キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

暑さに強い!

2015-07-27 15:11:07 | 季節
                

                朝の僧カボチャの蔓を叱りをり             大串 章

               厚かましくグングンどこにでも伸びていくカボチャの蔓に向かって、そんな

               にのさばるなと、真面目なお坊さんが説教している、そんな光景でしょうか。

               確かに、カボチャの花も蔓も葉も、ギラギラした太陽の下で、思いっきり元

               気です。朝顔のように昼間にしぼむなんていう奥ゆかしさはありません。

                

               ブーゲンビリアも元気です。熱帯雨林の花ですから、当然でしょう。

               この辺でもこの花をこの頃見かけます。やはり気候がだんだん亜熱

               帯になってきているのでしょうか。

                

                水に浮き雲眺めゐる夏休み       岡本紗矢句集「向日葵の午後」より

               暑さもなんのその、夏休みになると毎日泳ぎに行き、青い空白い雲

               を眺めていた数十年前の自分を思い出します。同じ体験をした妹な

               らではの、共感を誘う一句です。      
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なっちゃん、夏ばて

2015-07-25 16:26:52 | 季節
            

            例年のことながら、人間にも辛いこの酷暑は、毛皮のなっちゃんに

            はかなりこたえるようです。もうバテバテ。「バテる」というのは「疲れ

            果てる」の「果てる」から来た言葉だそうです。究極の状態ってこと。

            「へたばる」、「くたばる」も同じような意味です。でも永遠に「くたばっ

            て」欲しくないので、エアコンの部屋に入れようとするのですが、妙

            に嫌がります。変なやつ。

            

            朝早いうちはいいんです。風のすく窓辺にいれば、まずまず涼しい。

            

            昨日は多少涼しくなった夕方、散歩に出かけたのですが、それ

            でもちょっと暑かったようで、もう歩けない。家までもうちょっとの

            ところで、ストライキ。座り込んでびくとも動きません。

            

            

            笑っているように見えるけれど、ハーハーしているだけのようです。

            

            満開の元気な松葉牡丹が、なっちゃんを見て笑っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いみじう暑き昼中に

2015-07-23 16:30:57 | 季節
             

             「猛暑の昼間に、一体どうしたら良いかと思って、扇で仰いでみても

             風は生ぬるいし、氷水に手を浸したりして、騒いでいるとき、満開の

             石竹の一茎に結びつけた真っ赤な薄紙の文を受け取ったのですが、

             それを書いた時の暑さや、その気持の深さが推し量られて、絶えず

             使っていても不満に思っていた扇も、思わず置いてしまいましたよ」

                         枕草子百九十二段「いみじう暑き昼中に」拙訳

            今から千年も前、平安時代に書かれた文章です。地球温暖化で暑いの

            なんのいっても、やっぱり昔から夏は暑かった。エアコンなどあるはず

            もなく、ましてや京都。暑いんですよ、京都の夏は。祇園祭を見に行っ

            て倒れそうになったことがあります。氷水があったというのがむしろ意

            外です。でも、文章の後半が、今の時代とは大違い、風流です。酷暑

            の中で書かれた文が届きます。一本の唐撫子に結びつけて。それで

            扇の風がぬるいなんて行っていた自分が恥ずかしいって言うんです。

            エアコンの効いた部屋でタンクトップにショーパン姿で、アイスコー

            ヒー飲みながら、「メチャ、暑いね」なんてメールしている自分の

            「あさましく」も「すさまじい」こと!

             
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いよいよ真夏!

2015-07-20 16:07:17 | 季節の花々
              

             炎天下、紅蜀葵が誇らしげに咲いています。気温はもう35度を超え

             ているでしょうか。暑ければ暑いほど嬉しがっているような花です。

                日盛りを何か過ぎゆく紅蜀葵         尾林 朝太

              

              

              同じくアオイ科のハイビスカスも、真夏の花、南国の花です。

              小さなハイビスカスの鉢植えを二つ、玄関に置きました。今

              朝見るとピンクと黄色の花が一つづつ咲いていました。華や

              かなハイビスカスも小さいと何やら可憐です。和名は仏桑花

              と言います。この南国の花、ハイビスカスと呼ぶか、仏桑花

              と呼ぶかで、同じ花なのに、印象がかなり違います。ハイビ

              スカスだとハワイ、仏桑花だとインドを連想するでしょうか?

