キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

雪の写真

2014-01-25 15:13:51 | 地球
          

          ある冬の朝目覚めると、いつになく辺りがシンと静まり返っているとき、カー

          テンを開けてみると、そこは一面の銀世界で、感動することがあります。

          でもそれは、ほんの時たま雪が降る我が家のあたりの話で、豪雪地帯で

          はそんな悠長なことは言っていられないでしょうね。雪かきの大変さは、想

          像を超えるものがあるようです。

雪の写真家ベントレー
メアリー アゼアリアン,Jacqueline Briggs Martin,Mary Azarian,千葉 茂樹
BL出版

          でも、アメリカ、バーモント州のジェリコという豪雪地帯の小村に生まれ、一生

          何にもまして雪を愛して雪の写真を撮り続けたベントレーという農夫がいました。

          これは彼の一生を描いた美しい絵本です。メアリー・アザリアンという画家の独

          特の風合いの版画がいい味を出しています。

Snowflake Bentley
Mary Azarian
Turtleback Books

          雪の結晶の美しさに魅了され、皆にもそれを見せてあげたいと思うのですが、

          雪片の命は儚く、写生し終わる前に消えてしまいます。貧乏な農家の息子で、

          お母さんに読み書きを習っただけで、ろくに学校にも行けなかったベントレー。

          しかも時代は未だ19世紀。写真機は手の届かないほど高価です。でも家族は

          温かく、特に息子を愛するお父さんは、雪の写真を撮って何になると言いながら

          も、無理をして写真機を買ってくれます。そこからベントレーの雪の結晶の終生

          の研究が始まりました。雪の結晶って、6角形なのは共通していますが、同じ形

          のものは2つとないのだとか。本当に美しく神秘的です。温かい家族の愛に支

          えられ、名誉も私欲も求めず、ひたすら美しい雪の結晶を追い求め続けた生涯。

          今も世界中で、彼の美しい写真集は版を重ねの愛読されています。

Snowflakes in Photographs (Dover Pictorial Archive)
W. A. Bentley
Dover Publications
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かたかごの花

2013-02-26 10:42:20 | 地球
          

          もののふのやそ乙女らが汲みまがふ 寺井の上のかたかご花  大伴家持

        「おおぜいの少女たちが入り乱れて水を汲む、寺の井戸の側のカタクリの花よ」

        少女たちの賑やかな笑い声が響いてくるような、明るい歌です。今も昔も、若

        い娘さんたちが、賑やかに笑いさざめいているのって、見ていて嬉しいもので

        す。家持はこういう絵画的な情景を切り取るのがうまいですね。早春に咲くか

        たかご(カタクリ)の花って、残念ながら、この頃はどこででも見られるという

        ものではありません。これは箱根の湿生花園で見たカタクリの花です。恥じら

        うように咲く紫がかった薄いピンクの可憐な花です。

          

          春の苑くれないにほふ桃の花 下照る道にいでたつ乙女    大伴家持

        これもまぶしばかりに輝く、桃の花と少女の歌です。うららかな春の喜びの情

        景が伝わってきます。家持さん、萬葉集の先の時代の歌人に比べると、軟弱

        だの、技巧的過ぎるだのと言われますが。私はファンです。
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なっちゃん、途方に暮れる

2012-10-09 09:37:07 | 地球
          

         公園の草むら。人が誰もいないので、ちょっとなっちゃんを放してみました。

          

         すると、なっちゃんフリーズ!「ねえ、なんで放すの?リード持ってよ」

          

         ちょっとおもしろい図柄です。不安ななっちゃん。野生のかけらもない!

         雷がなると、後先考えずに、勝手に逃げ出すのにね。

          

        ここは横浜都筑区の港北ニュータウンの一角。素敵に洋風な家々が並んでいます。

          

          徳生公園という広々とした公園があります。向こうには高層のマンション群。

          

          広い池があって、水鳥もいます。子供たちが小魚を釣り上げていました。

          

              池のほとりの木々はもう秋色です。
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スリランカのお土産

2012-09-25 11:39:44 | 地球
            

           千葉の館山にお住まいの知人が、毎年その地の高位の御坊さまと一緒

           にインドやスリランカの聖地を回ってこられます。今年もスリランカに行っ

           てこられて、お土産をいただきました。これは首都コロンボのNestleLanka

           製の麦芽飲料のようです。どんな味でしょうね?

