キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

かたかごの花

2013-02-26 10:42:20 | 地球
          

          もののふのやそ乙女らが汲みまがふ 寺井の上のかたかご花  大伴家持

        「おおぜいの少女たちが入り乱れて水を汲む、寺の井戸の側のカタクリの花よ」

        少女たちの賑やかな笑い声が響いてくるような、明るい歌です。今も昔も、若

        い娘さんたちが、賑やかに笑いさざめいているのって、見ていて嬉しいもので

        す。家持はこういう絵画的な情景を切り取るのがうまいですね。早春に咲くか

        たかご(カタクリ)の花って、残念ながら、この頃はどこででも見られるという

        ものではありません。これは箱根の湿生花園で見たカタクリの花です。恥じら

        うように咲く紫がかった薄いピンクの可憐な花です。

          

          春の苑くれないにほふ桃の花 下照る道にいでたつ乙女    大伴家持

        これもまぶしばかりに輝く、桃の花と少女の歌です。うららかな春の喜びの情

        景が伝わってきます。家持さん、萬葉集の先の時代の歌人に比べると、軟弱

        だの、技巧的過ぎるだのと言われますが。私はファンです。
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早春賦

2013-02-23 14:37:09 | 季節
          

          春は名のみの風の寒さや 谷のうぐいす歌は思えど

          時にあらずと声も立てず 時にあらずと声も立てず

                        吉丸一昌作詞 中田章作曲「早春賦」より

          まさにこんな気候のこの頃です。風の冷たいこと。この「早春賦」は毎年

          今ごろ、一番口ずさむ歌です。作曲の中田章さんは中田喜直さんのお父

          さんだそうですね。この歌、モーツアルトの「春への憧れ」との類似性が指

          摘されています。そう言われれば。歌詞もどちらも、早く春になって欲しい

          なと歌っています。でもやっぱり「早春賦」の方はどことなく和のテイスト。

          

             いつもより遅いようですが、梅も咲き始めました。

             白梅、楚々としていていいですね。

          

           ミモザも。南仏の香りのする花です。プロバンスでは2月中旬にミモザ祭

           りというのが行われるそうです。和名は銀葉アカシヤ。オーストラリアの

           国花ですって。鮮やかな黄色が春を呼びます。花言葉は「感じやすい心」。
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絵本のくまさん

2013-02-22 09:04:58 | 絵本
100ぴきのくまさん (おはなしチャイルドリクエストシリーズ)
若菜 珪
チャイルド本社

        読み聞かせの会で、この「100ぴきのくまさん」を初めて知ったのですが、絵が

        あまりにもチャーミングで惹きつけられました。

        くまの子どもが、風邪を引いたおじいさんのために町へ薬を買いに行くのですが、

        猟師がそれを見ていて、帰ってきた時に撃ってやろうと思います。くまの子は、

        おじいさんを心配する大勢の子どもたちと一緒に薬を買って戻ってきます。み

        のかさをつけた子どもたちが、みんなくまだと思った猟師は怖くなって逃げて

        いきます。

        何だか理不尽な話でしすよね。絵本にしても。くまの子といっても、人間の子と

        同じに、お話もできるし、おじいさん思いです。それなのに、くまだったら、鉄

        砲で撃って、熊汁にしてしまうつもりなんです。絵本ならでこその矛盾といって

        しまえばそれまでですが、人間の思い上がりのようなものが見えませんか?

        絵があまりに可愛いので、最初はとても惹かれたのですが、よくよく考えると、

        複雑な気持ちになる絵本です。

クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))
E.H.シェパード,Alan Alexander Milne,Ernest Howard Shepard,石井 桃子
岩波書店

        絵本には熊がとても良く出てきます。これほど現実の存在とお話の中の存在が

        かけ離れた動物もいないかも知れません。現実のくまさんは結構やっかいがられ

        ています。森や山で出会ったら、可愛いなんて言っていられません。結局人間の

        側の都合でということですが。

3びきのくま―イギリス民話より
たちもと みちこ
ブロンズ新社

        おなじみの童話「3びきのくま」は、イギリスの民話で、トルストイが

        再話したことで有名ですが、20世紀初頭に作られたこの絵本の挿絵は、

        ものすごくリアルで、三匹の熊は獰猛そのもの、森でこんな熊に会った

        ら大慌てで逃げるか、死んだふりをするか。くまの家のおかゆを食べて

        くまの家のベッドで寝た主人公のゴルデロックスも、結局追いかけられ

        命からがら逃げていくのですが、もし捕まっていたら、なんて考えるの

        は絵本の読み方じゃないですよね。もっとも、絵本からは少し離れます

        が、「本当は怖いグリム童話」なんていうのがあるように、民話はハッピー

        ハッピーだけで終わらない、人間動物その他も諸々森羅万象の奥深さ

        を表す凄みみたいなものを持っていることがありますからね。 
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どアップなっちゃん

2013-02-20 16:22:25 | ペット
           

           旅行の途中でデジカメをなくして、新しいのを買いました。

           前のより性能がいいんでしょうね、今度のはアップが割合

           きれいに撮れます。なっちゃんの白いお髭も光っています。

           

                   眠そうですねえ。

           

           黒いハシバミ形の目がくっきり写って、以前より美人に見えるかな?

