キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

春の朝

2016-03-29 16:00:42 | 季節
              

               春眠暁を覚えず  処処啼鳥を聞く

               夜来風雨の声  花落つること知んぬ多少ぞ

              有名な孟浩然の「春暁」です。ほんとにこの頃は、気がついたら燦々

              と朝日が照っています。ウトウトまどろんでいるといい気持ちです。

              これを金子みすゞが歌うと、

               すずめがなくな、いいひよりだな、

               うっとり、うっとり、ねむいな。

               上のまぶたはあこうか、下のまぶたはまアだよ、

               うっとり、うっっとり、ねむいな。      金子みすゞ「春の朝」

               そんな朝も、なっちゃんは早起き。「早く散歩に行きたいよう」

               なっちゃんがクンクンする道端の草の緑がどんどん鮮やかになってきました。

               

               

               

               

               

               

               カタバミ、フリージア、サクラソウ、ムスカリ、ナノハナ、名も知らない花、

               いろいろな春の花が朝日に照らされて、うれしそうに咲いています。

               

               木の花は、白木蓮はもう終わり、紫木蓮が真っ盛りです。

                 草山の草の中からきいてると

                 いろいろたのしい声がする。
                    ・                    ・
                    ・
                 春の草山にぎやかだ。      金子みすゞ「草山」より
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なっちゃん、お散歩から帰るのを拒否する

2016-03-23 16:38:12 | 季節
                  

                  ツルニチニチソウの咲いている道をさんぽしていると、

                  

                  なっちゃんが突然立ち止まり、

              

                側溝の横で女の子座り。

              

              「こんなに気持ちのいい日に、こんな短いお散歩じゃ満足できません。

              私絶対ここから動きませんから」と一旦座り込んだら、梃子でも動か

              ない構えのなっちゃんです。確かに、暑くもなく寒くもなく良い陽気

              です。仕方ない、少しなっちゃんのわがままを聞いてあげましょう。

                 風吹けば尾細そうなる犬桜

              松尾芭蕉が、奈良の初瀬のあたりで作ったこんな句があります。犬桜

              なんてあるのかしらと思ったら、ちゃんとあるんですね。バラ科の落葉樹

              で、白い貧相な小花が房になって咲きます。写真で見ると、確かに犬の

              尾にも見えます。芭蕉はちゃんとこの花の名前を知っていたのですね。
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Goldregen--金色の雨

2016-03-22 15:56:04 | 世界
              

                連翹のまぶしき春の憂ひかな        久保田万太郎

              若いころ、南ドイツを旅した春、あちこちに黄色い花が咲いていて、

              何という花?と聞くと「Goldregen(金色の雨)だよ」と教えられ、日本

              で見る連翹に似ていたので、以来ずっと連翹を見るたびに「ああ今

              年も「金色の雨」が降る季節が来た」と思っていたのですが、どうも

              本当は同じ黄色い花の咲く「モクゲンジ」というのがGoldregenのよう

              です。でもまあ、同じく綺麗な黄色だし、下を向いて咲き、遠くから見

              ると、いかにも雨が降っているように見えるので、私の中ではこれを

              Goldregenだということにしておきましょう。

              

              

             今、木瓜の花がきれいです。木瓜はドイツ語ではJapanische Quitteというそう。

              

              このかわいいゆすら梅(多分)はドイツ語ではよくわかりませんが、Pflaume

              (梅)の一種でしょうね。

              

              道端に苺の花が咲いていました。ドイツ語ではErdbeere。「地のベリー」。

              なぜドイツ語の名前を?というと、四十数年ぶりにドイツ語を学び初めた

              からです。フローリアンというドイツ人にしてはシャイな感じの若い先生を

              見つけました。飽き性の私、さあ、どれだけ続きますことやら。
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花大根

2016-03-18 14:52:39 | 季節の花々
             

             数日の陽気で、あちこちの花が浮かれたように咲きはじめました。

             ちょっとした空き地があると、花大根、別名紫花菜、諸葛菜ともい

             う可憐な紫の花が所狭しと咲き乱れています。

              花大根村に戻れば村言葉      岡本紗矢句集「向日葵の午後」より
        
             私の故郷の奈良吉野は、奈良県の南部、和歌山にも近く、関西弁の

             範疇ではあるものの、一種独特の言葉、イントネーションがあります。

             ザ行とダ行の区別がつきにくいのも一つの特徴です。「ゾウ」を「ドウ」、

             「ぞうきん」を「どうきん」なんて言う年配の人もいたりして。もうすぐお

             彼岸、お墓参りに帰って、村言葉を聞きたいと思いはするのですが。

             なかなかね。

             

