キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

南淡路で南イタリア気分

2016-05-26 10:05:20 | 世界
              

              日本神話では淡路島は伊弉冉尊、伊弉諾尊が日本列島のうち最初に作った場

              所です。瀬戸内海に面し気候温暖な気持ちの良い所です。もっとも阪神大震災

              では多大な被害をうけましたが。震災後に行った時はただ通り過ぎただけだった

              のですが、今回はステキな淡路島を満喫しました。明石大橋を通って淡路島

              を縦断、南あわじ市の慶野松原へ行きました。日本の夕日百選に選ばれている

              夕日に黒松の黒々とした影の何と美しかったこと。

              

              午後6時過ぎから7時頃まで、空の色海の色が刻々と変化していきます。

              

                  夕日の中に浮かぶ小豆島の美しさと言ったら!

              

              

              

              古くは柿本人麻呂がこの浜辺を読んだ歌があります。「飼飯(けひ)の海の

              庭良くあらし刈薦(かりこも)の乱れ出ず見ゆ海人の釣り船」。「庭良くあらし」

              というのは「漁場の状態が良いようで」という意味だそうです。穏やかな海を

              「庭良く」というのは、いかにも海に親しみを持っている感じがしていいですね。

              太古の万葉の時代、この海が行き交う船で賑わっていた様子が目に浮かび、

              悠久の時の流れを感じたのですが、

              

              慶野松原の直ぐ側の今夜の宿、ヴィラ・オルティージャに戻ると、現代のそこ

              は南イタリア!シチリア島へは言ったことがないけれど、ここはシチリアより

              美しいかも。白い趣味の良いパティオがほんとにステキ。

              

              

              

              

              夕風に吹かれながら、パティオで夕食を頂きました。赤ワイン、ピッツア(イ

              タリア人の職人さんが焼いてくれる)、淡路牛、どれもほんとにおいしかった!

              

              

              スタッフの皆さん(全員男性)もとても感じが良くて、何より、宿泊料金が

              リーゾナブル。豊かな気分になったすてきな一夜でした。
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桜んぼの実る頃

2016-05-09 09:20:38 | 世界
               

                ご近所の実桜の木に、今年も沢山の赤いサクランボがなりました。

                真っ赤な宝石のようなつややかな実に見とれてしまいます。お店で

                売っている佐藤錦なんかの大きな高価な実とは比べられませんが、

                それでも甘い春の味です。

               

                娘が、そのサクランボを砂糖漬けにして、サクランボのケーキを作りました。

                「桜んぼの実る頃」というシャンソンがあります。ジブリの「紅の豚」のなかで

                マダム・ジーナの声で出演した加藤登紀子がこの歌を歌っています。

                短いサクランボの季節のはかない恋を歌う歌ですが、19世紀後半のパリ・

                コミューンで犠牲になった若者たちを追悼して盛んに歌われたという深い

                含蓄を持った歌でもあります。哀愁を帯びたとても美しい歌です。かわいい

                サクランボも人の歴史にいろいろと関わりあっているのですね。

                

                今はまたフランス語でコルヌイユと呼ばれる花水木の季節でもあります。

                これも本当に見ていて飽きない可愛い花(本当は蕾を包む葉だそう)です。

                

                今、ヤグルマギクもかわいいです。これはフランス語でbreuet(ブルーエ)と

                呼ばれます。ほんとにきれいなブルーです。

                

              様々な色のクレマチスも咲いています。西洋ではツル性の花の女王と呼ばれるよ

              うです。日本名は鉄線と言いますが、これはこれで強面ながら味のある名前です。

              

              坂道沿いに誰かが手入れしてくださっているのでしょうね。様々な花が入り乱

              れて咲いているところがあります。ナッチャンと散歩するのが楽しみな季節です。 
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Goldregen--金色の雨

2016-03-22 15:56:04 | 世界
              

                連翹のまぶしき春の憂ひかな        久保田万太郎

              若いころ、南ドイツを旅した春、あちこちに黄色い花が咲いていて、

              何という花?と聞くと「Goldregen(金色の雨)だよ」と教えられ、日本

              で見る連翹に似ていたので、以来ずっと連翹を見るたびに「ああ今

              年も「金色の雨」が降る季節が来た」と思っていたのですが、どうも

              本当は同じ黄色い花の咲く「モクゲンジ」というのがGoldregenのよう

              です。でもまあ、同じく綺麗な黄色だし、下を向いて咲き、遠くから見

              ると、いかにも雨が降っているように見えるので、私の中ではこれを

              Goldregenだということにしておきましょう。

              

