鮮やかに色づいた柿の葉に包まれたお寿司をおみやげに、奈良吉野
から川崎に戻ってきました。
吉野から北上するには、今は国道169号線が通っていますが、私たちはい
つもショートカットするため、その昔大海人皇子も通ったといわれる、昼なお
小暗い入野(しおの)峠を通って宇陀へと出ます。宇陀の道の駅の売店の
入り口には土地柄のせんとくんが。反対側に時節柄のクリスマス・リース
が飾られていたのがなんだか笑えました。
宇陀のこの辺りは、飛鳥、奈良時代の遺跡のたくさんあるところです。
「東の野にかぎろひの立つ見えて、かへり見すれば月かたぶきぬ」
柿本人麻呂のこの有名な歌は、この地の阿騎野で詠まれたものです。
ちょうど紅葉のまっただ中、万葉の人々もこの見事な紅葉をみたの
でしょうね。
春と秋、どちらが好きかという問に額田王が答え、「秋山われは」と秋
に軍配を上げた、これまた有名な歌があります。古家の軒の蔦の葉
色のグラデーションも美しい錦秋です。
宇陀を過ぎて、針インターから名阪国道、東名阪道、伊勢湾岸道を
通って、いつもなら東名高速で一路川崎へというところですが、今回
は気分を変えて中央道で帰ることにしました。ちょっと遠回りですが。
北上するに連れ、標高が高くなることもあり、もう初秋の雰囲気です。
伊那の手前の駒ヶ根インターで降りて、駒ケ岳ロープウエイで千畳敷
カールまで行こうとしたのですが、時間が遅くて断念。それでもすば
らしい雪山の景色を堪能しました。はるか向こうに霞んでいるのが木
曽駒ヶ岳です。
青空に雪山が美しい。でも恐ろしい。雪山で7人遭難というニュースが
ありました。北アルプスの話ですが。この駒ケ岳は中央アルプスです。
この駒ヶ根の辺りは眺望の素晴らしいところです。左を見れば駒ケ岳などの
中央アルプス、右を見れば北岳など高い山々の連なる南アルプスが望めます。
雪山の景色を堪能したまではよかったのですが、中央道へ戻り、連休最終日
の夕方の魔の40キロ渋滞にはまり、疲労困憊して帰宅した一日ではありました。