キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

歴史の旅

2015-05-28 16:13:05 | 旅行
              

              いわきの復興支援ツアーに参加する前に時間があったので、近くに

              ある名高い国宝の白水阿弥陀堂を見に行きました。お堂も、中の

              阿弥陀如来坐像も東日本大震災で被災しましたが、2012年から

              また拝観できるようになりました。JR東日本のコマーシャル「大人

              の休日倶楽部」で、吉永小百合さんが訪れています。ライトアップ

              された夜の阿弥陀堂がとても美しいCMです。

              

              清々しいお堂です。屋根のシンプルな曲線がえも言われず美しい。

              東北には三つしかない平安時代の建物の一つだそうです。

              

              平泉の藤原清衡の娘徳姫が、夫岩城則道の菩提を弔うために

              建てたお寺の一部だそうです。白水と言うのは実家のある平泉

              の泉の字を二つに分けたもの。徳姫は奥州藤原氏の出であり、

              平泉の毛越寺などの影響を受けたお寺だったようです。

              

              復興支援ツアーの次の日には、いわき市から北上して仙台へ

              向かいました。ここは言わずと知れた仙台城、別名青葉城。

              伊達政宗公の銅像が出迎えてくれます。1601年に伊達政宗が

              建てた大城ですが、明治政府に壊され、火事に会い、第二次

              大戦後は米軍の駐屯地になって、また破壊され、返還された後

              は一部東北大学のキャンパスになっているとのこと。まあ、散々

              な目に会ってきましたね。日本のお城はそういうところが多いよ

              うですが。でも国宝の大手門と脇櫓は残っているし、仙台市博

              物館なんかも建てられて、大勢の人が訪れています。

              

                城跡から見る仙台市内。大都市ですね。

              

              広場では時代劇風コントが繰り広げられていました。伊達政宗に、

              支倉常長、松尾芭蕉まで登場していました。えっ、みんな同じ時代

              の人たち?斬新ではあります。静謐な阿弥陀堂の後で見ると、その

              俗っぽさが面白く感じられ、まあ、これはこれでよいかという気分に

              なります。東北地方の平安時代から戦国、江戸時代への旅を二日

              でするというのも、なかなか愉快な体験でした。 
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いわき復興支援スタディーツアー

2015-05-27 16:18:12 | 天災
              
             
             福島県いわき市の湯本駅。古い歴史のある良い温泉場です。という

             より、スパリゾート・ハワイアンズのある町といった方が、わかりやす

             いかもしれません。以前は常磐炭鉱の本拠地だったところです。その

             歴史を展示する、その名も「石炭・化石館ほるる」からいわき市の主

             催する「いわき復興支援スタディー・ツアー」に神戸に住む大学時代

             の友人夫妻と、私たち夫婦で参加しました。

             

             まだ5月の福島だというのに、暑い一日でした。仮説の浜風商店街は、

             思っていたより小じんまりしていましたが、みなさんとても元気です。

             津波で家もお店も流され、中には身内を亡くした人もいるでしょうに。

             

             

             もう震災から4年が経ちました。商店街の前の広場に咲く花の鮮やか

             さが目に滲みます。「年々歳々花相似たり、年々歳々人同じからず」

             と言いますが、ここでは地震、津波、その上放射能で自然さえも破壊

             されてしまいました。

             

             遠くに東京電力広野火力発電所を望む海岸の光景です。今は穏や

             かに波が打ち寄せています。

             

             

             

             

             

             久之浜漁港の近くで、津波から九死に一生を得たという語り部の方から

             お話を聞きました。その体験だけでも、十分悲惨なものですが、この地

             はさらに放射能の恐怖に襲われました。他の地域は4年のうちに片付

             けられ、新しく整備できているところもありますが、ここは津波に襲われ

             た姿がそのまま残っています。汚染された土を取り除き、護岸工事が進

             んでいますが。復旧は前途多難なようです。津波で全て流されたのに、

             上の小さな神社が奇跡的に残っていたのだそうです。あんなに小さくて

             脆そうなのに。行政は撤去するように言ったそうですが、住民みんなで

             守っているとのこと。

             

