当尾の里、浄瑠璃寺近くにある岩船寺は天平時代、聖武天皇の発願
になる古刹です。平安時代までは広大な境内を持つ大寺だったのが
承久の変や、その後の度重なる兵火で荒廃したそうです。江戸時代
再建され、今は規模は小さいながら、季節ごとに様々な花の咲き乱
れる静かな趣深いお寺です。ご本尊の三メートルもある大きな阿弥
陀如来さまは十世紀中期のもので、欅の一木造りだそうです。
針葉樹が多く、秋でも深い緑に包まれ、その静寂に心癒されます。
木々に囲まれて三重塔と十三重石塔が静かに立っています。
紫陽花が有名なようですが、椿や萩や野菊や、可憐な野の花
がそこここにひっそりと咲いていました。
木のうろから咲き出ている花。逞しい自然の生命力を感じました。