           

           なっちゃんは多分もう四、五十代のおばさん犬。

           

         人間だったら、あまりくっきり写ると皺が見えて嫌だわっていうところだけど。
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蕗の薹

2013-02-20 15:49:08 | 絵本
          

          フキノトウをたくさんいただきました。天ぷらにしたり、味噌和えに

          したり、ほろ苦い早春の香りと味を楽しみました。

          

          昨日は雪が舞い、大変な寒さでしたが、花たちはもう春に向かって

          咲き始めています。黄水仙も満開です。2月2日にアメリカのペンシ

          ルバニア州で行われるグラウンドホッグ・デイに、グラウンドホッグ

          が巣穴から出て、自分の影を見たら、まだ冬が続くけれど、今年

          は影を見なかったので、春が早いという予想だそうですが、どうで

          しょうね?

          

          1月の終わりにいただいたストックがまだ元気です。

             

          数日前に買ったストックはもっと元気です。これから春の花が次々咲

          いて、暖かくなります。母のいないちょっと寂しい春がやって来ます。
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久留里城の季節

2013-02-18 16:21:19 | 旅行
            

            上総の国の久留里にある久留里城は、別名雨城とも言われますが、武田

            氏にまで遡る古い山城です。その後里見氏、北条氏を経て徳川領となり、

            新井白石もいたことがあるそうです。可愛い天守閣はごく最近再建された

            ものですが、麓から坂道をゆったり辿ってくると、昔のお城仕えの人たち

            のことなど偲ばれて、なかなかに風情があります。

            

            これはこの間天守閣から見た久留里の町の冬枯れの風景です。それが夏だと

            

            こんな感じです。数年前の8月の風景です。さすが青々していますね。

            

            その時には、近くを走る久留里線の電車もこんな感じでした。

            房総はやっぱり、草いきれのするような夏の方が似合うでしょうか。

            

            でも、寒々した冬もそれなりの味わいがあります。帰りの海ほたるで見た

            白い海鳥の群れ。冷たい雨の降る灰色の海の上でも、元気に生きています。        
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バレンタイン・ドッグ

2013-02-14 10:58:59 | ペット
            

            今年もバレンタイン・デーがやってきました。娘が美味しいチョコを作って

            かわいくラッピングしましたよ。

            

            そういえば去年のはこんなのでした。比べると今年のは一段とsweet。

            

            去年はなっちゃんの頭にバレンタインのシールを付けて、ふざけましたが、

            

            今年は背中にチョコを乗せてみました。別に嫌がる様子もなく、お休み

            モードのまんま。このごろ一段と無関心、無感動ななっちゃん。歳かな?  
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房総の香り

2013-02-12 16:59:21 | 季節の花々
             

             千葉館山から春の香りが届きました。淡い色のカーネーションのブーケと、

             

             甘い香りのピンクのストック。今夜は雪かもという予想ですが、

             房総はもう花摘みの季節のようです。

             

             これは去年の今頃の房総の野原の写真ですが、今年は寒いから

             タンポポの綿毛はまだ飛んでいないかな?

             

             ストックの和名は紫羅欄花。だいぶイメージが違いますね。

                 花の名の紫羅欄花を愛しけり      鈴木栄子 
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ワイルドだなあ

2013-02-08 16:00:12 | 旅行
           

           菜の花が咲いて、ぽかぽか陽気だった吾妻山からほんの1時間ほど箱根

           のお山を登った大涌谷はまた別世界。硫黄の臭いが立ち込め、雪の残る

           黒い岩肌のあちこちから煙が上がり、なかなかにワイルドな景観です。

           

           大涌谷名物「黒卵」の売店横には、これまたなかなかの面魂の野良猫

           が睨みをきかせていました。というか、観光客が卵の切れ端をくれる

           ので寄ってきているだけのようですが。

                

           箱根を下り、足柄山の夕日の滝を見物しました。ここは金太郎が産湯

           を使った滝と言われています。すぐ近くに生家跡というのもあります。

           夕日が沈むころとても綺麗なので、この名がついたそうですが、訪れ

           たときは昼間ながら薄暗く、滝の下が凍りついていて、ここもなかな

           かにワイルドな光景でした。滝行にはうってつけでしょうが、ここで

           産湯を使うとはね。

           

           夏はキャンプなどで賑わうようですが、今は人っ子一人いない、それ

           こそクマでも出そうな(実際にクマに注意の看板がありました)山の

           中でした。

           

           滝へ行く道沿いにイノシシの皮が干されていました。ワイルドだなあ!
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箱根のベネチア

2013-02-06 13:19:02 | 旅行
           

           東洋のナポリとか北陸の小京都とか、本家本元の場所と似た場所は

           あちこちにありますが、箱根のガラスの森美術館はまさしくベネチア

           というか、ベネチアのムラーノ島。ベネチアングラスでいっぱいのな

           かなか良くできたテーマパーク風美術館です。はるか向こうに煙の

           上る大涌谷が見えるのが、やっぱり箱根。

           

           写真ではわかりにくいのですが、そろばんの玉型の透明な無数のガ

           ラス玉のカーテンが陽の光を受けて七色に光り、素晴らしく綺麗です。

           

           今、カーニバル特集だとかで、仮面やマントがお客に貸し出され

           みんな仮装して館内や庭園をウロウロしています。楽しそう。

           

           池に小舟を配して、ベネチアの雰囲気を出しています。

           

           木陰の鴨も、どことなくイタリア風に見えるような?
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