             久之浜からさらに北の富岡町、双葉町、浪江町、南相馬へと向かいました。

             以前は家や田圃があったところが一面の草地になっています。道路は一応

             復旧しているものの、浪江町の辺りはまだ帰宅困難地域です。その地域で

             道路脇の放射能値の電光板の異様に高い数値には恐怖を覚えました。正

             常に戻るにはどれほどの時間がかかるでしょうか?罪深い人災だと思わず

             にいられません。政府は原発回帰を打ち出しているようですが!!
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おじいさんの旅 - アレン・セイの2つのふるさと

2015-05-21 10:27:12 | 絵本
おじいさんの旅
Allen Say,大島 英美
ほるぷ出版
Grandfather's Journey
Allen Say
Houghton Mifflin Harcourt

            ぼくのおじいさんは、若者の時世界を見ようと旅に出た。初めて洋服を着て、太平

            洋を渡った。汽車や蒸気船で、砂漠や、果てしない草原や、高くそびえる山々や、

            工場群や高層建築の町を見た。黒人、白人、東洋人、インディアン、いろいろな人

            に出会った。一番気に入ったのはカリフォルニア。おじいさんは故郷へ帰り、結婚

            して新妻とカリフォルニアへ渡った。サンフランシスコで娘が生まれた。やがてお
            
            じいさんの心にふるさとを懐かしむ気持ちが強くなり、娘が大きくなると日本へ帰っ

            た。故郷は昔のまま、友だちもいた。けれど娘には田舎が合わず、一家で都会

            へ出た。そこで娘が結婚して、ぼくが生まれた。おじいさんは、カリフォルニアを

            懐かしむようになり、またもう一度戻ろうと考えた。ところが、戦争が始まった。

            戦争が終わると何もかもなくなっていた。おじいさんは二度とカリフォルニアを訪

            れることはなかった。ボクがおじいさんと同じ若者になった時、カリフォルニアに

            行き、その地が好きになった。そしてボクにも娘が生まれた。ぼくも故郷が恋しく

            なる。「不思議なことに、いっぽうにもどると、もういっぽうが恋しい」
Tree of Cranes
Allen Say
HMH Books for Young Readers

            作者のアレン・セイは日系アメリカ人の母と韓国人の父の間に横浜で生まれました。

            セイは16歳の時、父親と一緒にカリフォルニアヘ渡ります。その後一度日本の戻っ

            たものの、結局またアメリカに行き、兵役を経て、商業カメラマンになります。

            その後40歳過ぎから絵本を書き始め、次々と素敵な作品を発表しています。その絵

            は一目見てわかるように日本画的な独特の風合いがあります。このTree of Cranes

            など、セイの自伝的な物語のようですが、母が松の木に折り鶴を吊るしたクリスマ

            スツリーを作ってくれたお話です。どう見ても舞台がカリフォルニアとは思えない

            光景です。「おじいさんの旅」もそうですが、2つの文化の間で揺れる人間の心理

            がとてもうまく描かれています。アメリカは移民の国だから、共感する人が多いの

            ではないでしょうか。「不思議なことに、いっぽうにもどると、もういっぽうが恋しい」
はるかな湖
Allen Say,椎名 誠
徳間書店

            彼の絵本はどれも、どことなく神秘的で懐かしさを感じる絵と、しみじみした

            文章に、いつの間にか引き込まれる、不思議な絵本です。
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なっちゃん、抵抗する

2015-05-17 16:39:27 | ペット
             

           柏葉紫陽花が白い美しい花を咲かせ始めました。もう梅雨も間近ということでしょうか。

             

            今がなっちゃんのお散歩に最適な季節、これから暑くなるとだんだんつらくなります。

             

            だからでしょうか、お散歩から家に帰るのが嫌でたまりません。もう小一時間も散

            歩しているのに。首が痛いだろうに、断固として踏ん張ります。こういうのを英語で

            She digs her four feet into the ground.というのだそうです。なるほど、足で地面を

            掘りかねない勢いです。

             