                  

              サルスベリも真っ盛りです。これは長い間咲いているので、

              百日紅とも呼ばれますが、このサルスベリは白いので百日

              紅はどうもねと思っていたら、白薇なんていうすてきな中国

              名があるそうです。英語ではcrape myrtle「ちぢれたミルテ」。

              ミルテの和名はギンバイカ。シューマンに「ミルテの花」とい

              う歌曲集があります。シューマンがクララとの恋が実った時

              に作った歌曲集だそうです。白い可憐な花嫁の花です。

               このちぢれ天然にして百日紅

              という句を「すずめ」さんという方の俳句ブログで見つけました。

              まさに!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

須賀敦子 - イタリア

2015-07-19 14:49:23 | 世界
コルシア書店の仲間たち (文春文庫)
須賀 敦子
文藝春秋

           今まで須賀敦子という人を知らなくて、なんと損をしてきたことかと

           思います。偶然彼女の名を見つけ、この『コルシア書店の仲間たち』、

           『ミラノ霧の風景』など、立て続けに読んでいます。ほとんどがエッ

           セイ、あるいは自伝で、どの作品も小説というには、個人的にすぎ、

           読み進むにつれ、須賀敦子という生身の人間の体験を、私自身も一

           緒になって生きているような気持ちになる、不思議な魔力を持ってい

           ます。一人の日本人女性がイタリアに自分のアイデンティティを見つ

           け、深く深く入り込み、イタリアを、特にミラノを中心とする北イタ

           リアを、その時代を、人を、その肌触りを、匂いを、大雑把に言えば

           文化を、文章で見事に具現化してみせました。彼女の描く人々(主に

           イタリアの)は上流の生まれであれ、極貧の生まれであれ、生死の境

           をさまよってきた人であれ、平穏な人生を送ってきた人であれ、皆そ

           れぞれの悲しみ、苦しみ、希望を持ち、限りなく魅力的で、愛おしさ

           を感じます。

須賀敦子全集〈第1巻〉ミラノ霧の風景・コルシア書店の仲間たち・旅のあいまに
須賀 敦子
河出書房新社

          須賀敦子は聖心女子大、慶応大と進み、1953年にパリ大に留学したと

          聞くと、才媛ではあっただろうけれど、よっぽど良いお家のお嬢さんだっ

          たのだろうと思われますが、まさにその通り。でもそこからが、並のお

          嬢さんと違うところです。フランスがどうも肌に合わないと彼女は、ペ

          ルージャでイタリア語を学び、そこから運命的にイタリアに惹かれてい

          きます。ミラノでイタリア人男性と結婚し、彼が急逝するまで、13年間

          を過ごします。
須賀敦子 静かなる魂の旅---永久保存ボックス/DVD+愛蔵本
須賀 敦子,中山 エツコ,ジョルジョ・アミトラーノ
河出書房新社

          彼女の全集に、池澤夏樹が「異国に生まれなおした人」という後書きを

          書いています。違う世界に行ってそこで暮らす。それがうまくいった時、

          その人はそこで生まれなおす。須賀敦子はそれができたのだろうと。
          
          rebornという言葉が浮かびます。そして彼女はそこで、旅行者ではなく、

          一時的な滞在者でもなく、そこに根ざしてほんとうに生活を生きました。

          その体験が、彼女の中で反芻され、深く理解され、成熟して、あの珠玉

          の作品たちになったのでしょう。日本とイタリア、2つの国のどちらでも、

          真実の生を生きた人、そんな感じがします。何十年も生きてきて、真面

          目に生と向い合ってきたのかと、時々おぼつかない気持ちになる私は、

          羨望にも似た憧れの気持ちで、彼女が語るイタリアの人々や街の話に

          読みふけっています。

             
                                   (フィレンツェ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

和・洋

2015-07-18 10:27:45 | グルメ
             

             夏野菜の季節です。冬瓜は冬のウリと書くのに夏の野菜です。

             冬まで日持ちするかららしいです。まん丸い水なすは、文字通

             り水分が多いからついた名前。お漬物にすると美味しい。どち

             らも和の食材感が強い野菜です。もっとも、冬瓜は中華料理に

             も使われますが。でも、真ん中の黄色い可愛いのは何でしょう?

             これは「コリンキー」、かぼちゃの仲間です。最近時々見かけま

             す。皮が柔らかく、生食できます。味は同じくかぼちゃの仲間の

             ズッキーニに似ています。これは名前からして洋物です。今日

             は、この夏やさい3種が勢揃いしました。さてどう使いましょうか?