            

           インド、スリランカと言えば、やっぱりカレー。2種類のカレー香辛料を

           いただきました。タンドリー・チキンをつくりましょう!

            

           可愛らしい小さなつづらに入ったフルーツ・ティーもいただきました。

           レモンともう一つはSoursopと書かれています。これは初めて見ました

           が、トゲバンレイシとかオランダドリアンとか言われる熱帯のフルーツ

           だそうです。世界には色々な果物がありますね。どんな味のお茶になっ

           ているでしょうか?

           

           スリランカって昔セイロンと呼ばれたインドの南にある島で、世界最初の

           女性首相バンダラナイケさんがいたというぐらいの知識しかないのですが、

           日本から仏教の聖地参りに行くぐらいですから、仏教国なんですね。でも

           ヒンドゥー教徒もキリスト教徒もいるようです。それに多数を占めるシン

           トラ人とタミル人との激しい権力抗争も加わりごく最近まで悲惨な内戦が

           続いていたようです。国と国との争いもさることながら、国の中で民族や

           宗教で血で血を洗う争いが延々続くというのは何なのでしょうか?平和の

           宗教と言われる仏教でも、昔から宗派間の争いはあるし、僧兵なんていう

           のもいたし、スリランカでは過激派仏教徒?に首相が暗殺されたこともあっ

           たようです。人間の性悪説を信じそうになりますね。でもその業の深い人

           間を救うために、お釈迦様やキリストが現れてくださったはずなのに。   
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恋人岬

2012-09-20 09:29:37 | 地球
           

           西伊豆の土肥温泉の近くの恋人岬は、年間23万人も訪れる人気の観光地

           だそうです。グアム島の有名な恋人岬とも姉妹岬?だとか。

           

           元々は廻り崎という地名で、そのころもここで互いに鐘を鳴らしあった

           男女が結ばれたという伝説があっったそうで、恋人岬という名前もぴっ

           たりのところです。

           

           よく整備された綺麗な公園で、海の眺望も最高、気持ちのよいとろです。

                              
           若者だけでなく、年配の観光客も多いとのこと。私が行った時にも、80歳

           前後でしょうか、ご主人が体が弱そうな奥様をいたわるように手を引いて

           いらっしゃるご夫婦がいました。その仲睦まじい様子が場所の雰囲気にぴ

           ったりで、温かい気持ちになりました。

           

           小さな売店のネコ店長が、あちこちに出没するようです。店長を見つけ

           た場所にマグネットで印をつけてくださいと書かれた地図がありました。

           

                雨上がりで、虹も出ました。
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西伊豆から見た富士山

2012-09-19 10:42:33 | 地球
         

         富士の嶺を高み畏み天雲もい行きはばかりたなびくものを   高橋虫麻呂

       萬葉集のこの歌は「富士山は高く恐れ多いので、雲も行く手を阻まれてたな

       びいている」という意味だそうです。西伊豆の大瀬海岸から見たのは、まさに

       そういう光景の富士でした。今の季節、雪は頂いていませんが、ほんとうに姿

       の良い山です。

         

       万葉の時代、900年ごろまでは、まだ煙を吐いていたと言うことですが、

       またいつか噴火する時が来るのでしょうか。

         

       いつどこから見ても美しく、雲に隠れていたのが急に見えたりすると、

       なんだか得したような気分になります。

         

       沖縄には超大型の台風が来ているというのに、富士山に見守られている駿河湾

       の海は、波も穏やかなヨット日和でした。
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夏の終わり

2012-08-31 09:38:00 | 地球
          

                 白い韮の花が咲き、

          

        意外と可憐な茗荷の花が夕日に照らされているのを見ると、夏が終わろう

        とする気配を感じなくもないのですが、まだまだ暑い日が続く今年の夏です。

          

