キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

2013-01-29 15:14:10 | 季節
            

            花の乏しい季節、山茶花の淡いピンクが散歩の途中目に優しく映ります。

            

            白い山茶花の清らかな姿もいいですね。どこにでもある、ありふれた

            花なのに気品があります。

            

            今、蝋梅も盛りです。蝋のように艶のあるちょっと暗黄色の花です。

            近くで見ると臈梅と呼びたくなるほど、臈たけた美しい花ですが、

            全体としてみると、黒い枝に突き刺さるように咲いていて、なぜか

            見栄えのしない、ちょっと残念な花です。

            

            三椏も咲き始めています。春を待ちかねて、一足先に咲くので「サキ

            サク」と万葉人に詠まれたんですって。これも地味な花です。木が和

            紙の原料だってことは知っていますが。私のふるさと奈良吉野の国栖

            の辺りは、紙漉きの里として知られています。谷崎潤一郎の「吉野葛」

            の舞台となった所です。灯台もと暗しというか、不勉強というか、近くで

            作られているのに、どんな紙なのか、ついぞお目にかかったこともない

            のですが。

            

            「和」といえば、和三盆のお菓子をいただきました。これこそ純和製

            です。徳島の名産だとか。口に入れるとほろっと柔らかい甘みが広

            がります。お砂糖を固めただけのものとは信じられない上品なおいし

            さです。角砂糖とはまるで違います。もっとも値段も違いますが。こう

            いうのに出会う度に、もっと自分の国のことを知らなくちゃと思います。
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定めの年に祝杯を

2013-01-26 11:30:25 | 人生
            

            夫がこの度めでたく定年となりました。

            綺麗なブーケをもらって帰って来ました。

            

            もうこれからは、晴れた夕空の下、なっちゃんと夕方の散歩に行け

            ますね。皆勤賞だった人が、ずっと家にいることになる気持ちって

            どんなものか私にはよくわかりませんが。

            「定めの年に祝杯を」なんていう定年を祝す歌があります。

               いつの日か変わりゆく人生を 変わらずに生きてきた

               ちょっと平凡だけど

               苦しみや厳しさや悲しみを乗り越えた今だから

               少し やさしくなれた

               さらば友よ いとしき日よ 定めの年に祝杯を

               さらば友よ 恋しき日よ 定めの年に祝杯を 

               定めの年に祝杯を             
                        神戸孝夫作詞・作曲 「定めの年に祝杯を」より

            この今歌詞はちょっときれいごとっぽいけど、そんな感じかな?

            

                 

            これからは、生まれた時から定年状態で、一日ぐうたらしている

            なっちゃんと、いっぱい散歩や旅行に行けそうです。
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生き急いだ人

2013-01-23 13:59:21 | 人生
            

           冬枯れの枝に、咲き残った薔薇の花がひとつ、ふたつ。先日の大雪にも

           負けなかったようです。老残なんていう言葉もあるけれど、厳しい風雪に

           耐えて長く生きながらえるのもすばらしいと思わせてくれる、仄かなピンク

           の薔薇です。長生きもひとつの才能という言葉があります。晩年に至る

           まで恋愛し、創作意欲も衰えなかったゲーテなどに当てはまる言葉でし

           ょう。凡人が、うまく年をとることは難しいと感じ始めているこの頃です。

THERE IS MORE CLASSIFIED THAN UNCLASSIFIED INFORMATION IN THE USA!
AARON SWARTZ
メーカー情報なし

          それに対して、「死に急ぐ」なんて言葉があります。「生き急ぐ」と言った

          ほうが当たっているでしょうか。この間、新聞でアーロン・シュワルツとい

          う26才の若者が自殺したという記事を読みました。14才でRSSの制作に

          貢献し、インターネット界の天才と言われた人だったようです。こうやって

          ブログなんか気楽に書けるのも彼のような人のおかげなのでしょう。学術

          文書を盗んだとかで訴えられて参っていたらしいですが。痛ましいことで

          す。まさに「生き急いだ」感があります。ご両親は無念でしょうね。

明るいほうへ―金子みすゞ童謡集 (JULAの童謡集シリーズ)
高畠純
JULA出版局

         金子みすゞも26才で自殺しました。彼女の場合は生きているのに耐えられな

         くなったように思えます。たくさんの美しい童謡と一人娘を残して。どうしても

         生きていられなかったのでしょうね。すばらしい才能がありながら、夫に、とい

         うより時代に恵まれなかった。悲しい短い生涯です。彼女自身の詩にあるよ

         うに、どうにかして明るい方へ行こうとしたのに叶わなかったのでしょうね。

            明るい方へ

            明るい方へ。

            一つの葉でも

            陽の洩るとこへ。

            やぶかげの草は。

            明るい方へ

            明るい方へ。           金子みすゞ「明るい方へ」より  
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雪の小坊主

