中学時代、ヤヨイちゃんという同級生がいました。
同じクラスになったことはなかったけれど、なぜか顔を合わせる機会がちょいちょいあったんです。
そんなに目立つタイプではありませんでしたが、かなりカワイイ子でした。ぼくはそーゆーことだけはよく覚えております。
廊下ですれちがったりすると、ヤヨイちゃん、一瞬ニッコリしてくれるのです。いつも。
でも、もうすでにぼくは色気づいていた(しかも急激に)はずなのに、ヤヨイちゃんが微笑みかけてくれるワケを深く考えたことがなかったな・・・。普通は「もしかして!」とか思うじゃないですか。でも、ほんとになんにも考えていませんでした。
ある日、「MINAGIく~ん」と呼ぶ声に振り向くと、「1組のヤヨイちゃんがなんか話があるって」。
なんだろう、金借りた覚えはないし、シメられるようなことをした覚えもないし。わからないところを教えてとか?同じクラスの人には聞かずわざわざ?・・・もしや壺でも売りに来たのか・・・などといぶかしがりつつ教室の出入り口に行ってみると、そこには恥ずかしそうにニコニコしているヤヨイちゃんが友だちと一緒に立っていた。
なぜ友だちも?・・・
ハッ!
オンナのコって、「『そーゆー時』必ず友だちに付いてきて貰ってるよな、たしか・・・」
そう思ったとたん、はじめてヤヨイちゃんが結構カワイイのに気づいたんでした。
ちょっとドキドキです・・・
「MINAGIくん、あのね…」
あっ、ヤヨイちゃんもなんか口ごもってる(ような気がする)ぞ~
「はひ・・・なんでふかモゴモゴモゴ・・・」
「クィーンの新しいレコード、聴いた?」
はい? (∵)
そうなんです、ヤヨイちゃんが「クイーンの大ファン」だってことは、だれかから聞いたことがあったんです。
「クイーンの新しいレコード」とは、『世界に捧ぐ』。そう、「伝説のチャンピオン」とか「ウイ・ウイル・ロック・ユー」などが入っているやつです。
まあまあいっぱしのロック子象小僧を気取っていたぼくは、自分なりの感想をナマイキに語ったりしたんですが、よく考えると、それがヤヨイちゃんとの初めての会話らしい会話だったんですね~
『世界に捧ぐ』
結局ヤヨイちゃんとはそれ以上なんの進展もありませんでした。高校も別々になったんですが、ある日偶然にもレコード屋さんでバッタリ。
お互いに「久しぶり~」。
その時お店の中で高校生活のこととか、最近聴いたレコードの話などを少しして、「またね~」と手を振って帰りました。
それが、ヤヨイちゃんに会った最後です。
だいぶたってから、ヤヨイちゃんと同じ高校へ行っている女子から、「ヤヨイ、MINAGIくんがすっごくカッコ良くなってた、って言ってたよ~」(こんな有頂天になるセリフ、それからはだれにも言ってもらえず・・・)と聞きました。
ヤヨイちゃんの家庭には結構複雑な事情があるらしい、というのは悪友から聞いていましたし、高校卒業してからまもなく「結婚したらしい」という噂も聞きましたが、結局うまくいかなかったという話もだいぶ後に聞きました。
今でも時々思います。「もしかするとヤヨイちゃんは…」、って。
でも、もしそうだったとしても、もうどうすることもできないんですよね。
青春時代のなんとなくせつない思い出です。
クィーンというと今でもすぐにヤヨイちゃんのことが思い出されます。
「キラー・クィーン」でファンになり、
「ブライトン・ロック」でブライアン・メイのギターにブッ飛び、
「愛にすべてを」と「ボヘミアン・ラプソディ」でその荘厳なコーラス・ワークの虜になりました。
ぼく個人のお気に入り曲は、ほかには
「ユー・アンド・アイ(「華麗なるレース」に収録)」
「イッツ・レイト(「世界に捧ぐ」に収録)」
「セイヴ・ミー(「ザ・ゲーム」に収録)」などなどです。
ほかにもまだまだたくさんありますが・・・。
クィーンは、ぼくにとって最高のロック・グループのひとつです。
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気分はね、もうこんな感じ。
ちっちゃいけれど懐かしい想い出です。嗚呼。
ホロ苦・・。