             蕗の薹がたけて、葉っぱが大きくなってきました。あと1ヶ月もすれば

             蕗の美味しい季節になります。例年蕗の佃煮(伽羅蕗)をごっそり作

             り、みなさんに配るのですが、程よい辛さでなかなか好評です。

               伽羅蕗の滅法辛き御寺かな         川端茅舎

             なんて句があります。辛くしておかないと日持ちしませんからね。

             

             桃の花も咲きはじめました。

             

             館山から戴いた菜ばなも、「早く食べなくては」と思っているうちに、

             どんどん花が咲きはじめました。

             

             なっちゃんと散歩に行く道沿いにある中古自動車屋さんも春の

             ラインナップ。すてきな車がきれいに並んで、大売り出し中です。
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花を待つ

2016-03-15 15:32:48 | 季節の花々
            

            真冬のような寒い日が数日続きました。なっちゃんはこれくらいの気温の方が

            良いようで、いつになく食欲があります。といっても、朝ごはんを夕方何とか完

            食するという程度ですが。これは「おやつちょうだい」という時のお得意ポーズ。

            机に顎をのせて、潤んだ目でじっと見つめられると、ついついあげてしまいます。

            

            館山からまた色々春野菜を送っていただきました。これは芽キャベツ。こんな風に

            ぎっしり茎にくっついて生えているんですね。バターソテーにするとおいしいです。

            

                 かわいい雪柳もあちこちで咲いています。

            

            艶やかなラナンキュラスも早春の花です。和名は花金鳳花と言うそうな。

            今日から暖かくなって、数日中には桜が開花すると予想されています。

              心にも空き部屋ひとつ花を待つ      岡本紗矢句集「向日葵の午後」より

            俳句で花と言えば桜。毎年咲くのが心待ちにされます。それにしても、

            日本人って、なんでこんなに桜が好きなのでしょうね?
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紫花菜

2016-03-12 11:28:38 | 季節の花々
             

             今年も紫花菜の咲く季節が来ました。正式名称は「オオアラセイトウ」。

             諸葛菜とも言います。諸葛孔明が食用に広めたからだそうです。ちょっと

             した空き地など、この花の紫色がちらほら見えるようになると春到来です。

             

             それと一緒に年度末がやってきます。1年間読み聞かせにかよった小学校の

             一年生たちも、4月からはもう二年生。ちょっとおにいちゃん、おねえちゃんに

             なります。読み聞かせが終わったところで、お礼の言葉と共にお手紙とお菓

             子の入った袋を頂きました。一年間聞いてくれてありがとう。何かしら心に

             残っているでしょうか?

The Library Dragon
Michael P. White
Peachtree Pub Ltd (J)

わたしの庭のバラの花
アーノルド ローベル,Arnold Lobel,Anita Lobel,松井 るり子
セーラー出版

              私が今年度の一年生のために最後に読んだのは「図書室のドラゴン」

              と「私の庭のバラの花」の二冊です。「図書室のドラゴン」は、図書

              室に来た恐ろしいドラゴンの司書先生が、優しい先生に変身すると

              いうちょっとユニークなお話。ドラゴンのウロコが「チャリン、チャリン」

              と取れていくところが大受けします。「でもね図書室の先生は、ちょっ

              とだけドラゴンのところを残していなくてはなりません。だって、本を

              守ってやらなくてはなりませんから」という最後の教訓がミソです。

              「私の庭のバラの花」はとてもきれいな絵本です。私の庭に咲くバラ

              を初めとして、色々な花が次々出てくるいわゆる「積み上げ歌」の形

              のお話です。「さあ、何種類の花がでてきたかな?」「11種類だよ!」

              途中で飽きる子もいるけれど、とても注意深く聞いている子もいます。
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奈良に根付いた河津桜

2016-03-10 10:52:56 | 季節の花々
              

              

              数年前、家の近くの園芸店で買った1メートルほどの河津桜の苗木を

              小さい車に押し込んで、奈良の夫の実家に持って帰って、植えました。

              それがしっかり根付いて大きくなり、ここ数年この季節になると、きれい

              な花を咲かせています。河津桜はその濃い桃色が華やかです。染井吉

              野の前にまず河津桜でお花見。最近私の中で定着してきたパターンです。

              