2013-01-22 09:45:10 | 季節
                 

            先週は爆弾低気圧がやってきたとかで、大雪になりました。

            滑ったり転んだり、車が動かなかったり、大変でした。

            

            北国ではさほどでない雪も、この辺りでは準備が出来ていま

            せんからね。庭先のシクラメンも災難でした。

            

            ネギ畑のネギは、かえって喜んでいるように青々していましたが。

                 

            今週もまた同じようになるかもと、戦々恐々でしたが、

            案に相違して冷たい雨になりました。でもそのかわり、

            こんなかわいい雪の小坊主が、1年生のワクワク教室に

            やって来ましたよ。軍手でできた雪の小坊主が紙コップ

            から出たり、ひっこんだりします。読み聞かせの最後に

            もう八十数歳になるIさんが、優しい声で歌いながら動

            かしてくれたのですが、もちろん大受けでした。軍手

            をつかった手袋人形には、よくこんなの思いつくなと

            思うような色々なものがあります。

               雪のこぼうず 雪のこぼうず 屋根におりた

               つるりとすべって 風にのって消えた

               雪のこぼうず 雪のこぼうず 池におりた

               するりともぐって みんなみんな消えた

               雪のこぼうず 雪のこぼうず 草におりた

               じっとすわって 水になって消えた
                                  作詞:村山寿子

            これを「糸をまきまき」の楽しいメロディーで歌います。 
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ふるさとの山

2013-01-14 16:42:04 | 季節
          

             去年の暮れに亡くなった母の四十九日で田舎へ帰りました。

             優しく皆に好かれていた母を、内輪十数人で会食し、カラオ

             ケなどして陽気に偲び、実家に戻ってみると、家のすぐ裏に

             はいつもどおりの山があります。母が九十年、朝に夕に仰ぎ

             見た山です。今も、まだそばに立って、「寒うなってきたな、あ

             したは白倉山に雪が積もるかもしれへんな」なんて、語りかけ

             てくるような気がして。

               

             玄関の花も母を偲ぶような淡色のウィンターコスモスと、

          

             クリスマスローズ。「綺麗に咲いたな」と花が好きだった母の

             声が、また耳元で聞こえたような。
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子どもは風の子

2013-01-10 16:14:44 | 季節
           

           曇りがちの寒い昼下がり、冷たいコンクリートの道の上にべったり

           座り込んで、幼稚園児がおままごとに夢中です。上着も脱ぎ捨てて。

           しかもお水を使って泥だんごを作っているみたい。見ていると、ぶる

           っと震えてしまいます。子どもは風の子ですね。

           

           一方、なっちゃんは暖かい部屋でぬくぬく。「犬は喜び、庭かけ

           まわり」という歌なんか、どこ吹く風。

               

           でも、年が明けて、心なしか昼が長くなり、そこここに新春らしい

           花や赤い実を見かけるようになりました。これは藪柑子でしょうか。

           

                 蝋梅も咲いています。

           

           白い素朴な野水仙も群れて咲いています。花言葉は「自己愛」。

           ギリシャ神話のナルキッソスのお話から来ているのでしょうね。

           どちらかと言うと春に咲く黄水仙や大きなラッパ水仙に似合う

           花言葉です。寒い頃雪の中でも咲く野水仙には、うぬぼれの影

           などみじんもない気がします。

              水仙の香やこぼれても雪の上        加賀千代女
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冬の薔薇

2013-01-09 15:25:35 | 季節の花々
              フランスの一輪ざしや冬の薔薇       正岡子規

             

          新聞でこの句を見つけて、なんとすてきにセンスのある句なんだろう

          と思いました。咲き残った冬の薔薇が一輪。しかもフランス製の一

          輪ざしに挿してある。今現在の句としても洒落ていて、しかも冬の

          薔薇というところに陰影があって。萩原朔太郎が「ふらんすへ行き

          たしと思へど、ふらんすはあまりに遠し」と詠ったより更に前、明治

          の句とは。この一輪ざしは叔父さんからもらったガラス製のもので

          「椿」は相応しくないと「冬の薔薇」にしたとか。心憎い組み合わせ。

           

