「こう暑くっちゃ、動く気もしません」なっちゃんは、ひねもすのたらのたらです。
エアコンのきいた部屋でゆったりと。良い御身分です。もっとも、冬だっ
てストーブの点いた部屋で、のたのた。つまり一年中のんびりのんびり。
昔読んだドイツロマン派の詩人アイヒェンドルフの「楽しき放浪児Aus dem
Leben eines Taugenichts」という本を思い出しました。Taugenichtsというのは、
のらくら者とか役立たずとかいう意味です。怠け者の若者が家を追い出され、
バイオリン一丁だけを手に世間を渡り歩くのですが、何だかすべてうまくいっ
て、最後もハッピーエンド。悲壮感のかけらもないお話でした。日本の昔話
にもよく似たのがあったような。わらしべ長者とか。あくせく働くのがバカらし
くなるような。べつの見方をすれば、貧乏だろうが何だろうが、気の持ちよう
で楽しく生きられると教えているような。なっちゃんが、どんな気の持ちよう
をしているのか、そもそも気なんか持っていないのかもしれませんが、tauge
nichitな犬生を送っています。
そんななっちゃんを見ていると、なぜか癒されるのですが。