけを慕う 他に幸せは見いだせない
この懐かしく甘い歌が 我が心のジョージアを思い出させる
【レイ・チャールズ/Ray Charles】
■シングル・リリース
1960年9月
■収録アルバム
The Genius Hits the Road (1960年9月)
■プロデュース
シド・フェラー/Sid Feller
■チャート最高位
1960年週間チャート アメリカ(ビルボード)1位
1960年年間チャート アメリカ(ビルボード)78位
【マイケル・ボルトン/Michael Bolton】
■シングル・リリース
1990年
■収録アルバム
ソウル・プロヴァイダー/Soul Provider(1989年6月)
■プロデュース
マイケル・ボルトン、スーザン・ハミルトン/Michael Bolton, Susan Hamilton
■チャート最高位
1990年週間チャート アメリカ(ビルボード)36位、イギリス94位
■録音メンバー
Michael Bolton (lead-vocal)
Richard Tee (keyboards)
Eric Rehl (additional-synthesizer)
Schuyler Deale (bass)
Chris Parker (drums)
Michael Brecker (tenor-sax)
Terry Brock (backing-vocal)
Jocelyn Brown (backing-vocal)
Robin Clark (backing-vocal)
Milt Grayson (backing-vocal)
Vicki Sue Robinson (backing-vocal)
Fonzi Thornton (backing-vocal)
でも、勿論、レイ・チャールズもジョージアも知ってますよ。確か、おばあちゃんから聞いたのかな(汗)
私も今の今迄、レイの曲だと思ってました。
この曲は絶対に濃い~歌い方が合いますよね。
アトランタオリンピックって、そんなに前でしたっけ?
つい、昨日のことのようです。
東京オリンピックは、一昨日のことのよう・・・
>この時代~
うむむ、反論できないのがクチ惜しい(汗)。
あ、Nobさんもこの曲がレイの作だと思ってましたか。
レイ・チャールズ盤が有名すぎますよね。
ぼくも、ほかの人がレイのカヴァーをしてるんだとばっかり思ってました。
サラリとしたライトな「ジョージア」も聴いてみたいもんです。誰か歌ってくれないかしらん。
東京オリンピックが一昨日ですか・・・。トシとると年月が経つのが早く感じられるといいますから。。。
Nobさんボケるにはまだちょいと早いですよ(^^)
デビット・サンヴォーンもマイケル・ボルトンもそれぞれにいいんだけど、やっぱりこの歌はレイが頭に浮かんできます。最初に聞いたからかな。
最初に聞いたミュージシャンによって その歌のイメージが決まるってことあるかもしれないなと思いました。まぁレイの場合はそれだけ凄いってことかもしれませんけど。
暑くなってきましたけど、体調は大丈夫ですか?
ぼくはレイ版をさらに熱くしたような感じのマイケル・ボルトン版が好きなんですが、どれかひとつ選べ、と言われたら、やっぱりレイの「ジョージア」になっちゃうかな~
お気遣いありがとうございます。
ここ何日かちょっとダウン気味なのですが、もう少ししたら復活すると思います。(^^)