            結局座り込みました。人間の負け。こうなったら、しばらく動きません。

             

            おうちに帰って、ベッドの上でのたのた寝そべっているのも大好きなんですけどね。
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目に青葉

2015-05-15 09:55:23 | 季節
              

              立夏も過ぎ、なんだかやたら暑くなりました。なっちゃんは台所のテーブル

              の下で、網戸越しに外を見ながら涼んでいます。外を見ると言っても、ぶら

              下がっている洗濯物しか見えないのですが。

              

              初鰹の季節です。この頃は1年中売られているので、この季節でないと食べ

              られないというものでもないのですが、やっぱり食卓に乗せたくなります。

              はしりでもなんでもない、冷凍の鰹のたたきなのですが。

              

              えんどう豆ご飯。これは今でもこの時期ならでは。缶詰のグリーンピース

              じゃ、この風味は出ません。莢の中にぎっしり並んだぷっくり丸いお豆を

              取り出すのが、この季節の私の楽しみです。

              

                     ご近所の芍薬は今が盛りです。

              

              

              

               君子蘭、鉄線、松葉牡丹、どこのお庭もにぎやかです。

              

              

               道端には、カタバミや露草も可憐に咲いています。
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Tea For Two

2015-05-14 11:20:21 | 季節
                             

グリーン・ティーは裏切らない お茶と探偵(2) (ランダムハウス講談社文庫)
東野 さやか
ランダムハウス講談社

             "Tea for two"(二人でお茶を)というジャズのスタンダードナンバーがあります。

             Just tea for two and two for tea...。これはもともとイギリスで紅茶が流行り始

             めた頃、紅茶1杯2ペンス(tea for two pence)で街頭売りされていたことに由来

             するんですって。ローラ・チャイルズのユーモア・ミステリー「お茶と探偵」シリ

             ーズにはそんなお茶にまつわる薀蓄がぎっしり。
ローズ・ティーは昔の恋人に (コージーブックス)
Laura Childs,東野 さやか
原書房

            アメリカ南部の古い町チャールストンでインディゴ・ティーショップというカフェを

            営むセオドシア・ブラウニングという南部美人が主人公のシリーズです。その店

            の名ティー・ブレンダーである60過ぎの紳士ドレイトンと素晴らしく美味しいお菓

            子と軽食を作る若い娘ヘイリーの3人が主人公といった方が良いかもしれません。

            こういうシリーズは他にもあります。レシピ付きミステリー。謎解きの方はまずまず

            のレベル。読み始めて、あやしいなと思った人物が大抵やっぱり犯人といった感じ。
アール・グレイと消えた首飾り お茶と探偵 3 (ランダムハウス講談社文庫)
東野 さやか
ランダムハウス講談社

            魅力はお茶、紅茶から緑茶からハーブティーから、お茶と呼べるもの全てに関

            する膨大な薀蓄と、巻末に付いているお菓子や軽食の涎が出そうな、でもカ

            ロリーの高そうなレシピの数々!中でもスコーンのレシピがとてもたくさん。

            お菓子好きなら是非作ってみたいと思うものばかりです。作者のチャイルズさん、

            本当にお茶に造詣が深い人です。中国、インドは言うに及ばず、世界中のお茶を

            研究しているようです。もちろん日本のお茶も。「お茶のマグを取って一口飲む。

            ドレイトンが淹れてくれた煎茶。日本の緑茶の中でもとくに好きな一品だ。さわ

            やかな香り、品のある味わい、香ばしいアンダートーン、、、」こんな一節があり

            うれしくなります。
イングリッシュ・ブレックファスト倶楽部 (お茶と探偵 4) (ランダムハウス講談社文庫)
東野さやか
武田ランダムハウスジャパン


           もう一つ、このシリーズの魅力は舞台となっているアメリカ南部の町チャールストン

           の描写です。「風と共に去りぬ」にも出てくるこの歴史ある南部の町はとてもすてき

           なところのようです。今後一度行って見たい場所の一つに加わりました。                               
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風薫る五月