              

             今、木瓜の花がきれいです。木瓜はドイツ語ではJapanische Quitteというそう。

              

              このかわいいゆすら梅(多分)はドイツ語ではよくわかりませんが、Pflaume

              (梅)の一種でしょうね。

              

              道端に苺の花が咲いていました。ドイツ語ではErdbeere。「地のベリー」。

              なぜドイツ語の名前を?というと、四十数年ぶりにドイツ語を学び初めた

              からです。フローリアンというドイツ人にしてはシャイな感じの若い先生を

              見つけました。飽き性の私、さあ、どれだけ続きますことやら。
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和洋の秋

2015-11-24 15:06:45 | 世界
            

            近頃日本のマチュピチュなどと人気の竹田城跡近くの秋景色です。

            どんより曇った空の下、生い茂る秋草の後ろに僅かに見える石垣

            になにやら憂いを感じます。城跡は、特に廃城になった遺跡は寂

            しいですね。荒城の月のメロディーが頭のなかでうずまきます。

            哀愁を感じる日本の秋です。

            

            これが、ニュージーランドの秋となると趣が違います。5月のオーク

            ランド。蔦も色づいて、秋ではあるのですが、あっけらかんと明るい。

                

            これはドイツの秋景色。アウグスブルクの郊外です。9月に来日した

            アルフレートがメールで写真を送ってきてくれました。見事に赤いで

            すね。日本ともニュージーランドとも違うどこかシックな感じがします。

                

              夫が作った竹の花瓶にリンドウを挿して、玄関に置きました。

                

            その横の台の上には、黄色いバラをガラスの花瓶に挿して置きました。

            和と洋と、所が変わり、花や花器が変われば、秋の空気も違いますね。
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アウグスブルクから届いたDANKE!

2015-10-07 11:29:30 | 世界
             

             先日東京を案内した、というか一緒に歩いたアウグスブルのアルフレート

             からお礼が届きました。ドイツ人だからか人柄なのか、なかなか律儀です。

             

             中には、FRIEDENSHAUSフリーデンスハウス(平和の家)という家の

             形の小さな木の塊が入っていました。平和のシンボルとして、贈り物

             にされるもののようです。私がもらったのは青い色の家でしたが、様々

             な色の家があるようです。

             

             表には鳩が、裏には世界中の「平和」を意味する言葉が書かれています。

             

             一緒に小さな詩集も入っていました。アウグスブルクの美しい建物

             や自然の写真に詩片が添えられています。

             

               「秋は第二の春、木の葉がみな咲き輝くから」 アルベルト・カミュ

             しゃれていますね。

             私の方からも、日本の美しい秋を届ける物を送ろうと思います。
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栗のケーキ

2015-10-05 16:50:07 | 世界
              

              あっという間に金木犀の季節が過ぎて行きました。今年は雨のせ

              いかとても短かったような。もう街には金木犀の香りはありません。

              風が涼しく、秋の気配が濃くなってきました。ご近所の庭の片隅

              に白と黄色のミニバラが。そこだけポッと明るく華やいでいました。               

                   

              これはあざみの種類の花でしょうか。小花がたくさんついて、白く

              煙ったような感じが優雅です。散歩をしていると、いろいろな植物

              に出会います。名前を知りたいと思うのですが、調べがつかない

              ものがたくさんあります。これもその一つ。

              

              栗をたくさんもらったのですが、硬い皮を剥く根気がありません。

              皮のままゆでて、二つに割り、中身をスプーンですくい出して牛乳

              や砂糖を混ぜてミキサーにかけ、栗ペーストをたくさん作りました。

              その一部を入れてケーキを焼きました。美味しい!モンブランなど、

              栗を使ったお菓子はおいしいですね。

              

              