          薔薇は洋花のイメージで、与謝蕪村の「うれひつつ岡にのぼれば花

          茨」などは別にして、あまり俳句には使われなかったようですが、

          正岡子規は好きだったようです。こんなきれいな句があります。

              薔薇深くぴあの聞こゆる薄月夜  正岡子規

           

          さすがにこの季節、花屋さんで売っている薔薇の花は少ないですが、

          ありました、ありました。フランスよりもっと遠い所から来た薔薇が。

          フェアトレードでケニヤから来た淡い色の可愛いバラが。季節感も、

          遠い土地フランスへの憧れも希薄になったけれど、一方では、南米

          やアフリカで育てられた花を、日本で真冬に愛でるという、また違っ

          た面白い時代ではあります。さて、今子規が生きていたら、どんな

          句を作るでしょうか?
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雑煮にきな粉

2013-01-07 09:15:20 | 季節
           

            もう1月も7日、今日は七草粥で松の内が明けました。

            関西出身の我が家は、お雑煮は白味噌仕立てです。

            普段は合わせ味噌ですが、お正月だけはちょっと良

            い白味噌を使います。こっくり甘くて美味しい。でも、

            普段も白味噌にしようとは思わないんです。特別な

            お正月の味にしておきたいからでしょうか。

            

            テレビのケンミンショーなんかでもやっていましたが、奈良県の

            中部、北部では白味噌雑煮の中に一旦入れたお餅を取り出して、

            甘いきな粉を付けて食べるんです。夫の実家がそう。奈良南部

            出身の私には、最初衝撃でした。お餅にきな粉をまぶして食べ

            るのはいいとして、なんでまたお雑煮に入れたお餅をわざわざ

            取り出して?いまだに慣れませんが、子どもたちは当然のよう

            に、夫の実家の流儀で、きな粉付け派です。お雑煮も地域によっ

            ていろいろですね。

            

            今朝は七草粥。わが家は単純に白粥に七草を入れただけの

            ものですが、だしつゆで煮たのや、味噌仕立てやお餅を入れ

            たのや、これも家庭によって、所によっていろいろなようです。
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おおさむ、こさむ

2013-01-06 10:17:54 | ペット
           

            おお寒むこ寒む 山から小僧が泣いてきた

            なんと言って泣いてきた 寒いと言って泣いてきた  『わらべうた』

          小さい頃から、山に住む小僧さんってどんな子どもだろう思っていました。

          山寺の見習い小坊主? 松谷みよ子さんの絵本では、山から来るのは

          子うさぎや小ぎつねです。

おおさむ こさむ (あかちゃんのわらべうた( 6))
遠藤 てるよ
偕成社


          昨日は暦の上の小寒。今朝の気温はこの辺りでも氷点下。雪の降る

          お山の方は大変な寒さでしょうね。雪山で遭難している人もいます。

          なっちゃんも炬燵のそばから離れません。

               

          寝るときはフカフカの毛布の上で、フリースをかぶって。犬の風上にも

          置けない軟弱さ。犬はもともと外で暮らすものなのに。過保護ですねえ。

            

        だけど散歩は大好き。暑いのはだめだけど、寒いのは平気。元気いっ

        ぱい。カサコソ枯葉を踏んでグングン歩きます。どういうことでしょう?

        ほら、ビューンと山から風が吹いてきた。「おお、寒い、寒い、早くお家

        へ帰ろうよ」と言っても、なかなか言うことを聞きません。
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たんぽぽ

2013-01-04 16:10:45 | 季節
           

           葉が一枚残らず散り落ちた大きな木のシルエットが、雲ひとつ無い

           青空を背に黒く孤独な姿で浮かび上がっています。これが後数ヶ月

           もすると、青々とした葉で被われるとは、信じられない思いです。

           

           今、元気にきれいな色を見せているのは山茶花の花ばかり?

           

           いえいえ、足元を見るといろんな草花ががんばってています。

           ブロック塀の排水口から顔を出しているのは、垣通しでしょ

           うか。「雑草魂」なんて言葉が思い浮かぶ強い草です。

           

           これはカタバミでしょうか、大きな元気のいい緑の葉っぱです。

           

           たんぽぽも咲いています!健気ですねえ。門倉聡さんの「たんぽぽ

           という歌を思い出します。「ゆず」も歌っていたような?いい歌です。

              雪の下のふるさとの夜 冷たい風と土の中で

              青い空を夢に見ながら 野原に咲いた花だから

              どんな花よりたんぽぽの 花をあなたに贈りましょ

              どんな花よりたんぽぽの 花をあなたに贈りましょ

                             作詞:門倉聡 作曲:堀越浄
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