佐保姫の染めゆく野べはみどり子の袖もあらはに若菜つむらし 順徳院御集より
(佐保姫が緑に染めていく野辺で、娘たちが袖から腕をあらわにして若菜を摘むらしい)
春一番が吹いて、昨日は猛烈な春二番も吹いて、日差しが春めいてきました。
まだまだ寒い日も多いですが、春の女神佐保姫さまが世界を春の色に染め
始めている気配が感じられます。あちらこちらで河津桜が満開です。染井吉
野より一か月以上早く咲くこの濃い色の桜は春の幕開けを告げる花です。
でも、まだまだ梅の花も咲き誇っています。
椿や山茶花の花も健在です。これからミモザや梅の花、梨の花など樹花
の季節が続きます。blossomの季節です。日本語だと果樹の花も草の花
も「花」ですが、英語だとblossomとflowerに区別します。面白いですね。
子供たちが通っていたたちばな幼稚園もそろそろ卒園式の準備のようです。
年長さんはもうすぐ小学一年生。旅立ちの季節です。
道端のflowersからも春の香りが漂い始めました。
佐保姫の路傍の花に寄り添ひぬ 岡本紗矢句集「向日葵の午後」より