2015-05-12 10:34:17 | 季節の花々
               

               急な用事で奈良の夫の実家へ夜行バスで帰りました。夜行バスも、だん

               だん設備が良くなって、座席は飛行機のエコノミーに比べるとずっとゆっ

               たりしていて、リクライニングもしっかりしていますが、それでもかなり揺

               れるし、熟睡するというわけには行きません。人によるでしょうが。でも、

               寝ているうちに目的地に安い料金で着くのですから、文句は言えません。

               寝不足の目に、夫の家の庭の緑がまぶしく、でも心地よく映りました。

               

                   群れて咲く菖蒲も、今が盛りです。

               

               街に咲く花々もいつの間にか初夏の花に変わっています。大輪のアマリリス。

               

                    薔薇、

                                   

                    立葵、

               

                これはなんという花でしょう?この季節になると近所のアパートの軒先

                に毎年大群が出現します。                

               

               今年も娘が母の日にお花をくれました。赤いかわいいガーベラ。ガーベラ

               の花言葉は「希望」「常に前進」ですって。そう、いろいろ気持ちのふさぐ

               こともありますが、後ろ向きになっていてはいけませんね。                
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春の野の花

2015-05-06 09:37:39 | 季節の花々
             

             横浜港北の都筑民家園は、長沢家という旧家を開発にともなって移築した

             もので、母屋と馬屋からなる藁葺の趣きのある江戸時代中期の建物です。

             5月5日、ここで子供向けのお祭りが開かれていました。そば打ち、お茶の

             お手前、折り紙など、日本の伝統文化を伝える、よく考えられた内容でし

             た。隣の弥生時代の遺跡では、火起こしや、縄文土器の焼付けなども。

             

             藤の花ももう終わりですが、ここではまだ白藤がきれいに咲いていました。

             

             この一帯は、すぐ側まで高層のマンション群が迫っていますが、かなり広

             い面積の竹やぶや雑木林を、昔丘陵地帯だった頃のまま残しています。

             

             それゆえ、人手で植えたものか、自然のものか分かりませんが、

             山野草があちこちに咲いています。

             

             

             

                  

             木陰にえびねが一本そっと咲いていました。なぜとも言えず奥ゆかしい花です。

                  木漏れ日にゆり起こされてえびね草      草郷田三洋
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なっちゃん、弥生犬になる

2015-05-05 16:52:23 | 季節
              
             5月5日、数日ぶりに涼しい午前中、近くの都筑民家園へなっちゃん

             を連れて散歩に行きました。柿若葉の下でたたずむなっちゃんです。

             

             民家園の横に大塚・歳勝土遺跡という弥生時代の遺跡があります。この

             関東ローム層の港北丘陵の辺りは、縄文、弥生の昔から人々が住んで

             いたようです。数十年前この辺りを港北ニュータウンとして開発した時、

             見つかった遺跡をしっかり復元保存しています。

             

             大きな環濠集落だったようで、環濠も復元されています。弥生時代なの

             でもう稲作が始まっていて、穀物保存のための高床式の倉庫もあります。

             

             なっちゃんも竪穴式住居に入ってみました。

             

             もちろん釘など使っていませんが、堅牢な作りです。

             

             こうしてみると、なかなかたくましい古代の番犬ぶりです。日本犬である

             柴犬の祖先は、縄文、弥生にまで遡ることができるそうなので、なっちゃ

             んのような犬がいても、あながち不自然ではありません。プードルやダッ

             クスフントに比べれば、格段に似合っています。ただし縄文時代には犬

             は人間の友達だったけれど、弥生時代になると、大陸から犬食の風習

             が入ってきて、タンパク源にされることが多かったらしいです。あまり敏捷

             でないなっちゃんは、弥生時代にいたら生き延びることができたかどうか?

             

             ところが、ところが、ここは犬立入禁止だったんです!一通り回ったとこ

             ろで、警備員さんに気づかれ、追い出されました。ごめんなさい。

             

             そんな訳で、ちょっと反省?のなっちゃんです。                        
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