             3つとも、そのブヨブヨした食感が、私はあまり好きになれないの

             ですが、季節を感じることは確かです。

             

             うちの寡黙犬なっちゃんは、素性が定かではありませんが、多分柴犬

             か、柴犬のミックス。その風貌から確かに和犬、天然記念物です!

             

            その仕草や動きからして、もしかしてネコの血が混じっているかも!?

             

             

             お父さんのベッドを横取りして、日がな一日寝ています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山百合

2015-07-15 15:41:02 | 季節の花々
               

            連日の猛暑で、朝は6時になるともうカンカン照りです。

            連れ出さないと排泄しないなっちゃんのために、5時頃

            散歩に出かけた夫。清々しい山百合の写真を撮ってき

            ました。

              

            武蔵野丘陵のはずれのこの辺り、まだまだ雑木林が残っ

            ています。まだ陽に焼けていない、いかにも早朝らしい濃

            い緑の中にユリの花の白が鮮やかです。

              

            山百合は姫百合や鹿の子百合などと同じく、日本の古来種

            だそうです。百合の球根は絹に次ぐ主要輸出品だったとか。

            美人の形容にも使われる百合です。日本でも英語圏でも「百合」、

            Lilyはそのまま女性の名前です。山百合はカサブランカや色の濃

            い外国種の百合に比べると、どこか素朴な味わいがあります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朝が来た!

2015-07-14 09:51:43 | ミュージック
              

              まだ梅雨明け宣言はありませんが、ここ2、3日真夏日です。暑い!

              近所の小学1年生がいる家では、学校で育てていた鉢植えの朝顔

              を持ち帰り、元気に花を咲かせています。これを見ると、毎年ああ、

              もうすぐ夏休みだなと気づきます。        
              
2355/0655 ソングBest!
日本コロムビア
日本コロムビア

           NHKの朝6時55分から5分間のミニ番組0655の主題歌、ボブ・マーリーの軽快な

           曲に乗せて、真心ブラザーズが歌うお気楽な「朝が来た」で1日が始まると、

           今日も暑いけど、一日何とかなるかな、なんて思います。

             朝が来た、朝が来た、今日も朝が来た

             昼が来る、昼が来る、そのつぎ昼が来る

             地球が半分回りゃ、そのつぎ夜が来る

             もう半分回ったら つぎの日だ、、、

           ある意味、月日は誰の思惑にも関係なく過ぎていくという、

           諸行無常の歌とも言えますが。

           

           安物皿集め趣味の最新の収穫は、今回初めてトルコのお皿です。

           トルコらしいチューリップ模様のにぎやかなお皿です。ところが、

           これ、届いた時に少し欠けていました。ボンドでくっつけたのです

           が、よおく見ると分かります。どこでしょう?しっかり梱包してくれ

           ていたのですが、あまり良くない陶器の質自体に問題があったの

           かもしれません。まあ、陶器やガラスは割れるものです。でもね、

           東日本大震災の時、十数枚のお皿が飾り棚から落ちたのですが、

           一枚も割れなかったんです!一応、マイセン、ジノリ、ヘレンドな

           どの小皿です。ブランドの品質はやはり侮れない? 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高慢と偏見、 そして殺人

2015-07-09 15:22:57 | 
高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)
Jane Austen,中野 康司
筑摩書房

          「独身の男性で財産にもめぐまれているというのであれば、どうしても妻がな

          ければならぬ、というのは、世のすべてがみとめる真理である」(阿部知二訳)

          これは夏目漱石も絶賛したというジェーン・オースティンの『高慢と偏見』の冒

          頭部分です。サマセット・モームの世界の十大小説にも入っています。(もっと

          もモームの選択は彼が英国人ということもあり、欧米に偏っています)ところが

          不思議なんです。身も蓋もない言い方をすれば、冒頭の文章が暗示するように、

          中流階級の五人姉妹が、いかにして独身の金持ち男性を勝ち取ったかというだ

          けの話なのですが、これが、読みだすと止められない。同じく十大小説に選ばれ

          ている『嵐が丘』のように劇的でもないし、自然描写が美しい訳でも、叙情的な訳

          でも、哲学的に深い訳でも、激動の時代を映している訳でもないのに、読み出し

          たら止められないし、何度も読み返したくなります。「ジェーン・オースティンは写

          実の泰斗なり。平凡にして活躍せる文字を草して技神に入る、、、」という夏目漱

          石の言葉でその素晴らしさがわかるでしょうか。

高慢と偏見、そして殺人〔ハヤカワ・ミステリ1865〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
羽田 詩津子
早川書房