              でも、桜と言っても色々ありますよね。緋寒桜、八重桜、山桜。ご近所の

              庭先で、毎年3月になると染井吉野よりもっと色白の桜が満開になります。

              花が終わると真っ赤な甘いサクランボがいっぱいなるんです!小粒だけ

              ど、ほんとに甘い。セイヨウミザクラという種類の桜でしょうか。でも、

              サクランボって初夏のイメージなんですけどね。この木は3月中に実

              がなります。

              

              白木蓮も満開です。こぶしも咲きはじめました。この季節になると、頭の

              なかで「北国の春」の歌詞がぐるぐる周ります「こぶし咲く、あの丘、北国

              の・・・」

              

                  春を告げる黄色、ミモザも、

              

                  名前からして春の花「椿」も華やかに咲いています。             
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房総の寺社

2016-03-08 11:38:04 | 季節
              

                 

              千葉館山の那古寺(なごじ)は別名那古観音。正式名は補陀落山

              千手院那古寺といいます。行基が開基したといわれる、海辺にある

              千手観音立像をご本尊とする、古い小じんまりとした感じの良いお

              寺です。補陀落山という寺号で、昔読んだ井上靖の「補陀落山渡海記」

              を思い出しました。このお寺ではなく、熊野の補陀落寺の史実に基

              づいた短編です。61歳になった代々の住職は観音様の住処である

              補陀落へ渡海しなければなりません。捨身行です。これは、いく

              ら僧侶とはいえ、悟りを開いていない生身の人間には辛いもの

              であったでしょうね。この主人公の僧にも何の覚悟もなく、乗せら

              れた船を捨て、海に飛び込み、島に流れ着きますが、そこにいた

              人々にまた船に乗せられ、沖へと戻されるというお話です。生への

              執着を断ち切るというのは普通の人間には不可能に思え、これを

              読んだ時、この僧に深く同情したのを覚えています。極楽浄土に

              行けるという確固たる自信が無い限りはとても。でも、イスラム

              過激派の自爆テロを行う人々は、天国へ行けると信じて自爆する

              のだといわれます。宗教って、人間って、不可思議なものです。

              

                  

              次に、これまた館山市にある安房神社に行きました。ここは堂々たる

              大神宮です。神武天皇の時代に、今の徳島の辺り阿波のからやって

              きた忌部氏が建立したので、同じ音の「安房(あわ)」という名前だと

              か。この地の古名「安房」もそこから来ているそうです。

              

              

              

              

                    古式ゆかしい荘厳な神社です。
            
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花摘み

2016-03-06 10:34:57 | 季節の花々
             

             この時期、房総への旅行と言ったら花摘みです。館山、白浜、千倉、

             鴨川と海岸線をたどると、次々に花摘みのできる花畑が現れます。

             

             あまりたくさんあってどこがいいか迷います。花の種類が同じなので余計に。

             

                 ちょっと色の違うキンセンカ、

             

             

                 様々な色のストック、キンギョソウ、ヤグルマギク、

             

                 そして、ポピー。

             

                公園には七色に植えられた花壇がありました。

             

                 

                 

             相当摘んだつもりでしたが、全部でたった1000円!家に帰ってから、

             息子のところにもおすそ分けして、花の種類ごとに花瓶に挿しました。

             家中に春の房総の光が満ちています。
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暮れゆく房総の海と椰子の木と灯台と

2016-03-04 16:27:49 | 旅行
            

               快晴の3月、房総の港です。

            

               青のグラデーションが美しい昼間の房総の海水浴場。

             

               遥か向こうに何を積んでいるのかカラフルな貨物船が。

            

            

            ここ千倉、鴨川の辺りはもう外房。太平洋の荒波が打ち寄せていました。

            

            

            閉館する少し前に野島崎灯台に滑り込みました。 

            

               灯台の上から見たキラキラ光る夕日。

            

            

            辺りが暮れてきて、夕日を背にした椰子の木が南国の風情です。

            実家が元老舗旅館の吉田屋(現鴨川グランドホテル)であり、

            そこの女将も務めた俳人の鈴木真砂女にこんな句があります。

              来てみれば花野の果ては海なりし

            房総の春の風景に人生を重ね合わせた深く美しい句です。
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