ここのところ、曇りがちで、湿度は高いものの、なっちゃんとのお散歩は
カンカン照りの日より、多少足取りが軽いかも。いよいよ朝顔の季節です。
赤や青や紫や、色鮮やかな朝顔は、その名のように早朝は元気はつらつ。
源氏物語に「朝顔」という帖があります。「夕顔」の方が有名ですが。源氏
に言い寄られても、頑としてはねのけ続けた稀有な女性の話です。不幸に
なるのが分かっているからって。ある意味痛快ですよね。源氏ほどの人を
受け入れなかったというのは。夕顔に比べて、しゃきっとした印象の花です。
もっともそのころ朝顔と呼ばれていた花は、今の朝顔ではなくて、ムクゲだっ
たかもしれないようですが。
朝は朝顔、昼は昼顔が咲いています。色が薄いし、小ぶりだし、朝顔ほどは
つらつとした感じではなく、その辺に勝手に咲く雑草っぽい花ですが、なんだ
か、そこはかとない色気があって好きです。「昼顔」というテレビドラマと映画
がありますね、以前にはカトリーヌ・ドヌーブが妖艶な娼婦役を演じた「昼顔
Belle de jour」という映画もありました。どちらも、この花の印象と違う、どろど
ろした内容でしたが。
夕顔も咲いています。これは朝顔や昼顔とは違う科の植物のようですが。
源氏物語の「夕顔」の印象はまさにこの花。夕暮れ時に、柔らかな儚げな
花を開きます。夕顔は源氏の寵愛を受けますが、嫉妬した六条御息所の
生霊に取り殺されるという、なんとも恐ろしい最期を遂げます。この帖で、
生霊などというものを知りましたが、むしろ六条御息所におおいに同情し
ます。自分の生霊が自分のあずかり知らぬところで嫉妬の塊になって飛ん
でいき、源氏の他の愛人を取り殺すなんて。責任の取りようもありません。
だけど、その夕顔の実がひょうたんの仲間なんですよね。それで、その
実をくるくる剥くと、カンピョウになる。花とのギャップが面白い植物です。
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