新聞にこの本の広告が出ていて、面白そうだなと思い図書館で借りました。
その形から、大だこの怪物とかたこ入道とか、火星人とかグロテスクな動
物といういイメージですが、いえいえ、なかなか知性的な動物のようです。
I'd like to be under the sea
In an octopus' garden in the shade
The Octopus's Garden ;The Beatlesより
ビートルズにオクトパス・ガーデンという曲があります。「海の底、岩陰の
タコの庭にいるのはすてき、、、」そう、タコは自分の家の内外に飾り付け
るそうです。殺風景な水槽に入れておくとストレスを感じるらしく、なにかお
もちゃを与えると興味津々、つついたり触ったりするし、人間の見分けも
つくそうで、研究員は水槽で飼っているタコに監視されているような感じを
受け、実際タコは人間を観察しているようです。団体行動を全くとらないの
ので、仲間から学ぶことはないけれど、周囲の観察学習はなかなかのも
のらしく、作業記憶も発達していて、一時記憶も長期記憶もあるようです。
そこから、人間の脳の解明にタコが非常に役立っているとか。すばらしい
頭足類です。しかも食べても美味しい。この本は、そんなタコの驚くべき
生態をユーモアを交えて教えてくれる面白い本です。
上の「タコの才能」も前記事の「バナナの世界史」も「ヒストリカル・
スタディーズ」というシリーズ(12冊出ている)のうちの1冊です。この
シリーズは世界各国、森羅万象、人間の営みから自然の働きまで、
悪く言えば様々なテーマを無節操に脈絡なく取り上げいるのですが、
そこがとても面白い。この「ベストセラーの世界史」など、タコやバナ
ナとは全く違う世界です。多少毒を含んだフランス人の社会学者の
ベストセラー分析は一読の価値があります。お情けで出版された「ア
ンクルトムの小屋」が驚異的なベストセラーになったなど、面白いエ
ピソードに溢れています。このシリーズの他の本は、まだ読んでいな
いのですがも、どれも面白そうです。