        灼熱の赤の鶏頭は今が盛り。昨日8月30日、FMラジオでアナウンサーが

        「8月も今日で終わり、明日からいよいよ9月です」なんて言って、後で訂正

        が入りました。もう一日8月があるって。でもアナウンサーの気持、わかり

        ます。9月と呼ぶだけでも、少し涼しい気分になりますから。Try to Remember

         the Kind of Septemberですね。

          

          名前だけでも涼しい楚々とした秋海棠も咲いていますが。

            夏の終わり夏の終わりにはただ貴方に会いたくなるの

            いつかと同じ風吹き抜けるから    森山直太朗「夏の終わり」より
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ふるさとの山

2012-08-15 09:56:05 | 地球
          

          ふるさとの山にむかいて言うことなし
          ふるさとの山はありがたきかな          石川啄木

         毎年お盆の季節に山深いふるさとに帰って、緑濃い山々を仰ぎ見ると

         この詩を思い出します。もっとも私は

          石をもて追はるるごとく故郷を出でし悲しみ消ゆる時なし   石川啄木

         というような壮絶な体験を持ち、故郷に対して愛憎相半ばの啄木とは違い、

         別に追われた訳ではありませんが、若い時に出てしまったこともあり、あの

         空気の中には二度と戻れないという、何かしら複雑な気持ちもあります。

          

             けれど、咲き乱れる野辺の薄桃色の昼顔、

          

         ふっくり実った無花果などを見るにつけ、山に川に愛おしさを感じます。

          

         山深い私の実家に比べ、夫の方は、大和平野の真ん中、広々とした田畑の

         広がるところです。大津皇子の眠る二上山をはるかに望むと、古代の歴史

         が蘇ってくるような気がします。
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女王陛下のヘリ、タワー・ブリッジをくぐる

2012-07-28 15:09:27 | 地球
           

          朝5時頃から半ばうつらうつらしながら、ロンドン5輪の開会式の様子を

          見てると、まず緑滴る田園風景が再現されて、

          

          5年ほど前に行った美しい湖水地方の風景など、懐かしく思い出しました。

         

          産業革命を経て、2度の戦争を経て、不景気や王室のスキャンダルもあり、

          世界中どこもですが、順風満帆とは行かない英国ですが、それでも田舎の

          庭は小奇麗で、

         

            ロンドン塔は威風堂々、

         

         その時見た夕映えのタワー・ブリッジは、今はオリンピックのイルミネ

         ーションで美しく飾られ、何とその橋をくぐって女王陛下と007ジェー

         ムス・ボンドが乗ったユニオンジャック柄のヘリコプターが一路オリン

         ピック・スタディアムへ!なかなかすてきな演出でしたね!
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碓氷峠の今

2012-07-20 17:23:33 | 地球
         

        長野新幹線ができ、廃止になった信越本線の横河-軽井沢間が遊歩道アプトに変身

        しています。その一番の見所がこのめがね橋でしょう。堂々とした赤いレンガの橋で

        す。今じゃレンガで橋を作ろうなんて考えないでしょうね。スタイリッシュと言いたい

        くらい印象的です。

         

        明治25年完成。急勾配のアプト式鉄道に蒸気機関車が走っていた図を想像す

        ると開国間もない明治にタイムスリップしたような、不思議な気持ちになります。

         

        めがね橋の前後に10もあるトンネルを通り抜けて下りて行くと、

         

        碓氷湖があり、天然温泉峠の湯があります。そばに芭蕉の句碑があります。

        ほんとに芭蕉って、日本中行かなかった所がないように思えます。しかも

        全て歩いてですからね。偉いものです。

        

        更に下りていくと、碓井峠鉄道文化村というのがあって、鉄道の歴史と列車

        が一同に集められています。入り口にあるSL「アプト」くんが人気。

        以上、全部この間ここを歩いてきた夫の受け売りです。私は写真を見て想像

        しているだけ。説得力皆無ですね。 
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