キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

真夏の静寂

2015-08-10 14:36:41 | 旅行
              

              大和郡山の町中の瀟洒な藁葺き屋根の館。慈光院という臨済宗の

              禅寺なのですが、お寺というよりは境内の庭も一体となった茶席の

              造りです。この地の領主であった茶道石州流の始祖である片桐貞

              昌(石州)が1663年建立しました。

              

              これは本堂へ至る茨木門です。石州の出生地である摂津茨木の

              城が取り壊された時、門を譲り受けてここに移したそうです。

              志賀直哉が殊の外愛した門だとか。趣き深い門です。

              

              書院は茅葺屋根の入母屋造りで、茶室が二つあります。

              

              書院から望む庭園の静かで美しいこと。すずしい風の吹く座敷

              に座って、お庭を眺めながらお茶を一服いただくと、心が解き

              ほぐされて行くような気がします。いがみ合い、煮詰まっている

              国のお偉い人々も、ここに来て、心を鎮めてみればと思います。

              

              それにしても、この酷暑の中なのに、屋内のなんとすずしいこと!

              こんなに静かで美しい場所が、実家のすぐ近くにあるとは、全く

              知りませんでした。とても嬉しい気持ちです。 

              少し小高いところにあるので、大和平野が借景になって、遠く見

              晴らせます。でも、慈光院の公式サイトを見ればその景観は近年
      
              開発によりドンドン変わってきているようです。借景のはずだった

              景色が醜くなり、生け垣を高くするなどして、景色を見えなくしてい

              るとは、悲しい話です。豊かさを得るために犠牲にしているものが

              多くあることを思い知らされます。    
              

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