              夏以来ハマっているのが、コットンパールを使ったネックレス作り

              です。値段は真珠の100分の1もしない綿を丸めてニスを塗っただ

              けのパールで、おもちゃっぽい感じもありますが、その手作り感が

              魅力です。ネットオークションに出したら、売れるかな?
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ぞう列車がやってきた--どんな反戦の言葉より心に響く合唱

2015-09-01 09:59:16 | 世界
ぞうれっしゃがやってきた (絵本ノンフィクション 23)
箕田 源二郎
岩崎書店


           第二次大戦中、空襲で動物が逃げ出して、人を襲ったら大変だということで

           猛獣処分令が出されました。飼育員たちの必死の抵抗にもかかわらず、どこ

           の動物園でも、次々と動物が処分されていきました。名古屋の東山動物園

           でも、ライオンや熊や、罪もない動物が殺されて行きました。でも、ゾウだ

           けはと、園長さんを始めとして必死に守りぬきました。しかし十分な餌がな

           く、4頭のうち2頭が衰弱死。2頭が終戦まで何とか生き残りました。東京の子

           ども議会が、日本に2頭しか残っていないゾウを見たい、貸してくれないかと

           東山動物園に頼んできました。餌不足で衰弱してしかも高齢のゾウを東京に

           連れて行くのは不可能でした。そこで、人々と子どもたちの熱意と、国鉄の

           計らいで、子どもたちを乗せた列車がゾウに会いに行くことになったのです!

               

          この実話が本になり、それを元に合唱組曲が作られました。毎年いろいろな

          ところで上演され「ぞう列車」を専門に歌う合唱団もあります。           

              