          それだけの小説なので、いわゆるスピンオフの作品がたくさんあります。

          最近出た英国推理小説界の巨匠P.D.ジェイムズの最後の作品『高慢と偏見、

          そして殺人』は極めて質のよい『高慢と偏見』の後日譚というか、推理小説バー

          ジョンです。原作ほどの機知とウィットはないものの、プロットがしっかりして

          いるし、登場人物を違う側面から、ちょっと毒を持って描いていたりして、なか

          なか読ませます。P.D.ジェイムズというペンネームで女性であることを隠してい

          たかに見える作者ですが、同性のオースティンの『高慢と偏見』を愛し、深く読

          み込んでいたか、よくかわります。

Darcy's Story
Hugh Thomson
Copperfield Books

The Darcys of Pemberley: The Continuing Story of Jane Austen's Pride and Prejudice (English Edition)
Micah Hansen,Sharon Johnson
Heather Ridge Arts

Darcy and Elizabeth: Behind Pemberley's Walls: A Pride and Prejudice Short Story (English Edition)
Mary Lydon Simonsen
Quail Creek Publishing, LLC

Mr. Darcy and Mr. Collins's Widow: An Elizabeth and Darcy Story (English Edition)
Timothy Underwood
Timothy Underwood

Return to Longbourn: The Next Chapter in the Continuing Story of Jane Austen's Pride and Prejudice (The Darcys of Pemberley Book 2) (English Edition)
Micah Hansen,Sharon Johnson
Heather Ridge Arts

           その他にも、こんなに様々な後日譚やら何やらが書かれています。ヒロイン

           のエリザベスと、彼女と結婚したプライドの高い大金持ちダーシーにまつわ

           る逸話がほとんどです。

           18世紀の英国の片田舎に住み、数篇の作品を残して、まずまずの世間の注目

           の下に42歳でなくなった女性の、ある意味地味なラブストーリーが、今こ

           れほど世界中の人々の愛読書になっているとは、なにか面白いものです。

ジェイン・オースティンの読書会
Karen Joy Fowler,矢倉 尚子
白水社

ジェイン・オースティンの読書会 コレクターズ・エディション [DVD]
エミリー・ブラント,マリア・ベロ,エイミー・ブレネマン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

           数年前に映画にもなった『ジェイン・オースティンの読書会』は、『高慢と偏見』

           はもちろん、彼女の作品の読書会を通して様々な人間模様を描く、なかなか含蓄

           の深い小説です。ジェーン・オースティンの描く人物の中に、様々な人格が内在

           していて、自分とひき比べ、共感を呼ぶのでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すもも -李 -巴旦杏 -プラム -プルーン

2015-07-06 15:48:51 | 季節
             

             昔、奈良の実家の裏に巴旦杏(はたんきょう)の木があって、初夏になる

             と黄色い甘い実が沢山なりました。硬い実は酸っぱいので、皮がほんの

             り赤くなってちょっと柔らかくなると食べ頃。ピンポン玉くらいの大きさの

             実でした。近所でもらった甘酸っぱいスモモを食べながら、昔を思い出

             しています。「すもももももももものうち」と言いますが、モモとはちょっと

             違う種類のようです。でも、スモモも李も巴旦杏もプルーンもプラム(これ

             はウメを指すこともあるけれど)もみんな同じ仲間だそう。私には巴旦杏

             という名が一番馴染みがあります。李は韓国の人の苗字にとても多いで

             すね。昔から韓国にはスモモがいっぱいなっていたのでしょうか。

             

             スモモの木のそばにたくさん咲いていたのが、百日草。あんまり

             たくさん生えていて、その上何だかくすんだ色をしているので、だ

             さい花だなあと思っていたのですが、この頃見かける百日草は意

             外とかわいい。百日草も月日のたつうちに洗練されてきたのか?

             私の感性と目が適当になってきたのか?

             

             

             友人の家の庭に並んで咲いていた白と紫のアガパンサスの花もきれい。

             

             でもやっぱり薔薇は優美ですねえ。ほんのりピンクを含んだ白い小薔薇の愛

             らしいこと!白い小輪の薔薇の花言葉は「恋をするには若すぎる」ですって。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする