今年ももう12月になりました。英語の講読会で使わせていただ
いているキリスト教会にも、きれいなリースが飾られています。
街中がツリーやイルミネーションで輝き、商業主義に踊らされ
ている感もあります。この季節になると放映される「ホーム・
アローン」をうんざりするほど見せられるということなんかも
含めて。でも、ハロウィーンなんかとはちょっと違って、寒い
中で、みんな、温かいやさしい気持ちになろうよ、仲良くしよ
うよという空気が流れているような気がするんです。それは、
クリスマスのおかげなんじゃないかと思います。
そんな季節になると読みたくなる本が何冊かあります。そのうち
の一冊が英国の作家
ロバート・ウェストールの「クリスマス・ス
ピリット」です。「クリスマス・キャット」と「クリスマス・ゴ
ースト」の2短編からなっています。「クリスマス・キャット」を
始めて読んだ時、涙が出ました。戦争、不景気、貧乏、失業、病
気、偏見、そんな中でも、純真な、思いやりのある心を持ち続け
る子どもたちのお話です。宮崎駿さんはこのウェスト―ルに大き
な影響を受けたそうです。
もう一冊はフィンランドの作家トペリウスの「
星のひとみ」です。
これはもう児童文学の古典と言ってもよいでしょう。小学生の時、
「トペリウス童話集」に入っているのを読んだ時から、愛してや
まないお話です。いろいろなバージョンのものを数冊持っていま
すが、万沢まき訳、画家のおのちよ絵のやさしい美しい絵本が一
番好きです。
さらに、今年からもう一冊加わりました。英国の作家M.C.ビートンの
「
ハイランド・クリスマスThe Highland Christmas」です。スコットラ
ンドのハイランドを舞台にした「ヘイミッシュ・マクベス巡査」シリ
ーズの一冊で、一応ミステリーですが、猫が一匹とクリスマス・ツリ
ーが盗まれる他は何の事件も起こらない、ほっこりしたハート・ウォ
ーミングなお話です。来年のクリスマスごろには邦訳が出る予定。そ
の舞台となる湖と岸辺にたてられた大きなクリスマス・ツリーを想像
して、コラ-ジュを作ってみました。