          川崎でも、8月30日のかわさきの風コンサートで、上演され、息子と孫娘が

          出演しました。4、5歳の子どもから高齢の方まで幅広い人が出ていました。

          とても重い悲しい内容ですが、健気に一生懸命歌う子どもたちがいじらしく、

          大人たちの思いのこもった歌声が感動的で、涙なしには聴けませんでした。

          戦争は悲惨だ、二度と絶対にしてはならないと、百万回言うより、ずっと強

          いメッセージでした。多くの人々が犠牲になった戦争、何の罪もない動物た

          ちも犠牲になっていたのですね。
           
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須賀敦子 - イタリア

2015-07-19 14:49:23 | 世界
コルシア書店の仲間たち (文春文庫)
須賀 敦子
文藝春秋

           今まで須賀敦子という人を知らなくて、なんと損をしてきたことかと

           思います。偶然彼女の名を見つけ、この『コルシア書店の仲間たち』、

           『ミラノ霧の風景』など、立て続けに読んでいます。ほとんどがエッ

           セイ、あるいは自伝で、どの作品も小説というには、個人的にすぎ、

           読み進むにつれ、須賀敦子という生身の人間の体験を、私自身も一

           緒になって生きているような気持ちになる、不思議な魔力を持ってい

           ます。一人の日本人女性がイタリアに自分のアイデンティティを見つ

           け、深く深く入り込み、イタリアを、特にミラノを中心とする北イタ

           リアを、その時代を、人を、その肌触りを、匂いを、大雑把に言えば

           文化を、文章で見事に具現化してみせました。彼女の描く人々(主に

           イタリアの)は上流の生まれであれ、極貧の生まれであれ、生死の境

           をさまよってきた人であれ、平穏な人生を送ってきた人であれ、皆そ

           れぞれの悲しみ、苦しみ、希望を持ち、限りなく魅力的で、愛おしさ

           を感じます。

須賀敦子全集〈第1巻〉ミラノ霧の風景・コルシア書店の仲間たち・旅のあいまに
須賀 敦子
河出書房新社

          須賀敦子は聖心女子大、慶応大と進み、1953年にパリ大に留学したと

          聞くと、才媛ではあっただろうけれど、よっぽど良いお家のお嬢さんだっ

          たのだろうと思われますが、まさにその通り。でもそこからが、並のお

          嬢さんと違うところです。フランスがどうも肌に合わないと彼女は、ペ

          ルージャでイタリア語を学び、そこから運命的にイタリアに惹かれてい

          きます。ミラノでイタリア人男性と結婚し、彼が急逝するまで、13年間

          を過ごします。
須賀敦子 静かなる魂の旅---永久保存ボックス/DVD+愛蔵本
須賀 敦子,中山 エツコ,ジョルジョ・アミトラーノ
河出書房新社

          彼女の全集に、池澤夏樹が「異国に生まれなおした人」という後書きを

          書いています。違う世界に行ってそこで暮らす。それがうまくいった時、

          その人はそこで生まれなおす。須賀敦子はそれができたのだろうと。
          
          rebornという言葉が浮かびます。そして彼女はそこで、旅行者ではなく、

          一時的な滞在者でもなく、そこに根ざしてほんとうに生活を生きました。

          その体験が、彼女の中で反芻され、深く理解され、成熟して、あの珠玉

          の作品たちになったのでしょう。日本とイタリア、2つの国のどちらでも、

          真実の生を生きた人、そんな感じがします。何十年も生きてきて、真面

          目に生と向い合ってきたのかと、時々おぼつかない気持ちになる私は、

          羨望にも似た憧れの気持ちで、彼女が語るイタリアの人々や街の話に

          読みふけっています。

             
                                   (フィレンツェ)
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私たちの地球

2015-07-04 10:43:58 | 世界
               

             国連に国連環境計画(UNEP)という機関があります。その機関誌

             かつ季刊誌がOur Planet「私たちの地球」という、国連や世界各

             国の要人、専門家が環境について寄稿した文からなる雑誌です。

             日本語訳は公立の学校や図書館で読むことができます。今年5月

             号は"Healthy Planet, Healthy People"というタイトルで、主として、

             PM2.5など大気汚染の問題が取り上げられています。いつも読ん

             で思うのですが、地球上70億人の人々が、空気や水を汚染せず

             に環境を損なわずに、ひいては人間を含む生物全部を損なわず

             に生きることは至難の業だということです。

             

             日本は今梅雨。ありあまる水で植物は潤っています。とう言うか、

             所によっては集中豪雨や洪水で水責め状態です。ところが、世

             界では干ばつの所、きれいは水が飲めない所がかなりあります。

             

             気候変動、温暖化、大気・水汚染、人口増加、難問山積です。

             みずみずしい凌霄花の花を見ていると干あがった砂漠を思い

             浮かべるのは難しいのですが。

             

             七十億人地球を暑く暑くして     岡本紗矢句集「向日葵の午後」より
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世界の白い花

2015-06-09 16:12:32 | 世界
            

            関東地方もついに梅雨入りです。雨に濡れたカラーリリーの白い色が鮮やか

            です。カラーは南アフリカ原産の花。和名は阿蘭陀海芋。江戸時代にオラン

            ダ船に運ばれて日本に入ってきたのだそうです。

            

            ホタルブクロもこの季節の花です。その名は、子どもがこの花の中に

            ホタルを入れて遊んだことに由来するんですって。昔の子どもたちの

            遊ぶ様子が目に浮かんでくるようですね。この種の花の総称はつりが

            ね草(カンパニュラ)。地中海原産で、世界中で愛されている花です。

            

            牡丹は中国原産だそうで、百花の王とか富貴草などとも呼ばれます。

            豪華絢爛な花です。奈良の長谷寺など、牡丹の名所があちこちにあ

            ります。様々な色の牡丹の満開の姿は、まさに咲き誇っているという

            表現がピッタリです。

            

            生田緑地のばら苑の片隅で、エーデルワイスが売られていました。

            「高貴な白」という名前のこの地味なでも可憐な花は、「サウンド・

            オブ・ミュージック」の歌でもおなじみで、アルプスの高山に咲くイ

            メージです。オーストリアやスイスの国花でもあります。日本名は

            ウスユキソウ。日本の暑い夏でも平気な種類なのでしょうか?

            

            エーデルワイスとは逆に、南国の花のイメージのブーゲンビリア

            もこの頃見かけます。中央アメリカや南アメリカの熱帯雨林が原

            産です。鮮やかな赤い花をよく見かけますが、ピンクや黄色のも

            のもあります。白い花もとてもきれいです。フランス人の探検家の

            名前がついたこの花が、日本で普通に見られるようになったのは

            温暖化のせい?とすると、ちょっと考えてしまいますが、美しい花々

            が身近に見られるのはうれしいことです。
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